診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第4章 菜の花、未来を味わう

77話 休診日の変更

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 魔の水曜日の翌日、本来なら木曜は休みのはずだった。

けれど本館スタッフに伝達が必要なので、朝礼だけは出席することにした。

<朝礼にて>

「おはようございます。昨日の水曜日はやはり患者さんが集中してしまい、皆、24時まで食事を取ることができませんでした。

 そこで菜の花として、本館の診療休みを水曜日から木曜日に変更することにしました。

急な変更で、毎週水曜日に予定を入れている方も多いと思いますが、仲間が食事もできずに24時まで働くのは過酷です。

予約の患者さんについては、できるだけ早急に変更のご連絡をお願いします。

変更は来月から実施します。あと2週間ありますので、内視鏡など予約変更が大変なものもあると思いますが、何とか調整をお願いします。

それと昨夜、理事と話し合って決めたことがあります。

サテライトは毎日20時から20時半まで診療を中断し、全員休憩時間とします。

患者さんが途切れず“気づいたら休まず終了していた”という事態を避けるためです。

もちろんサテライトはシフト制ですが、本館が終わった後に急に患者さんが増えるため、交代で休憩を取るのが難しい状況でした。

やはり全員が安心して休めるためには、一旦診療を止めるのが最善と判断しました。

この件はホームページにも反映します。

現時点で水曜日に予定を入れている方は、有休を取って調整してください。

 以上です。解散」




この変更の影響は大きい。今日は桐生さんも休みだし、夏には社長への報告だけ頼んだ。

看板を変えるのは明日からだ。

今日は表示を印刷してパウチし、あちこちに貼り出す作業に追われた。

HP関係は広報の三枝さんにお願いし、さらにインスタにも書き込んでもらった。

抜かりがないかチェックを任せて、俺と夏は午後から休むことにした。

今日は山科看護部長も西村看護主任も休み。

……ああ、大変すぎて頭が回らない。昨日の自分のドジも引きずっているし。

本当に遊ぶ気になれるのだろうか?

がっくりしながら帰宅すると――

「お兄さん、着替えて出かけようよ」

「うん。ご飯は?」

「外で食べたい。早く外に出たいの。気分を変えたいんだもん」

「そうだね。そうしよう」

着替えて車に乗り込む。

「どこに行きたいの?」

「とりあえず海の方向にお願いします」

「あそこに行きたいの?」

「うん」夏はうなずいた。ふっ、元気だなあ……。

「よし、分かった。行こう」

国道をひたすら海の方角へ走る。

途中でシーフードレストランを見つけた。

「夏、ご飯がまだだから、あそこに寄ろうか?」

「うん、そうする」

店内は海の近くだけあって広々としていて、リゾート感がいっぱいだった。

「何食べる?」

「俺はねえ……ドリア!」

「好きだねえ。実は俺もドリアにしようかなと思ったんだよ。あとシーフードサラダは二人でシェアしよう」

「うん、ここのサラダ、すごいボリュームだもんね」

表面がこんがり焼け、ふつふつと音を立てる熱々のドリアが運ばれてきた。

フウフウしながら食べ始めると、次第に気分も変わってきて――楽しくなってきた。

やっぱり、食べるって大事だ。


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