歌えなくなったオメガを匿った夜から、ふたりの秘密が始まった

スピカナ

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第33話 検査違い?

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 颯太はイケたあとはすーっと眠っていたが、2時間ほどすると、もそもそと動き始めた。
「颯太、どうしたの?」

上半身を起こし、お腹に手を当てて何か訴えている。
「お腹が痛いの?」
頷いた。

「じゃあ、トイレに連れていくよ。俺の首に手を回して」
素直に手を回してきた。急いでいるんだな。
抱き上げて、そのままトイレへ連れて行った。

ドアを閉めて、あとは任せるしかない。
落ち着かない気持ちでソファに座って待っていた。

10分ほどするとドアが開いたので、飛んで行った。
「どうした?」

颯太は恥ずかしそうにニヤッと笑った。
「ん?もしかして“お知らせ”が来たの?」
嬉しそうにうなずく。

「そうか!温めたのとマッサージが効いたんだな。
やったぞ、颯太。良かったね」
抱きしめて、達成感を噛みしめた。

そのまま抱っこしてソファへ移動する。
部屋から車いすを持ってきた。

「颯太、毎日マッサージは続けようね」
え?という当惑した表情でうつむく。
「はあん……颯太、マッサージが嫌なの?」
ううん、と横に振る。

「じゃあ、その後の問題?」
なんとなく迷っているような顔をしたが、最後は微かに頷いた。

「多分ね。お腹の湿布もマッサージも良かったけど、その後の“動き”もお腹に良かったんだよ。
運動と同じ。どうしても嫌ならしないけど、せっかく出たんだから勿体ないよ。
だから続けよう?」

「颯太、おいで」
手を取って抱きしめ、そのままソファに横になり、颯太を上に乗せた。

「……颯太、さっきすごく可愛かったよ。
颯太はオメガだから、アルファに可愛がられるためにいるんだよ。
だから受け入れてほしいんだけど……嫌かな?」

颯太がふっと頭を上げた。
変な顔をしている。
ううん、と横に振る。
「え?」

車いすのタブレットを取ると、猛烈な勢いでタイピングした。
<先生、俺オメガじゃないです。ベータです>

「え?うちの病院の血液検査の結果はオメガだったよ」

<でも中学の時に学校で検査した時はベータだと言われたんです>
「ええ?不思議だな。後天的なものなのかな?」

すぐ淳一にメールした。
「颯太が中学の時にベータと言われたそうだけど、うちの検査結果に間違いない?」
5分ほどで返事が来た。

「間違いないよ。颯太君はオメガだよ。
中学の時の検査が不十分だったか、後天的な要因でオメガになった可能性もある。
もっと精密検査をした方がいい」

「颯太、淳一の返事だと、オメガで間違いないって。
後天的に変わった可能性もあるから、精密検査を受けた方がいいって言ってる。
受けようか?」
颯太はすぐ頷いた。

そうだよな。颯太にとっては大問題だ。
「今から行くってメールするね」
颯太は頷き、車いすに移って自分の部屋へ向かった。
俺も着替えよう。

お互いに着替えて、下の駐車場へ。

うちの病院には“バース科”という診療科がある。
問診・診察・検査が受けられ、相談にも乗ってくれる。

病院に着くと、すぐ診てくれた。
患者は多くないが、なくすわけにはいかない診療科だ。

経過を見ていくには、1人の患者でも長期間になることがある。

精神科と同じで、じっくり向き合う治療が必要なのだ。

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