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喜多ばぐじ・逆境を笑いに変える道楽作家

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【番外編】新入社員ガモタンの珍道中

【越南4】ベトナムドンと日本円、通貨の価値とは

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ホテルに帰ってきたとき、2人はガモたんが買った偽ドラえもんの雨を眺めていた。



「しかしこれ、怪しいですね」

「原材料が不明やから体に悪そうや」

「先輩、なんでこんなものを買ったんですか?」

「ベトナムのお札は日本円でいう、50円やから安いもんや」

ここが日本ならガモたんは支払わなかっただろう。なにせ、お札は価値のあるものだと認識していたからだ。

しかし、ベトナムと日本ではお札の価値が違う。1ドンは、約0.0045 円の価値だったからだ。

そのため、ベトナムの10000ドン札は、日本では約50円の価値しかない。
ベトナムのお札は、日本の50円玉なのだ。お札というものは全て高価である、日本国内にいる場合の先入観は海外でぶち壊される。

後輩のせっきーは、ガモたんに尋ねる。
「日本円とベトナムドンって、通貨のレート差が大きいですよね。なんででしょう」

「うーん。発行枚数の差、それと、国の経済力の違いもあるんじゃないかな。
ベトナムはまだ新興国であり、通貨の価値が違う。GDP世界3位の日本。その日本の中央銀行が発行した通貨やから、円は強い?」

「なるほど。けどお札っておもしろいですね。国によってお札の価値が違う」

「いや、そうでもないんじゃないかな?
ベトナムは物価がそこそこ安いから紙幣は硬貨よりも価値が高い。ま、どっちにしろ、不換紙幣やから、両国の通貨は発行した国の中央銀行が価値を担保している」

「ドンも日本円も、国家への信用がおカネの価値の裏づけとなるって、ことですよね。ところで、不換紙幣って、なんでしたっけ?」

「不換紙幣は、本位貨幣、つまり、正貨といわれる金貨や銀貨との兌換が保障されていない法定紙幣やな。英語では Fiat Money と呼ばれている。日本銀行が発行するお金は、元々、兌換紙幣やってんで?」

「え?ということは、お札と金、銀を交換できたんですか?!」

「そう。けど1942年から、日本銀行は保有している金の数量に関係なく紙幣を発行するようになった。だから、紙幣を日銀に持ってきても、もう金とは交換できないんだ」

「兌換紙幣が`不換紙幣`に変わった瞬間ですね?」

「そう。でも人々は、それ以降も変わりなく紙幣を使っている。紙幣という紙切れを`おカネ`だと信じ、国家を信用しているからな」

「でも、それでも問題なかったじゃないですか。ここまで約80年間は」

「ここまで、はな?
お札が不換紙幣になると、日銀は、発行するお札の量を自由にコントロールできるようになる。これがいわゆる`管理通貨制度`ってやつだ。

「お札の量を自由にコントロールできるからこそ、2020年の感染症拡大以降、世界各国は経済対策のために紙幣を大量印刷しているんですよね?」

「ああ。もちろんそれは、一時的には仕方のない行為だ。経済危機を救うためには、一時的な紙幣バラマキという応急処置は必須だからな。
だが、長い目線で見ると、不換紙幣の大量印刷は、必ずインフレ、つまり物価が上昇につながる」

「これから、ですね。世界で大量に刷られた不換紙幣がどうなるか」

「日本でいうなら、不換紙幣となってから80年が経つ2022年以降がターニングポイントじゃないかな。
新規発行し放題の日本円=フィアット通貨は大きく減価する」

「それとは反対に、発行上限や採掘上限がある資産が価値を増しているわけですね?
ビットコインのような仮想通貨や、金や銀といった貴金属が」

「そういうことだな。だが、増えすぎた不換紙幣を、兌換紙幣に戻すための方法も、ある」

「そんなことできるんですか?」

「デノミネーションだよ。それによって通貨の価値を減価する…そのあとは、兌換紙幣に戻すんだ。もしくは、1946年みたく、預金封鎖を実施するとか…」

ガモたんたちはこの後も経済談義を行った。観光に訪れたベトナムでの経験が経済について考えを巡らせる機会になった。
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