医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語

スピカナ

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485話 菜の花クリニック・最高のオープニング

 今日がようやく菜の花クリニックの開業日だ。

もうスタッフが大勢いるんだから、信頼して進もう。

なにか不足があったとしても、それは毎日進むための糧にしよう。今日やらなくてもいいよね。

莉子が朝ご飯を作ってくれた。オムレツらしき固まりだったが、味は悪くなかった。

それから、新しい門出にプレゼントをくれた。

あけたら莉子が描いた絵だった。俺と莉子と夏と桃香の4人が仲良くソファに集まっている絵だ。

俺がソファに横たわっていて、その上に莉子が乗っかって、夏が真ん中で床に座ってソファを背当てにして、勉強をしているいつものスタイルだ。桃香も夏の隣でくっついて絵本を読んでいる。

久しく忘れていたよ。そんなことも。いつから忘れていたんだろう?

思い出せない‥遠い昔のような気もする。

なんてかわいいんだろう。俺たち家族の姿だな。

診察室の俺から一番よく見えるところに飾ろうと思う。

患者さんから見えなくてもいいんだ。

これからは絵を見ながら診療をするよ。莉子、ありがとう。

今日は水曜日、8時30分から入口がオープンだ。

来週から水曜は定休日になる。

オープンだから特別に空いてそうな日にしたんだ。

ラインの予約受付は8:30分から。午前60人と午後60人までにした。

診療時間は9時から12時と14時から18時30分まで(11:30受付までと14時から18時受付まで。水曜と日曜祝日休み。土曜は午前だけ)

普通の個人病院の開業時間に習った。年末は29日~1月5日まで休み。

詳細は入口にメッセージ板があって、そこに貼っている。

コピーしたのも小さく切ってそばに置いた。

夏休みもお盆を挟んである。全部夏と相談して決めた。ゆっくり休みたくてね。

昨日からお花が続々と届いている。

大学病院の院長や、岩城、川瀬、俺の両親や夏のご両親からも届いた。

建設会社や施工会社からも外に並べる盛り花が届いている。派手だなあ~。

カフェの中村からも届いている。

うわ~すごいなあ。もう置くところがないよ。

2階のオフィスから机を持ってきて並べた。入り口が入りにくい。(笑)

病院の中が花の匂いで充満している。

莉子もエプロンをつけて手伝ってくれている。お花係だね。

心療内科一同に、内科一同まであるぞ。

救命救急一同もある。ええ?? ふふふ、どうしよう?

なんか、大学名のオンパレードだな。

うちの医大をこんなに誇らしいと思ったことはないよ!

ああ~うれしい。頑張らないといけないね。

そして何よりも、信じられない光景なんだけど、患者さんが8時30分までにずらっと並んでいるんだよ。

どう見ても30人はいるよ。ウソだろ?? 

どういうことなんだ? お店の開店じゃないんだよ。

驚きすぎて頭が働かなくなった・・。もう固まってしまったよ。

そこへ夏のお母さんが手伝いに来てくれた。

ええ??ありがとうございます!!

さっそくエプロンをつけて、マイナンバーカードの登録の説明についてくれた。

莉子は診察券発行を説明してくれている。

看護師長の山科さんが凄く喜んでいるよ。

でも「スリッパが足りないかもしれない」と言われた。え?

真っ先にスリッパを追加注文して大至急届で頼んだ。

今日中にある分だけでも持って来てくれるそうだ。良かった。

「とても手がまわりません」と山科さんが悲鳴を上げている。

「先生、どんどん前倒しで進めないとご飯が食べられませんよ」はいはい。そうだね。(笑)

俺はすぐ手洗いをして診療を始めた。

最初の人をマイクで呼ぶだけでもドキドキしてしまった。笑える。頭がもう使えないよ。

始まってみれば、何のことはない。

大学病院で診ていた人達がごっそり来ているよ。

ええ~?いいのか?俺は知らないよ~。

真っ先に開業おめでとうございますと言われる。

どの患者さんからも言われるから、なんだか恐縮してしまう。

こうして午前中はどたばたとしている間に終わった。

‥といっても最後の人が終わったのは1時半だよ。

ご飯を30分で食べないといけない。

急いで部屋に帰ると莉子がカレーを作ってくれていた。

とりあえず抱きしめた。ふふふ。

「もう、春ちゃん、早く食べて!そんな時間はないんだから」

「アッ、夏のお母さんのお昼はどうしたのかな?」

「お弁当を持参したんだって。ここで食べてもらったよ」

そうか。良かった。莉子もご苦労様だね。

ガッと食べて、コーヒーをきゅーっと飲んだら、歯磨き。

また急いで下に降りた。はーっ、胃に悪い。
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