診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第1章 サテライトオープン

16話 辞令と拍手と、照れ笑い

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 翌朝、彼女たちは朝一番で院長室にやって来た。

向こうのメンバーは、山科看護部長、宮本看護師長、加納看護主任、そして寮母の西村さん。

こちら側は理事と桐生さんも同席している。皆、少し緊張している様子だった。

「おはようございます。朝からありがとう。昨日は返事をくれて嬉しかったよ」

一瞬の沈黙があった。

意味ありげに俺の目を見るから、くすっと笑って、うんうんと返事をした。

無言の催促だったな。ははっ。


「では、西村さんに辞令をお渡しします。サテライト専任の主任に昇格です。おめでとうございます」

そう言って、辞令書を手渡した。

全員が笑顔になり、大きな拍手が起こった。

「おめでとうございまーす!」と声が上がり、西村さんは頬を赤くして、辞令書をそっと見つめた。

西村「ありがとうございます…」丁寧にお辞儀をされた。

辞令書を手に、はにかみながらじっと見つめていた。

理事「では西村主任、こちらが新しい契約書です。勤務時間をご確認のうえ、署名と捺印をお願いします」

西村「はい、ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします」


山科「あのう……外科の佐久間先生の件なんですが、もしかして外科の拡張をお考えでは?」

宮本「それと小児科ですが、三浦先生は非常勤で今のところ別の病院にお勤めのようです。常勤としてお誘いする予定なんでしょうか?」期待感いっぱいに笑顔で聞かれた。

思わずこっちもニヤニヤしてしまう。

山科「だって、これまでの流れだと、どんどん取り込んで離さないじゃないですか?そうなると、看護師の配置もそれを考慮して決めないといけません。どうしましょうか?」

夏の顔を見ると、ヘラヘラして視線が定まらない。完全に困り切っている。

「まあね、それは十分に考えられるよね。サテの内視鏡医師3名の確保を考えても、あれに合わせてサテライトもできたしね」

理事「まだ先生方との面接もしていませんし、社長にも報告していないんです。だから未定ではありますが、融通が利くように配置していただけると助かります」

山科「ここまでスタッフが揃ったら、日中の速見先生から佐久間先生へ、サテでスムーズに引き継げますよね?

そのうち宮本先生も戻ってきますし、長谷川君は岩城先生の紹介だから、外科志望なんじゃないですか?」

宮本「そうなると、カンパニーの1階を廊下で繋いで、サテの外科棟を作る流れになりますよね?外科は集約した方が動きやすいですし」

山科「すると、2階には手術室ですかね?簡単な手術でも集中治療室や入院部屋は必要ですしね。でも宿泊型の健康診断をやめれば、一泊3万5千円くらいの差額ベッド代が取れますよ。
どうですか?かなり利益が取れますよ」

アハハハ、展開が早すぎてお腹が揺れる。

夏を見ると、片手で顔をこすりながら苦笑していた。

どうやら一番気が進まないのは夏のようだ。

「いや~、それは考えたくないよね。宿直なんて嫌だよ。みんなそれが嫌で、うちに来てるんじゃないの?」

「でもまあ、確かに今までの流れだとあり得るよね。小児科の三浦先生ならともかく、佐久間先生はご家庭の事情で夜しか勤務できないらしいんだよ。

ただ、キャリアがすごすぎて、ついこちらもスイッチが入っちゃうよね。分かるよ。多分、理事が社長に話してみるんじゃないかな?」

夏を見ると、もう気力が尽きたように肩を落としていた。

「だろう?」と理事に振ってみた。

理事「あっ、はい、そうですね。まだ面接もしていませんし……、それから、もう少しだけお待ちいただけますか?

でも準備だけはしておいてください。すぐに計画が動く可能性もありますから」

「ただ、今はサテライトに投資したばかりなので、どうでしょうか‥‥‥」

「まあ、とにかく柔軟に配置しておいてください。ナースや助手に関してはすべてお任せしますので、よろしくお願いします」

皆が帰った後、ふたりでふーっとため息をついた。


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