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605話 莉子の特殊な才能
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莉子の話は驚いた「夏から何も聞いていないよ。いつの間に桃香のデザインの話が広がっているの?」
「子供服のメーカーさんとプロダクションの社長が知り合いなんだって。それで次の新作発表会にファッションショーをやりたいから適任のモデルはいないか?って聞かれたらしいんだよね。それで桃香を推薦したらしいのよ。
でもこの前、春ちゃんにショーは最後にするって断られたから、夏のお父さんに可能性はないか?って聞いたんだって。ほらこの前協賛したメーカーだしさ、私たちの関係を知ってるからさ。遠回りに口説こうと思ったんじゃないの?
そしたら、お父さんは桃香のデザインが認可されたばかりで、そっちで売り出そうと思っているって言ったらしいんだよ。そしたらそのデザインを見せてもらえないかって言われて、試作品のTシャツを見せたんだって。そしたらそれも一緒に発表会に出すからタイアップしてほしいって言われたらしいよ。で、その話は夏に届いていると思うんだけど、春ちゃんに何も言わなかったってことは承諾しないということよね?」
「一体いつの間にそんな話になっているんだよ。夏はお父さんの会社に業務委託と業務提携をしているから、桃香のデザインが認可されたら売り出したいだろうよ。それは仕方がないことだよ。
でも名前と顔出しがなぜダメなのかという話は、莉子にも前に話したよね? この話は以上だ」
「わかったよ」 莉子は不満げな顔をしていた。
母親として子供を世に出して自慢したいんだよね。
夏はなんというんだろう? 昼休憩が終わった夏が上に上がって来た。
インカムで10分遅れると師長に連絡した。
「夏、桃香のデザインが子供服メーカーとタイアップするんだって?メーカーはファッションショーをしたいらしいじゃない?どうなっているの?」
「ああ~その話ですね。莉子から聞いた話はそれだけですか?」
「そうだよ」
「まだお兄さんにお話しする段階ではないんですけど、もちろんその話は断りますよ。別に日本のメーカーとタイアップしなくてもいいんですよ。父にもまだ知らせていないのですが、こっちは世界を相手に商売したいので、その戦略を練っている最中なんですよ」
「戦略って何?」
「ええ~と、莉子、まだゲームのことは話していないの?」
「まだだよ」
「実は今、莉子が新しいゲームを作っていて、キャラクターやストーリーの展開などの内容を話し合っているところなんですよ。お兄さんが桃香を名前と顔を出すのを禁止したから、莉子がプライバシーを出さなくても有名になる方法を探りたいというんですよ。それで、桃香がデザインしたキャラクターをメインにして、面白いゲームでも作って世界で支持されれば、そのキャラクターのグッズは作者の名前がなくても売れるじゃないですか?だから、ゲームを作るのが先だということで、今作っている最中なんですよ」
「ふ~ん‥‥‥。分かったよ。じゃあ、頑張ってね。俺は仕事に戻るよ」
なんだかよくわからない話だ。でも莉子ならきっと作るよ。確信がある。
莉子は一見のほほんとしているが、絵の中で生きる才能がすごいんだ。
そこはアーティストだからな。夏も世界を相手すると言ってたなあ。
今でも世界に売るルートはすでに出来上がっているんだから、ゲームが出来さえすればすぐ世界で売れるよ。
桃香はまだ小学校の低学年なのに、もう何十億円も稼ぐのか?
また岩城たちになぐさめられる日が来るんだろうなあ。憂鬱だ。
自分で稼いでも微々たるものだから、何の足しにもならないよなあ‥‥‥。
医者の仕事はお金に換算できるものではないけれど、それでも男として自信を無くす。
多分、自分を試されているんだろうなあ。
「子供服のメーカーさんとプロダクションの社長が知り合いなんだって。それで次の新作発表会にファッションショーをやりたいから適任のモデルはいないか?って聞かれたらしいんだよね。それで桃香を推薦したらしいのよ。
でもこの前、春ちゃんにショーは最後にするって断られたから、夏のお父さんに可能性はないか?って聞いたんだって。ほらこの前協賛したメーカーだしさ、私たちの関係を知ってるからさ。遠回りに口説こうと思ったんじゃないの?
そしたら、お父さんは桃香のデザインが認可されたばかりで、そっちで売り出そうと思っているって言ったらしいんだよ。そしたらそのデザインを見せてもらえないかって言われて、試作品のTシャツを見せたんだって。そしたらそれも一緒に発表会に出すからタイアップしてほしいって言われたらしいよ。で、その話は夏に届いていると思うんだけど、春ちゃんに何も言わなかったってことは承諾しないということよね?」
「一体いつの間にそんな話になっているんだよ。夏はお父さんの会社に業務委託と業務提携をしているから、桃香のデザインが認可されたら売り出したいだろうよ。それは仕方がないことだよ。
でも名前と顔出しがなぜダメなのかという話は、莉子にも前に話したよね? この話は以上だ」
「わかったよ」 莉子は不満げな顔をしていた。
母親として子供を世に出して自慢したいんだよね。
夏はなんというんだろう? 昼休憩が終わった夏が上に上がって来た。
インカムで10分遅れると師長に連絡した。
「夏、桃香のデザインが子供服メーカーとタイアップするんだって?メーカーはファッションショーをしたいらしいじゃない?どうなっているの?」
「ああ~その話ですね。莉子から聞いた話はそれだけですか?」
「そうだよ」
「まだお兄さんにお話しする段階ではないんですけど、もちろんその話は断りますよ。別に日本のメーカーとタイアップしなくてもいいんですよ。父にもまだ知らせていないのですが、こっちは世界を相手に商売したいので、その戦略を練っている最中なんですよ」
「戦略って何?」
「ええ~と、莉子、まだゲームのことは話していないの?」
「まだだよ」
「実は今、莉子が新しいゲームを作っていて、キャラクターやストーリーの展開などの内容を話し合っているところなんですよ。お兄さんが桃香を名前と顔を出すのを禁止したから、莉子がプライバシーを出さなくても有名になる方法を探りたいというんですよ。それで、桃香がデザインしたキャラクターをメインにして、面白いゲームでも作って世界で支持されれば、そのキャラクターのグッズは作者の名前がなくても売れるじゃないですか?だから、ゲームを作るのが先だということで、今作っている最中なんですよ」
「ふ~ん‥‥‥。分かったよ。じゃあ、頑張ってね。俺は仕事に戻るよ」
なんだかよくわからない話だ。でも莉子ならきっと作るよ。確信がある。
莉子は一見のほほんとしているが、絵の中で生きる才能がすごいんだ。
そこはアーティストだからな。夏も世界を相手すると言ってたなあ。
今でも世界に売るルートはすでに出来上がっているんだから、ゲームが出来さえすればすぐ世界で売れるよ。
桃香はまだ小学校の低学年なのに、もう何十億円も稼ぐのか?
また岩城たちになぐさめられる日が来るんだろうなあ。憂鬱だ。
自分で稼いでも微々たるものだから、何の足しにもならないよなあ‥‥‥。
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多分、自分を試されているんだろうなあ。
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