医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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87話 離れて・9(再入院)

怒涛の入院騒ぎで莉子が再入院した。今度も個室に入れてもらった。莉子はまだ力なく、ぐったりした感じで横になっていた。昨日の今日じゃしょうがないか。するとそこへ川瀬がやってきた。

「莉子ちゃん、具合はどうですか?心配したよ。レントゲンやエコーにCTの画像も見たよ。手術したところは大丈夫だったよ。ただ、身体全体の循環がもう一つかもしれないね。回復がちょっと遅れているもんね。でも北原がついてるから大丈夫だよ。徐々に身体が治ってくるから安心していいよ」
莉子「はい、ありがとうございます」

北原、ちょっと話せるか?と誘われラウンジに出た。
「北原も大変だったな。救命救急に行ったんだって? 部長が代わってくれたらしいじゃないか。ふふ。珍しいこともあるもんだ。さすが北原だよ。救命にカムバック!って言われなかったか?あそこでも女子に大人気じゃないか!あははは。すごいなあ、全く......。うらやましいよ」

もうやめくれよ。この前は診療が終わった後に、いきなり救命に行ってそのまま夜勤をやってくれって部長から言われたんだぜ?非常勤の俺にだよ。結局、次の日はネット診療だったから、何時間労働したと思ってんだよ。無理だろ。

「ふふふ、それはそれは大変だったな。ところで、莉子ちゃんは困ったねえ。なんでこんなにダメージを受けちゃうんだろうなあ?婦人科だけど、とりあえず内膜症以外は問題ないんだけど、身体全体の循環がうまくいかないとなると、心臓とか、そっち方面で精密検査をしてみるか?北原はどう思うんだ?」

う~ん、そうなんだよなあ~。食べる量が少ないのは確かなんだけど、食べられないから全然回復しないんだよねえ。せめて食べた分の栄養は吸収してほしいんだけど、小腸が弱いのかなあ?でも小腸の検査は莉子の負担になるから今はさせなくないんだ。
それに心臓が悪いという顕著な兆候が出ているわけでもないからなあ。循環器内科の医師に相談するとまたいっぱい検査するだろう?何の検査にしても今の莉子には身体の負担になってしまうから、かえって悪くなる気がするんだ。検査も体力が要るからね。
だから、このまましばらく基礎体力をつけて安定させたいんだよね。いっそニンニクのサプリでも飲まそうかと思っているんだよ。案外、その方が効果があったりしてね。
川瀬「ああ、それは良いかもしれないね。ニンニクだったら漢方薬も処方できるだろう?それもいいんじゃないか?」
うん、ありがとう。そうするよ。ニンニクで様子をみるよ。もう少し元気になってもらわないと退院できないし、また今、生理が始まったら、振り出しに戻ってしまうからね。それも怖いんだよね。

川瀬「お前、子供を作るという選択肢はないのか?一番効果があるはずなんだけどな」
ふふ、う~ん、まあ......。ふふふ。
川瀬「なんだよ!もう実行しているのか?くそー全く。良いなあ~お前は。幸運を祈っているよ」
うん、ありがとう。成り行きに任せるよ。妊娠すれば莉子も元気になると思うんだよね。
川瀬「うん、そうだな。まあ励めよ。ふふふ、またな」

血液検査でも貧血があるくらいで、他はちょっと栄養失調気味なんだけど、だからといって、他にこれと言った原因が見つからない。
喘息は今まで良い状態を保つために、吸入薬でコントロールをしていたのに、体力が落ちるとすぐ発作につながるから怖いよなあ。ああ~頭が痛いよ。全く。

やはり、大学生活が一番身体の負担になっている気がする。1日中授業を受けるほど体力がないんだよな。午前だけならまだしもね。オンラインでの授業を受けるか、もっといろいろな方法を探しても良いよね。
また、大学の相談に行くしかないな。早速に事務局に今夜メールをしておいて、明日にでも挨拶がてら、相談に行こうと思う。

あと、いつも詩音ちゃんや、周りにいる学生たちにも心配させたり、負担を掛けるからね。もし大学を卒業したいなら、通信制に編入しても良いしね。莉子の大学は通信制もある。あとは、サークルだけは続けていけば詩音ちゃんたちにも会えるしね。
入院している間に莉子が落ち着いたら、本人の考えを聞いてみようと思う。

あと、いつもひやひやするような体力だと結局続けられないんだと莉子にもわかって欲しいんだ。大学がすべてじゃないしね。無理しないで、自分の出来る範囲を考えてほしいと思っているんだ。
莉子はどう思っているんだろうなあ。多分、やめたくないんだろうなあ。
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