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1、アントニオ猪木(偽)を尾行せよ

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SASUKE担当の方から、オーディション参加依頼の電話があったのが、2週間前でした。

その後、メールが届きまして、10月8日に大阪のなんばでオーディションが開催されるとのこと!


ぼくは、住んでいる鳥取県からSASUKEのオーディションのために実家の神戸に帰省したのでした。


そして、決戦の10月8日がやってきました…


会場は「なんばカルチャービル」ということで、なんば駅に降りてから目的地に向かいます。


すると、なんば駅の改札で、明らかにSASUKEに出場しそうな方を発見したのです。

その顔つきはまるで、アントニオ猪木。
しかし、身長は小さめです。

彼は、改札を通り、周囲をキョロキョロしたあと、
駅員に「すみません。なんばカルチャービルはどこですか?」と聞いていました。

なんばカルチャービル

そう、そこはSASUKEのオーディション会場です。


ぼくは、自ら会場を探すのが面倒になったので、
小さなアントニオ猪木についていき、会場まで連れて行ってもらうことにしました。

ミニアントニオ猪木に対して、5mほどの距離をとりながら尾行します。

しかし、アントニオ猪木(小)、全く場所がわかっていなかったのです。

道に自信がないようで、後ろを振り向いたり、右往左往しています。

アントニオ猪木(小)が右往左往するということは、彼を尾行するぼくも同じように右往左往してしまいます。

そして、目が合うぼくら二人。


こうして恋が…

生まれません。
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