診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

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第8章 もっと寮が欲しい

145話 お掃除・最強キャリア・2

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 お掃除教習のスケジュールは出来た。

プロのトレーナーも手配した。

採用した新人スタッフは30代から60代までと幅広い。

スタイリストのエリナさんに趣旨を話し、どの年代でも飛びぬけてカッコよく見えるユニフォームを選んでもらった。
ついでに、2号館用のナースやナース補助にも、本館やサテとは違う制服を準備した。

これは実務的な理由。

検査室などでかち合った時に、2号館と本館などの違いを一目で分かるようにするためだ。

患者さんの確認は必須だが、人数が多くなれば患者を連れて来たナースだけでも視覚的に違っていた方が、ミスは避けられると思う。

とりあえず、最初に採用した6人分はもうすぐ届く。
この実習はすべて録画し、アニメの材料にするし、HPにも出す予定だ。

だからこそ――まずは“見た目”から始める。

さらにエリナさんには、もう一つ注文を出した。
それは、清掃レベルの違いを制服で分けること。

一般的なエリアと、ICUや手術室のような高度なエリアを同じ制服で任せるのは違う。
難しい仕事には「それにふさわしい誇り」を持って取り組んでほしい。
だからこそ、スタッフ同士でも“違いがわかる”ユニフォームにしたい。

色は明るく、きれいに。
――それが菜の花らしさだ。

気分よく院長室にいると、理事と桐生さんがやってきた。
二人とも少し緊張した表情だ。

理事「院長、今さら言いにくいんだけど……お掃除の教習に莉子が参加するのは、やめてほしいんだ。
莉子って夢を見て、夢を食べて、それをアニメにして大きな市場で稼いでいるんだよ。

でももし吐しゃ物や血液の清掃を目にしたら、繊細な感覚だからトラウマになりかねない。
莉子だけは守ってあげてほしいんだ。アニメプラスにとっても大きな損失だしね」

「そうか……分かった。初心者の目線としてはいいと思ったんだけどな」

理事「その代わりに、アニメプラスの想君を貸し出すよ。
彼は要点をつかむのが天才的だし、動画の撮影は三枝さんに頼もうと思う。

ほら、前に送迎バスで犬の毛だらけになってへばって座り込んだ動画、あれ大好評だったでしょう?
イケメンなのに失敗するギャップが面白くてさ。ぷっ」

思い出したら俺も吹き出した。確かに最高に笑えた。

「なるほど、彼のイケメンぶりとのギャップか。面白いね。
でも撮影は一方向じゃ足りないな。もう一人いるだろう?」

「それは俺も別の角度から撮るよ。面白い瞬間を逃すわけにいかないからね」

桐生「それで院長、動画が出来て想君が台本をまとめたら、最終的に莉子さんにアニメ化をお願いしたいんです」


「ああ、それなら莉子もいいだろう。なんせ旅行を楽しみにしてるからな。

じゃあ、その方向で進めてください。以上でいいかな?」

理事「はーい!」


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