彼女に恋する彼女

ゆいなかいな

文字の大きさ
5 / 37
数ヶ月後

ヒカリの魅力

しおりを挟む
りんが走り去ると
静かな沈黙が流れる。

そして、

それを、壊すように
ヒカリが口を開く。

ヒカリ「帰るぞ。」

龍  「え?あ。うん。」

ヒカリ「うん。じゃねーだろ。
    ああ。にしろ。」

龍  「あ。ああ。
    で、でも、どうして、ここに。」

ヒカリ「ああ、俺の金づるが逃げたんでな。」

"うそつき"
と、僕は思った。

"指名を何件もかかえてて。
一人のお客の為にここまで
くる訳ねーじゃん。"

"まさか?心配してくれた?"

龍    「ごめんな。ヒカリの大事な客。」

ヒカリ「まぁ、いいさ。」

龍  「ヒカリ.…。」

ヒカリ「お前は変な事気にするな、
    それより、一人でも多くの客の
    心掴む努力しろ。」

龍   「はい。」

ヒカリ「さぁ、帰るぞ。」

龍   「はい。」

ヒカリは、僕の手を引いた。

しかし、

"ガク"

僕の膝が地面に
着いてしまい。
立ち上がれない。

ヒカリ「龍?」

龍   「ごめん、すぐ…」

立ち上がろう。と
するが、
膝が"ガクガク"震える。


自分でも分からない
体がゆう事を聞かない。


ヒカリ「そうか。」


と、ヒカリは、呟くと
しゃがみ込み僕を、
ヒカリは、同じように
抱きしめて、


ヒカリ「思い出したか。」


"思い出す?"


そう、あの時と同じ。


女を捨てたあの日。


体中に蘇る痛み。


誰もいなくなった倉庫で
一人うずくまり。


母に電話した
あの日。


母は、抱き抱えるように
僕を連れて帰った。



家にあったハサミで長かった
髪を切った。


母が慌てて
美容院に連れて行ってくれた。


あの日。


ヒカリは、抱きしめたまま。

ヒカリ「泣いた方がいい。
    吐き出せ。お前には
    タダで胸貸してやる。」


と、言うと。

前と、同じように
自分の胸に僕の頭を押し付けた。


ヒカリの言葉に、
張っていた糸が、切れたように
涙が溢れだす。


ヒカリ「たく。泣き虫。」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

処理中です...