4 / 431
第1章 サテライトオープン
2話 水曜日パニック・1・事務がいない
しおりを挟む
セレモニーが終わった途端、
1階では患者ラッシュだったらしい。
確かに今日は水曜日。
うちの本館は休みで、市内の病院もほとんど休み。
でもセレモニーがあるから混むと思って、あえて今日にしたんだよね。
各病院から先生方に見てもらわないといけないから、わざわざ水曜日にした。
ところが、それが裏目に出た。
宮本看護師長からインカムでヘルプが入った。
「理事と急ぎ1階サテライトの応援に来てください。
患者が多くて無理です」
夏にもすぐ来るようにインカムで呼んだ。
階段を降りていくと、途中でちょうど岩城と川瀬が上ってきているところだった。
「ああ、頼む。急患がいっぱいいるらしい。
二人とも一緒に来てくれないか?」
そしたら、二人とも一緒に駆け下りて来てくれた。
さすが医者だよ。
1階に行くと――何だこのざまは??
大勢の人が長椅子に寝ていたり、立ったままの人も多いし、床に座り込んでいる人も何人もいた。
どこから手を付けるんだ?
師長の泣きが入っていた。
岩城が叫んだ。
「皆さん、私は大学病院の外科医・岩城です。
いまから一番具合の悪い方を教えてください!」
川瀬が「よし、俺がトリアージをするよ」
すると高齢の女性が岩城の服を掴んだ。
「孫の具合が悪くてしゃべれません」
岩城がすぐ診てくれたようだ。
「聴診器を貸して!」ナースが手渡した。
「血圧計を頂戴。今、処置室は空いてるの?」
「ダメです。全部使ってます」
「北原、本館に連れて行こう!外科の処置室があるだろう?」
「よし、分かった。車いすがあるよ」
子供を車いすに乗せて本館への廊下を渡り、ドアの鍵をカードキーで開けた。
すぐ電気とエアコンをつけた。
「奥が外科だから頼む。今ナースを呼ぶよ」
3階に電話して、ナースは全員本館の1階に来るように指示した。
寮母の西村さんも呼び出そう。
すぐ電話がつながった。
「本館の1階の外科に来て。患者がいっぱいなんだ」
サテライトに戻り、
「患者の皆さん、今、本館の1階を開けましたので、そちらへ移動してください。
医師が3人いますから大丈夫ですよ」
そして、ぞろぞろと廊下を渡って1階奥の待合室へ案内した。
その時、救急車が到着。玄関を開けた。
救急車はエレベーターで地下から乗せるようになっている。
エレベーターを動かした。
でも先に玄関から救急隊員が飛び込んできた。
多分、さっきの子供だな。
外科の奥の処置室に行くと、岩城が人工呼吸をしていた。
ああ~申し訳ない‥‥‥交代してやればよかった。
「どうだ?救急車が到着したけど、乗せることができるか?」
「待って、今やばい。AEDを使う。みんな下がって! 1、2、3――バシッ」通電した。
「……__戻ったね!よし、乗せよう。
このまま人工呼吸を続けるから、救急車に乗って行くわ」
「ああ、悪いね。助かったよ。ありがとうね」
「川瀬は置いていくから、こき使って!」
ふっ、余裕あるな。
そして西村さんや3階のナースたちが駆け付けた。
「すみませ~ん、遅くなりました!」
「じゃあ、患者さんのトリアージして!」
もうこの時点で、患者さんがどう見ても20人以上はいた。
「はい!」西村さんが率先してチェックしてくれた。
川瀬が「俺はどこから見ればいい?」と聞いてきたから、
「外科の診療室を使って! 今、患者さんを送り込むから」
「OK!」
ナースの1人に、川瀬にエプロンか白衣を渡してほしいと頼んだ。
「ああ~事務員が欲しい。誰かいないか?」
3階に誰もいなくなるから、事務を一人置いてきたんだって。
そうだ!うちに一番近い事務の川田麻子さんがいた。電話した。
「休みのところ申し訳ない。
急いで本館の1階の事務に入ってくれないか?
今パニックなんだ。
タクシーを呼んでいいからさ、頼むね」
もう返事も聞かずにガチャっと切ってしまった。
そこで看護部長が慌てたように飛んできた。
「一体何事ですか?」
西村さんがヘルプをしてくれたんだろう。
「見ての通りで、みんなでパニックだよ。
事務頼むよ。今川田さんを呼んだけど、来れるかどうかの返事は聞いてないんだよ」
「わかりました」すぐどっかに電話していた。
とにかく、待ってる患者さんを何とかしないとね。
見た目で具合の悪そうな人から診察をした。
ああ~カルテがない。メモ書きだな。
とりあえずメモ書きを患者本人に
「見えるように持ってて」と渡した。
そうやって1名ずつ診ていると、
先に電話した事務の川田さんが走ってきた!
「すみませ~ん、遅くなりました!」
化粧もせずに髪を振り乱したまま走ってきたようだ。
「ごめんねえ、急に電話して。
すぐ事務に入ってくれない?
どの人も初診の人ばっかりだと思うんだよね」
「はい、分かりました」
その時、電子機器が動き始めたようだ。
タブレットを持ってきてくれた。
1階では患者ラッシュだったらしい。
確かに今日は水曜日。
うちの本館は休みで、市内の病院もほとんど休み。
でもセレモニーがあるから混むと思って、あえて今日にしたんだよね。
各病院から先生方に見てもらわないといけないから、わざわざ水曜日にした。
ところが、それが裏目に出た。
宮本看護師長からインカムでヘルプが入った。
「理事と急ぎ1階サテライトの応援に来てください。
患者が多くて無理です」
夏にもすぐ来るようにインカムで呼んだ。
階段を降りていくと、途中でちょうど岩城と川瀬が上ってきているところだった。
「ああ、頼む。急患がいっぱいいるらしい。
二人とも一緒に来てくれないか?」
そしたら、二人とも一緒に駆け下りて来てくれた。
さすが医者だよ。
1階に行くと――何だこのざまは??
大勢の人が長椅子に寝ていたり、立ったままの人も多いし、床に座り込んでいる人も何人もいた。
どこから手を付けるんだ?
師長の泣きが入っていた。
岩城が叫んだ。
「皆さん、私は大学病院の外科医・岩城です。
いまから一番具合の悪い方を教えてください!」
川瀬が「よし、俺がトリアージをするよ」
すると高齢の女性が岩城の服を掴んだ。
「孫の具合が悪くてしゃべれません」
岩城がすぐ診てくれたようだ。
「聴診器を貸して!」ナースが手渡した。
「血圧計を頂戴。今、処置室は空いてるの?」
「ダメです。全部使ってます」
「北原、本館に連れて行こう!外科の処置室があるだろう?」
「よし、分かった。車いすがあるよ」
子供を車いすに乗せて本館への廊下を渡り、ドアの鍵をカードキーで開けた。
すぐ電気とエアコンをつけた。
「奥が外科だから頼む。今ナースを呼ぶよ」
3階に電話して、ナースは全員本館の1階に来るように指示した。
寮母の西村さんも呼び出そう。
すぐ電話がつながった。
「本館の1階の外科に来て。患者がいっぱいなんだ」
サテライトに戻り、
「患者の皆さん、今、本館の1階を開けましたので、そちらへ移動してください。
医師が3人いますから大丈夫ですよ」
そして、ぞろぞろと廊下を渡って1階奥の待合室へ案内した。
その時、救急車が到着。玄関を開けた。
救急車はエレベーターで地下から乗せるようになっている。
エレベーターを動かした。
でも先に玄関から救急隊員が飛び込んできた。
多分、さっきの子供だな。
外科の奥の処置室に行くと、岩城が人工呼吸をしていた。
ああ~申し訳ない‥‥‥交代してやればよかった。
「どうだ?救急車が到着したけど、乗せることができるか?」
「待って、今やばい。AEDを使う。みんな下がって! 1、2、3――バシッ」通電した。
「……__戻ったね!よし、乗せよう。
このまま人工呼吸を続けるから、救急車に乗って行くわ」
「ああ、悪いね。助かったよ。ありがとうね」
「川瀬は置いていくから、こき使って!」
ふっ、余裕あるな。
そして西村さんや3階のナースたちが駆け付けた。
「すみませ~ん、遅くなりました!」
「じゃあ、患者さんのトリアージして!」
もうこの時点で、患者さんがどう見ても20人以上はいた。
「はい!」西村さんが率先してチェックしてくれた。
川瀬が「俺はどこから見ればいい?」と聞いてきたから、
「外科の診療室を使って! 今、患者さんを送り込むから」
「OK!」
ナースの1人に、川瀬にエプロンか白衣を渡してほしいと頼んだ。
「ああ~事務員が欲しい。誰かいないか?」
3階に誰もいなくなるから、事務を一人置いてきたんだって。
そうだ!うちに一番近い事務の川田麻子さんがいた。電話した。
「休みのところ申し訳ない。
急いで本館の1階の事務に入ってくれないか?
今パニックなんだ。
タクシーを呼んでいいからさ、頼むね」
もう返事も聞かずにガチャっと切ってしまった。
そこで看護部長が慌てたように飛んできた。
「一体何事ですか?」
西村さんがヘルプをしてくれたんだろう。
「見ての通りで、みんなでパニックだよ。
事務頼むよ。今川田さんを呼んだけど、来れるかどうかの返事は聞いてないんだよ」
「わかりました」すぐどっかに電話していた。
とにかく、待ってる患者さんを何とかしないとね。
見た目で具合の悪そうな人から診察をした。
ああ~カルテがない。メモ書きだな。
とりあえずメモ書きを患者本人に
「見えるように持ってて」と渡した。
そうやって1名ずつ診ていると、
先に電話した事務の川田さんが走ってきた!
「すみませ~ん、遅くなりました!」
化粧もせずに髪を振り乱したまま走ってきたようだ。
「ごめんねえ、急に電話して。
すぐ事務に入ってくれない?
どの人も初診の人ばっかりだと思うんだよね」
「はい、分かりました」
その時、電子機器が動き始めたようだ。
タブレットを持ってきてくれた。
5
あなたにおすすめの小説
【短編集】こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
守り守られ
ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師
患者 瀬咲朔
腸疾患・排泄障害・下肢不自由
看護師
ベテラン山添さん
準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん
木島 尚久 真幌の恋人同棲中
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
月弥総合病院
僕君・御月様
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる