医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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51話 莉子の女王様

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土曜日、窓を開けると爽やかな風が部屋に入って来た。
莉子は......、やっぱり起きられないよね? 

うん、昨日は俺が無理させたからな。 

ちょっと反省している。燃えてしまったんだよなあ......。
だって莉子がかわいすぎるから抑えられないんだ。
大人としてあるあるとも思えるんだけど、でも相手は病弱な莉子だぜ。

この世の男たちって、昨日のような時は一体どうしているんだろう?? 抑えるのか? 嘘だろう。絶対無理だ。
俺は男の性欲に忠実に生きているんだ......って誰に言っているんだ、泣き言か。

さて、そんなアホなことを考えながら、今日は莉子を女王様のように尽くしてあげようと思う。

俺は莉子の大好きなフレンチトーストを焼いた。
リンゴジャムも作り、はちみつも一緒にトレーに乗せた。
あとは、ももハムを入れたサラダにドリンクは温かいハーブティーだ。
おまけにオレンジを絞ったフレッシュジュースもある。

蒸しタオルも忘れない。今日は女王様だからな。

「莉子、起きて。朝食を持ってきたよ」

「う・うん~、無理~おなかも腰も痛いもん」と目をつぶったままだ。
うん。そうだよね。昨日無理させてごめんね。

とりあえず、トイレに連れて行ってあげるからねと抱っこする。
おしっこしている間も目をつぶったままだった。ぷっ、かわいい。

ベッドに戻り、「うん?」と片目を開けて俺を見る莉子。ふっ。
今度は蒸しタオルで莉子の顔を拭いてやる。

起きなくていいから、フレンチトーストを焼いたよ。ベッドで食べていいよ。

そう言うと、莉子の目がじっとフレンチトーストを見つめていた。(ぷはーっ!もうダメだ。吹き出したい!!) 

莉子をベッドに座らせて、背中にクッションを当ててあげた。
さあどうぞとトレーを目の前に置いた。そしてフォークを渡してあげる。
ほら、食べやすく切っておいたよ。

すると莉子は食べ始めた。(笑) 好きだもんねえ。これ。
ゆっくり食べていいよ。フレッシュジュースもあるよ。
ごくごくと飲む。(笑) 莉子が食べている姿は本当に俺を幸せにするなあ~。

そうだ、今朝の診察を忘れていた......というわけではないんだけど、
少々不具合があったとしても、それは俺のせいなので、もうちょっと休ませてからにしようと思う。
全く、医者の風上にも置けんな。俺。またもや失格だ。

さて、もうちょっと盛り上げようかな?
パソコンで音楽動画を調べて、朝の音楽にふさわしい鳥の鳴き声や川のせせらぎを流してみた。
これはいいね。毎朝の習慣にしよう。

さあ、莉子は食事が進んでいるかなあ? ねえ、莉子、なんか言ってと俺が言うと、

」と言った。く=====っ小悪魔莉子め。

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