RINDA

リンダ

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第一章

新しい仲間達 2

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キィ… ガチャン。


扉の奥へ進むとそこは、書斎みたいな空間だった。左右の壁にはほぼ一面に本棚があり中には本や書類を束ねたもの、ファイルなどたくさん並んである。

そして、一番奥に大きな机があり
そこに一人の男性が座っている。


男性「やあ、おかえり。」


書類に目を通していたその人は
こちらに視線を向けた。


マキア「遅くなった、悪い」


男性「ん、何かあったかなとは思ったけど…そーゆう事だったのか」


キィ…とイスから立ち上がりこちらに歩を進める男性。私と同じくらい長い髪で色はマキアさんと一緒で金髪。
緑色の着物を着ていて、背がとても高い。
何㎝あるんだろう…確実に180以上はある。
そして、私のすぐ側に歩み寄り微笑む。


男性「はじめまして。私は闘場町ここの長を努めている上田リュウと申します。」


ーーーーーすごく優しそうな人。
これが第一印象だ。
少し緊張していたけど、この人が話しかけてきた瞬間緊張の糸が緩んだ。


『はじめまして。私、水野リンダです。少し訳ありでここへ来ました』


リュウ「そうかーーーー」


そう言うとリュウさんは、マキアさんの方を見て一瞬で全てを把握したみたいだった。


リュウ「よく来たね。ここは君と同じ問題を抱えて来た者もたくさんいますし皆優しいですから、すぐこの町にも馴染めますよ」


ーーーーそうか。
私だけじゃなかったんだ。
心のどこかで受け入れてくれるかって
心配だったけどよかったーーー。


『はい、ありがとうございます!これからよろしくお願いします』


リュウ「こちらこそよろしくね。」


そして、書類に記入をしたりして
私がここで暮らすための手続きが終わりーー


マキア「さーて、晩飯食いに行くぞ」


『……そういえば私、朝から何も食べてなかった…』


お腹が空いてたことなんてすっかり忘れていた。と、気が抜けたせいか盛大にお腹がきゅるるる…と鳴りだす。


リュウ「早く食べておいで。お腹が悲鳴を上げているよ」


そう言うと、リュウさんは軽く教えてくれた。
どうやらここに来る前に“第二寮”と書かれていた大きな寮で夕食を食べるみたいだ。
マキアさんやカツヤ君はそこで生活をしているらしい。

この町に住む子供達は6歳になると
寮での生活が始まるという。
6歳から11歳までは“第一寮”で
基礎的な勉強や実技を身につける言わば学校。
親元を離れそこで共同生活をするという。

そして12歳から16歳までが“第二寮”での生活。第一寮と同じでここで皆と共同生活をして、ここでは最初は特訓や実戦を行い、力が認められれば実際に仕事に出ることが出来るみたいだ。
そして、今日から私もそこの“第二寮生”として皆と一緒に生活することになる。


*****


事務所を出てその寮へと向かうーーーー

珍しくそこの建物の玄関に扉はない。
開けた入口に入ると、靴箱が二つあるだけ。
大きめの玄関で、一度に何人もが靴を脱ぎ履き出来そうだ。


マキア「すぐそこが食堂だ」


玄関をすぐ入った左手に扉があり、
上には“食堂”と書いてある。

今は冬だから、
玄関に扉がないのは少し大変そうだ…
建物内もコンクリートっぽくて
暖かみがあまりない。特に台風なんてきたら
廊下もびちょびちょになりそうだ…
生活してくうちに慣れるのかな?

食堂に入るとカツヤ君がまだご飯を食べていた。メニューはカレーらしい。
カウンター越しのキッチンに二人の女の人がいる。エプロンをしていて、頭には三角巾。
食堂のお姉さんかな?


マキア「ただいまー、腹減ったー」


食堂姉1「マキアお帰りなさい、今用意するから……あら?」


お姉さんが私に気付いて、軽く挨拶を交わす。
一人はキョウコさん。
ふわっとしてて見るからに優しそう。
もう一人はアヤネさん。
元気な感じで喋りやすそうな人だ。


アヤネ「おまたせ!しっかり食べなよ?おかわりもあるからね!」


『ありがとうございます、いただきます!』


夕食を受け取り、テーブルに持っていく。
カツヤ君の向かい側にマキアさんと一緒に座る。本当にお腹が空いた…
カレーを頬張るとちょうどいいスパイスが効いていてとっても美味しい。
サラダも彩り鮮やかで栄養がありそうだ。


カツヤ「美味しいか?」


『うん!すごく美味しいー』


カツヤ「俺もう二杯目食ってるよw」


カツヤ君はたくさん食べるみたいだ。
だからこんなに背伸びたのかな?
そんな話をしながら私も完食した。食堂の時計を見るといつの間にかもう21時だ。
食器をカウンターに持っていったあと、
お風呂に入る為、二階のマキアさんの部屋へ向かおうと階段を登るーーー

今日は色々あって全身に土とか汚れがついていそうだからお風呂でさっぱりしたい…。

二階に上がると広いリビングがあって
そこで話をしている人達がいた。


女の子「あ!カツヤが言ってた新しい子だ~!」


女の子がワーッと私のところに駆け寄って手を取り握手する。


女の子「私、前田カミン!馴れるまでは好きな風に呼んでね!」


私も名前を教えると、
すぐに“リンダ”と呼んでくれる。
“ちゃん”や“さん”で呼ばれるよりずっとしっくりくる。ここでは一番上で15歳らしい。
私よりお姉さんだ。


茶髪男子「へー、その子が。じゃあ俺は水野って呼ぶわ!あ、俺は今井トウキ。よろしくな」


細身の男の子はそう言いながら私の側へ来る。
すると、今井君の後ろからひょこっと
銀髪の男の子が出てくる。


銀髪男子「遅かったのってその子の事があったからかー!トウキが心配してたんだよーw二人が帰ってこない~!ど~しよ~!ってw」


トウキ「そんな事言ってねーし!てか心配してねーし」


銀髪男子「あ、俺は城ヶ根カズキ!よろしくね!」


小柄な子でニカッと笑った顔が可愛らしい。
なんだかすぐに仲良くなれそうだ。



ここにはまだこの人達以外に
十人暮らしてるみたい。私が入ったら
全十六名になるってことだ。
二階はリビングも広いし、皆の部屋もあるって事で結構大きな寮だと思った。


*****

マキアさんの部屋へと入る。
すると、予備の下着と部屋着を貸してくれた。


『下着どうしようかと思ってた…ありがとう』


マキア「まぁ、急に来るヤツもいるから予備はいつも常備してる。上は…合うか分かんねーけどな。明日お前の生活用品買いに行くからいるもんメモしとけよ」


『え、私お金ないんだけど…』


マキア「いや、それはリュウが用意してくれるから。無一文のヤツにどう出させんだよw」


当たり前の事をつい言ってしまった私に
マキアさんはクッ…っと笑う。

そうして、マキアさんと一緒にお風呂へと向かったーーーー




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