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第17章 夏輝・人気と自由と……
322話 夏輝サイド・お兄さんの匂い
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夜、ノックの音がした。――え、今日来れたのかな?
ドアを開けると、お兄さんだった。
「お酒でもいっぱいやる?」と聞かれ、思わず胸に飛び込んだ。
うれしすぎる……。
お兄さんも抱きしめてくれて、たくさんキスをしてくれる。
幸せで胸がいっぱいになる。
旅行の時はいつも、最初の夜は莉子と。
二日目は莉子が譲ってくれて、俺のところに来てくれる。
「今夜来てくれてよかったの?」
「うん、莉子がすぐ寝るから“夏のとこに行っていいよ”って言ってくれた」
「わー、うれしいなあ。じゃあ、お酒でも飲もうよ」
冷蔵庫を開けた。
「何か出そうか?この部屋、ミニバー付って書いてあったよね?」
「うん、何がある?俺まだ見てない」
「さすがに色々あるけど、自分で選んでみて」
二人で小さな瓶やアルミ缶を並べてみた。
つまみもサービスでついていた。いいねえ~。
部屋が良いと、こういう自由さがあるのも嬉しい。
お兄さんはハイボール、俺は赤ワイン。
変な組み合わせだね、へへッ。
結局、凝ったお酒は飲まないんだよね。
「乾杯しよう」
お兄さんがソファに座って、膝をポンポンと叩いた。
――ここにおいでって意味。うれしすぎる。
お兄さんの膝の上に横向きに座り、片手を首に回して乾杯。
グラスを合わせて飲む。
部屋のライトにグラスをかざして「赤ワインって魅力的な色だね」
弾んでる気持ちと似てる気がして、そう言ったのに……。
「夏、今日はあまり楽しめなかったんじゃないの?」
忘れたいと思っていたことをストレートに言われて、
やさしい眼差しで見つめられると、胸が熱くなる。
ずるい。
言葉に詰まって、お兄さんの首筋に顔を寄せた。
お兄さんの匂いがいっぱいした。
大好きなこの匂いに埋もれたい。
話したいことや聞いてほしいことはたくさんあったけど、こうして目の前で聞いてくれると、どうでもいいような気
がしてくる。
「これって慣れないといけないんだよね?もう後戻りはできないからうまく慣れるようにするよ。でもお兄さんや莉子たちには迷惑をかけるから、本当に申し訳ないんだけど......」
「迷惑なんて何もないさ。夏が好きな道を行くんだから、それでいい。
ただ一つ……夏の声は俺だけのものだったのに、それだけがすごく悔しいかな__」
「もう~またそれを言う__恥ずかしいよ……」
「じゃあ、もっと恥ずかしくしてもいい?」
「もう~聞かないでよ……」――良いに決まってるじゃん。
お兄さんがふふっと笑って、頬にキスをした。
「お風呂に入ろう。今度こそゆっくりするよ」頷いた。
いつもお風呂ではいっぱい可愛がってくれる。
それがうれしい。
スイートだから、ここにもバルコニーに温泉露天風呂がある。
お兄さんが来てくれた時に一緒に入れると思った。
「ほら、一緒に入るぞ」
脱がせてくれて、手を引いてくれた。
ドアを開けると、お兄さんだった。
「お酒でもいっぱいやる?」と聞かれ、思わず胸に飛び込んだ。
うれしすぎる……。
お兄さんも抱きしめてくれて、たくさんキスをしてくれる。
幸せで胸がいっぱいになる。
旅行の時はいつも、最初の夜は莉子と。
二日目は莉子が譲ってくれて、俺のところに来てくれる。
「今夜来てくれてよかったの?」
「うん、莉子がすぐ寝るから“夏のとこに行っていいよ”って言ってくれた」
「わー、うれしいなあ。じゃあ、お酒でも飲もうよ」
冷蔵庫を開けた。
「何か出そうか?この部屋、ミニバー付って書いてあったよね?」
「うん、何がある?俺まだ見てない」
「さすがに色々あるけど、自分で選んでみて」
二人で小さな瓶やアルミ缶を並べてみた。
つまみもサービスでついていた。いいねえ~。
部屋が良いと、こういう自由さがあるのも嬉しい。
お兄さんはハイボール、俺は赤ワイン。
変な組み合わせだね、へへッ。
結局、凝ったお酒は飲まないんだよね。
「乾杯しよう」
お兄さんがソファに座って、膝をポンポンと叩いた。
――ここにおいでって意味。うれしすぎる。
お兄さんの膝の上に横向きに座り、片手を首に回して乾杯。
グラスを合わせて飲む。
部屋のライトにグラスをかざして「赤ワインって魅力的な色だね」
弾んでる気持ちと似てる気がして、そう言ったのに……。
「夏、今日はあまり楽しめなかったんじゃないの?」
忘れたいと思っていたことをストレートに言われて、
やさしい眼差しで見つめられると、胸が熱くなる。
ずるい。
言葉に詰まって、お兄さんの首筋に顔を寄せた。
お兄さんの匂いがいっぱいした。
大好きなこの匂いに埋もれたい。
話したいことや聞いてほしいことはたくさんあったけど、こうして目の前で聞いてくれると、どうでもいいような気
がしてくる。
「これって慣れないといけないんだよね?もう後戻りはできないからうまく慣れるようにするよ。でもお兄さんや莉子たちには迷惑をかけるから、本当に申し訳ないんだけど......」
「迷惑なんて何もないさ。夏が好きな道を行くんだから、それでいい。
ただ一つ……夏の声は俺だけのものだったのに、それだけがすごく悔しいかな__」
「もう~またそれを言う__恥ずかしいよ……」
「じゃあ、もっと恥ずかしくしてもいい?」
「もう~聞かないでよ……」――良いに決まってるじゃん。
お兄さんがふふっと笑って、頬にキスをした。
「お風呂に入ろう。今度こそゆっくりするよ」頷いた。
いつもお風呂ではいっぱい可愛がってくれる。
それがうれしい。
スイートだから、ここにもバルコニーに温泉露天風呂がある。
お兄さんが来てくれた時に一緒に入れると思った。
「ほら、一緒に入るぞ」
脱がせてくれて、手を引いてくれた。
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