診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第5章 2号館、屋上から動き出す

89話 院長室にて・夏の地雷

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「理事、これを見て」

宮本師長が立ててくれたケアプランを見せた。

もちろん桐生さんも一緒に見ている。

夏「へえ~すごいね。宮本師長も忙しいだろうに、よく資格を取りに行ってくれたよね?」

院長「全く、感心したよ。すごいよね?」

夏「でもさ、これで菜の花も新しいステージに入れるよ」

院長「ふっ、なんだよ。また思いついたのか?なんか社長と話してるみたいだな。そっくりだよ」

プッと桐生さんが吹き出した。

夏「やめてよ、俺は若いんだからね」

院長「へっ、そこか」

桐生「私も驚きましたよ。よくぞ取ってくれたという感じですね。これからの菜の花には絶対必要な資格ですよ」

夏「ねっ!そう思うでしょう?ほら、聞いた?」

院長(ふふふと笑って)「それでどこが新しいステージなんだ?」

夏「やっぱりさ、これから入院する人も多くなるから、退院後は相談する人が必要なんだよ。

で、うちの3階に来てもらうもよし、他の老健を紹介してもいいし。何かとおいしくなるじゃない?」

院長「‥‥‥やっぱりなあ~そこへ行くか」

夏「だって!いいでしょう?経営はやっぱりそこでしょう?」

院長「わかったよ、理事に任せるよ。桐生さん、今後はどういう展開が考えられますか?」

桐生「そうですね。社長が介護施設まで考えていらっしゃるかどうかですよね。

今は結構多いですからね。案外手配するだけにとどめておいた方が楽だとは思いますけど。

施設を始めるとまたスタッフ集めに苦労しますよ。出入りが多いようですからね」

院長「聞いたか?またスタッフ集めをしたいか?」

夏「それは嫌だ」

プッ——桐生さんと二人で同時に笑った。

院長「それより師長にちゃんと資格手当を付けてあげた?」

理事「付けましたよ!」

院長「そうか、それならいいよ。宮本君は元気でやってるかなあ?」

理事「今度さ、彼も呼んで飲み会しようか?」

院長「いいねえ!行こうよ。会いたい」

院長「そこに誰を呼ぶ?岩城も呼ぼうか?そうだ、青山先生は元岩城の弟子だったらしいよ。だから今でも親しいんだって」

理事「じゃやめた」

ぷっ。

院長「う、うう、くくく……」笑いが止まらなくなった。

桐生さんも横を向いてクスクス笑っている。

院長「話がまとまらないな。じゃあ、やめだ。夏たちだけで会って楽しめば?俺は良いよ」

理事「それで院長はその間にどうするつもりなの?」

ククク……

もう笑いが止まらない。桐生君も後ろを向いたまま肩を震わせている。

院長「はー苦しい。もう笑って今日は終わりだよ」


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