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俺は森の近くに移動する。
「あの、どうして枯れ枝を拾ってるんですか?」
「焚火するためだよ」
「今日はそんなに冷えないと思いますが」
「寝てる間に魔物が寄ってくる。
火に慣れてない奴らは警戒して近寄ってこないんだ」
「なるほど」
「だけどまぁ、魔物以外の奴なら近寄って来るかもだけどな」
「え?」
「お前も集めろ、俺に無理やり同行してきたんだ。
それぐらいは手伝ってもらおうか」
「いいですよ、種類は何でもいいんですか?」
「何でもいい、燃えやすそうなものならな」
「分かりました」
レスキィは枝を集める。
「両手いっぱいに集まったら俺の所に来い」
「はい、集まりました!」
レスキィは両手いっぱいに枝を持っていた。
「地面に置け」
「何か組んだ方がいいですかね?」
「雑でもいい」
「なるほど?」
レスキィは雑にぽいっと枝を地面に投げる。
「燃えろ」
俺は手をかざす。
すると、枝が発火するのだった。
「おおっ」
レスキィは驚く。
「俺は魔法剣士だからな。
魔法も使えるんだ」
「凄いです、流石は勇者です」
「俺は英雄ではないと前に言ったはずだがな」
「あはは、そうでした」
レスキィは苦笑する。
「・・・」
俺は持ってきた干し肉に齧りつく。
「あー、ずるいです。自分にも下さい」
「これは俺のだ、やらん」
「けちぃ」
「・・・」
「はぁーあ」
レスキィはくぅと可愛らしいお腹の音を鳴らす。
「食え」
俺はレスキィの口にねじ込む。
「もがもが」
驚くレスキィだったが、次第に受け入れる。
そしてガジガジと美味しそうに食べるのだった。
「美味いか?」
「はい、美味しいです」
「そうか、いいことを教えてやる」
「なんですか?」
「これな、人間の肉なんだ」
「え」
レスキィの動きが止まる。
「冗談だ、ただの魔物の肉だよ」
「ですよね・・・あはは」
「真面目な奴」
「そういう冗談はやめてくださいよ」
「何してる?」
俺はレスキィに尋ねる。
「鍋をしようかと」
「鍋ってなんでまた」
「せっかく焚火してるのに勿体ないなぁって。
自分、結構料理できるんですよ」
「そうか、悪くない特技だな」
「ありがとうございます。
干し肉のお礼ってほどではないですけど、
食べますか?」
「俺は食わん、肉を食ったから腹は満たされてる」
「そう・・・ですか」
一緒に食べたかったのだろうか。
少し寂しそうな顔をする。
「俺は眠る、お前も飯食ったら寝ろ」
「分かりました、おやすみなさい」
俺は腕を枕にして眠るのだった。
「あの、どうして枯れ枝を拾ってるんですか?」
「焚火するためだよ」
「今日はそんなに冷えないと思いますが」
「寝てる間に魔物が寄ってくる。
火に慣れてない奴らは警戒して近寄ってこないんだ」
「なるほど」
「だけどまぁ、魔物以外の奴なら近寄って来るかもだけどな」
「え?」
「お前も集めろ、俺に無理やり同行してきたんだ。
それぐらいは手伝ってもらおうか」
「いいですよ、種類は何でもいいんですか?」
「何でもいい、燃えやすそうなものならな」
「分かりました」
レスキィは枝を集める。
「両手いっぱいに集まったら俺の所に来い」
「はい、集まりました!」
レスキィは両手いっぱいに枝を持っていた。
「地面に置け」
「何か組んだ方がいいですかね?」
「雑でもいい」
「なるほど?」
レスキィは雑にぽいっと枝を地面に投げる。
「燃えろ」
俺は手をかざす。
すると、枝が発火するのだった。
「おおっ」
レスキィは驚く。
「俺は魔法剣士だからな。
魔法も使えるんだ」
「凄いです、流石は勇者です」
「俺は英雄ではないと前に言ったはずだがな」
「あはは、そうでした」
レスキィは苦笑する。
「・・・」
俺は持ってきた干し肉に齧りつく。
「あー、ずるいです。自分にも下さい」
「これは俺のだ、やらん」
「けちぃ」
「・・・」
「はぁーあ」
レスキィはくぅと可愛らしいお腹の音を鳴らす。
「食え」
俺はレスキィの口にねじ込む。
「もがもが」
驚くレスキィだったが、次第に受け入れる。
そしてガジガジと美味しそうに食べるのだった。
「美味いか?」
「はい、美味しいです」
「そうか、いいことを教えてやる」
「なんですか?」
「これな、人間の肉なんだ」
「え」
レスキィの動きが止まる。
「冗談だ、ただの魔物の肉だよ」
「ですよね・・・あはは」
「真面目な奴」
「そういう冗談はやめてくださいよ」
「何してる?」
俺はレスキィに尋ねる。
「鍋をしようかと」
「鍋ってなんでまた」
「せっかく焚火してるのに勿体ないなぁって。
自分、結構料理できるんですよ」
「そうか、悪くない特技だな」
「ありがとうございます。
干し肉のお礼ってほどではないですけど、
食べますか?」
「俺は食わん、肉を食ったから腹は満たされてる」
「そう・・・ですか」
一緒に食べたかったのだろうか。
少し寂しそうな顔をする。
「俺は眠る、お前も飯食ったら寝ろ」
「分かりました、おやすみなさい」
俺は腕を枕にして眠るのだった。
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