診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ

文字の大きさ
251 / 431
第13章 菜の花の新しい風

249話 Natsu 事務所のニューフェイス

しおりを挟む
 西嶋さんは、看護部長が話すと飛び上がって喜んだそうだ。
三枝君はもちろんのこと。

ただ、バーンズ先生は「またですか?」と嫌そうな顔をした。
まあ、今回が2回目だからね。

「菜の花の発展のために、許してくれない?」
「ええ~、じゃあ理事のためにしょうがないなあ」と言って、結局OKにしてくれた。


野見山さんは、両手を口に当てて目を丸くしてびっくりしていたらしい。

「でも私、医学用語も知らないし、どうしましょう? 私で役に立ちますか?」

でも、西嶋さんが3日ほどそばにいてフォローしてくれると聞いて、了承してくれたそうだ。

それで早速、3人の移動の辞令を掲示板で流して、休憩室の掲示板にも貼り出した。
西嶋さんも野見山さんも、皆からものすごくうらやましがられたのだそうだ。
みんなそんなに退屈してるのかな?

ところで、エリナさんがまた大喜びだったそうだ。
先週の土曜日には、莉子や桃香、俺の服を一式持ってきてくれたが、今回は「仕事中でもいいですよ」ということで、揃い次第平日に持ってきてくれた。

場所は、やはり我が家だ。病院では目立つからね。
また莉子が見物するそうだ。ははっ、面白い。

三枝君は長身のイケメンだから、エリナさんは仕事が楽だったんだって。

夏の話だと「これで音楽事務所は、まるでモデル事務所のようですね」と言われたそうだ。
ヘラヘラ笑ったさ。

「モデル事務所にスカウトされないようにしないとね」と冗談を言ったんだけどさ。
ああ~もうなんか、次から次に想像もつかない展開になるからさ。頭がついていかないよ。

三枝君は何を着ても、モデルのように様になった。
莉子が「すごいねえ~なんてイケメンなの?」と感心していた。
この時間は、莉子の目の保養だったかな。

あとは、西嶋さんが恐縮していた。
うちに来るのは初めてだもんね。莉子とも直接話すのは初めてだと思う。

そして、エリナさんがドンピシャの今どきのパンツスーツを用意してくれた。
これはホテルや秘書などのユニフォームなのだそうだ。

イメージにぴったりだった。
スカートバージョンもあるし、シャツブラウスも種類が何枚かあって、カーディガンとベストもある。
いずれも夏物も一緒に揃えてくれた。

「カッコいい!」
西嶋さんがめちゃくちゃ喜んでいた。
「ドラマに出てくる秘書みたいです!」というから、皆、発想は同じだな。ちょっと笑った。

でも莉子が「ものすごく似合うよ」と褒めてくれたから、またまたうれしかったようだ。
これで事務所で、どんどん実力を発揮してくれるといいね。

さて、これで大体の体制は整った。

あとは桐生さんが、新たなスタッフを教育するだけだ。
ところで、アニメプラスは募集を出したばかりなんだけど、もう7~8人の応募が来たそうだ。

へえ~、有名になったのかなあ? 

業界の人が注目しているということなのだろうか?

でも、本命の人がいるんだって。藤堂流星という素敵な名前だ。
さすがに“縛られたくない人”なだけはあるよ。名前を聞いただけでクスクス笑った。

今はフリーなんだけど、やり手で、来てくれるなら全部を任せられる人なんだって。
ただ、朝が苦手で会社勤めが嫌なんだそうだ。
それで今は、リモートでアニメプラスの仕事をやってもらってるんだけど、午後からでもいいし、フレックスタイムでもいい。
高給だし、休日も自由設計でと誘ったらしい。

桐生「でも、実際うちに来ればどっぷりハマると思うんですよね。
そうなれば、嫌でも気になって早く出てくると思うんです。
この作戦が当たればいいんですけどねえ~」

ふ~ん。面白い人物がいるもんだ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【短編集】こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

守り守られ

ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師 患者 瀬咲朔 腸疾患・排泄障害・下肢不自由 看護師 ベテラン山添さん 準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん 木島 尚久 真幌の恋人同棲中

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

月弥総合病院

僕君・御月様
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

処理中です...