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夢を見ていた。
声が聞こえる・・・覚えがある。
確かこの声はエナトリア?
世界はセピア色に染まっていて、人々や建物は全て白黒に見えていた。
時刻は夜だった。
空は暗いが、地上は明るかった。
俺は今、街のとある1室に居た。
それは2階で、そこに居た俺は気持ちよく寝ていたんだ。
「ねぇ、起きて」
「・・・」
「起きてってば・・・ねーぇ」
「・・・」
本当は起きていたが、寝たふりをしていたんだ。理由は面倒だったからだ。
「起きないと・・・こうしちゃうぞ」
「んん!?」
俺は布のようなものを押し付けられた。あまりにも息苦しいので、急いで起きる。
「あ・・・寝たふりだ」
「お前、何したんだ?」
俺が目を覚ますと、
そこにはドレスアーマーの女性が。
「何ってパンツ押し付けた。
私の脱ぎたてホカホカのやつ」
「ふざけんなよ、全く」
エナトリアは自分の人差し指にパンツを被せてぶんぶん振り回す。
「だって、寂しいんだもーん」
「それにしても起こしかたってものがあるだろう」
「やっぱ、興奮させた方が起きるかと思って、あ、別の方が起きちゃった?」
「アホか」
俺はため息を吐く。
「よいしょと」
エナトリアはパンツを履く。
「お前・・・まじかよ」
本当に履いてるやつかと思わなかった。
「嬉しかった?」
「汚ねぇもんつけんなよ」
「綺麗だもん!」
「綺麗ではないだろ!」
俺はため息を吐くのだった。
「それよりさぁ、どうなの?」
「どうなのって?」
「こーんなに楽しそうなのに寝てる方が勿体ないよ」
「何考えてる?」
「ねぇ、一緒に行かない?」
「はぁ?」
「だからさぁ、お祭り」
「行かないよ」
俺は眠る。
「一緒に行こうってば、ねーぇ」
「行かないって言ってるだろ」
「二人で行った方が楽しいよ?」
「面白ければ一人だろうが二人だろうが楽しさは変わらんだろ」
「変わるって、人との付き合いは足し算じゃなくて掛け算なんだから」
「分かったよ、行けばいいんだろ、行けば」
「うん、それでよし」
エナトリアは嬉しそうに笑う。
「言っておくが俺はお前の事を笑わせる気は無いからな。話は上手な方じゃなない」
「別にいいよ、君がつまらなくても。
それでも君と一緒に行きたいんだ」
「はいはい、今出るから」
俺はこの時はまだ防具は身に着けていなかった。何処にでも居る普通の青年のような恰好だった。
「わぁ」
エナトリアは目を輝かせていた。
それは、町が活気に満ちてるからだ。
明かりが等々とつけられて居た。
家から家にヒモがかけられており、
ランタンがぶら下がってるのだ。
人と人との付き合いを感じる光景だ。
「エナトリア」
「なぁに?」
「あっちから何か聞こえる」
「行ってみよう!」
「分かった」
エナトリアは前に進む。
俺はそれの後をついて行くのだった。
中央には噴水があって、
その前では音楽家たちが演奏していた。弦楽器やら蛇腹楽器を持った人たちが居た。そして演奏家たちの傍では人々が踊ってる。時折、噴水の中にコップを突っ込んでる人が居る。そして、その液体を飲んでいるのが見えた。
「・・・」
「エナトリア?」
「えぃ」
エナトリアは噴水に手を突っ込んで、
その液体を飲むのだった。
「おいおい・・・そんな得体の知れないものを」
「美味しい!」
「え?」
「これ、ワインだよ。ワイン!」
「ワインの噴水か、初めて見たな」
「うーん、美味しいなぁ」
「いいのか、勝手に飲んで」
「わかんない!」
「わかんないって・・・」
「みんな飲んでるし、多分いいのよ」
「いいのかな、そんなアバウトで」
「あはは、後で怒られるのは私だけだから大丈夫だよ」
エナトリアはけらけら笑ってた。
「ん・・・ごくっ・・・げほっ」
俺は噴水のワインを飲む。
「大丈夫、クルバス?」
「平気だ」
「酒、苦手でしょ・・・どうして飲んだの?」
「怒られるなら一緒に怒られようぜ」
俺も一杯は飲んだのだ。
これで共犯者だ。
「うん!」
エナトリアは嬉しそうに笑う。
「~♪」
他の人たちは楽しそうに踊ってる。
噴水のワインを勝手に飲んでる所為もあると思うが、余計に楽しそうだ。
「私たちも踊ろうよ」
「上手く踊れる気がしないな」
「別にいいのよ、うまく踊れなくても。大事なのはノリよ、自信が無いのなら私の手を握って、クルバス。そうしたら私がリードしてあげる」
「踊れるのか?」
「初めて!」
「そうか」
エナトリアの言う通り、ノリで踊れば案外何とかなるのかもしれない。
「あはは~」
エナトリアは俺の手を握って回るように踊る。
「・・・」
俺も一緒になって回る。
それは社交ダンスと言うには酷くレベルが低いのかもしれないが、楽しんでるという点においては俺たちの方が上だろうと思えた。採点する人が居る訳でもなく、軽いノリで踊ってるのだ。気持ちが跳ね上がる。
「楽しいね、クルバス」
「あぁ、楽しいよエナトリア」
「あはは~うへへ」
エナトリアは下品に笑う。
「ふっ」
ダンスそのものが楽しいというより、
エナトリアが面白いから笑ってるのかもしれない。俺たちはこうしてダンスで踊り明かしたのだった。酒の所為か、ダンスで疲れたのか、人々は地面に寝そべっていた。樽を枕代わりにしたり、酒瓶を枕代わりにしてる人とかも居た。
「はぁ~踊ったぁ」
エナトリアも汚れることは気にする素振りは無く、地面に寝そべる。
「汚れるぞ」
「起きるのめんどーい」
エナトリアは笑っていた。
「ったく」
「クルバスだって寝そべってるじゃん」
「男だからいいんだよ」
「えー、なにそれ」
エナトリアは楽しそうに笑う。
「何が面白いんだか」
俺はそんなことを言う。
「ねぇ、今日さ、どうだった?」
「どうって何が?」
「楽しかったのかなぁって」
「まぁ、それなりには」
「お祭りって楽しいでしょ」
「どうかな、今回だけ偶然そう思えただけだろ」
「こんな日にさ、1人は寂しいでしょ?」
「お前・・・」
エナトリアは俺を気にしてたのか。
「クルバスって、人を避けるところあるよね」
彼女の眼は寂しそうな目だった。
それは哀れみだろうか。
「まぁな」
人付き合いは嫌いだ。
面倒だと思ってる。
人間は面倒ごとばかり運んできて、
幸せを運んできてくれるのは青い鳥だけだと思ってる。
「ずっと、そうしてるつもり?」
「別にいいだろ」
「今いいかもしれないよ、若いから未来があるから変われるかもしれないって思うからきっと大丈夫だって思うんだ。でもね、年取っても一人だったら変わることは出来ないんだ、もう・・・時間が残されていないから、そしたら後悔するんじゃないかな。私は寂しいの嫌だな」
「別に孤独死でも構わない。
どうせ、俺は嫌われてるんだ。
嫌われ者は嫌われ者らしく、相応しい最後だろ」
「そんな寂しいこと言わないでよ」
エナトリアは不満そうだ。
「別に俺の勝手だろ、お前はお前で人付き合いを大事にすればいい。俺はそうしないってだけの話だ」
「クルバスのバカ」
エナトリアはむくれる。
全く、人のことなのに余計なおせっかいをしやがってと思う。
「俺はバカですよっと」
俺は眠りにつく。
声が聞こえる・・・覚えがある。
確かこの声はエナトリア?
世界はセピア色に染まっていて、人々や建物は全て白黒に見えていた。
時刻は夜だった。
空は暗いが、地上は明るかった。
俺は今、街のとある1室に居た。
それは2階で、そこに居た俺は気持ちよく寝ていたんだ。
「ねぇ、起きて」
「・・・」
「起きてってば・・・ねーぇ」
「・・・」
本当は起きていたが、寝たふりをしていたんだ。理由は面倒だったからだ。
「起きないと・・・こうしちゃうぞ」
「んん!?」
俺は布のようなものを押し付けられた。あまりにも息苦しいので、急いで起きる。
「あ・・・寝たふりだ」
「お前、何したんだ?」
俺が目を覚ますと、
そこにはドレスアーマーの女性が。
「何ってパンツ押し付けた。
私の脱ぎたてホカホカのやつ」
「ふざけんなよ、全く」
エナトリアは自分の人差し指にパンツを被せてぶんぶん振り回す。
「だって、寂しいんだもーん」
「それにしても起こしかたってものがあるだろう」
「やっぱ、興奮させた方が起きるかと思って、あ、別の方が起きちゃった?」
「アホか」
俺はため息を吐く。
「よいしょと」
エナトリアはパンツを履く。
「お前・・・まじかよ」
本当に履いてるやつかと思わなかった。
「嬉しかった?」
「汚ねぇもんつけんなよ」
「綺麗だもん!」
「綺麗ではないだろ!」
俺はため息を吐くのだった。
「それよりさぁ、どうなの?」
「どうなのって?」
「こーんなに楽しそうなのに寝てる方が勿体ないよ」
「何考えてる?」
「ねぇ、一緒に行かない?」
「はぁ?」
「だからさぁ、お祭り」
「行かないよ」
俺は眠る。
「一緒に行こうってば、ねーぇ」
「行かないって言ってるだろ」
「二人で行った方が楽しいよ?」
「面白ければ一人だろうが二人だろうが楽しさは変わらんだろ」
「変わるって、人との付き合いは足し算じゃなくて掛け算なんだから」
「分かったよ、行けばいいんだろ、行けば」
「うん、それでよし」
エナトリアは嬉しそうに笑う。
「言っておくが俺はお前の事を笑わせる気は無いからな。話は上手な方じゃなない」
「別にいいよ、君がつまらなくても。
それでも君と一緒に行きたいんだ」
「はいはい、今出るから」
俺はこの時はまだ防具は身に着けていなかった。何処にでも居る普通の青年のような恰好だった。
「わぁ」
エナトリアは目を輝かせていた。
それは、町が活気に満ちてるからだ。
明かりが等々とつけられて居た。
家から家にヒモがかけられており、
ランタンがぶら下がってるのだ。
人と人との付き合いを感じる光景だ。
「エナトリア」
「なぁに?」
「あっちから何か聞こえる」
「行ってみよう!」
「分かった」
エナトリアは前に進む。
俺はそれの後をついて行くのだった。
中央には噴水があって、
その前では音楽家たちが演奏していた。弦楽器やら蛇腹楽器を持った人たちが居た。そして演奏家たちの傍では人々が踊ってる。時折、噴水の中にコップを突っ込んでる人が居る。そして、その液体を飲んでいるのが見えた。
「・・・」
「エナトリア?」
「えぃ」
エナトリアは噴水に手を突っ込んで、
その液体を飲むのだった。
「おいおい・・・そんな得体の知れないものを」
「美味しい!」
「え?」
「これ、ワインだよ。ワイン!」
「ワインの噴水か、初めて見たな」
「うーん、美味しいなぁ」
「いいのか、勝手に飲んで」
「わかんない!」
「わかんないって・・・」
「みんな飲んでるし、多分いいのよ」
「いいのかな、そんなアバウトで」
「あはは、後で怒られるのは私だけだから大丈夫だよ」
エナトリアはけらけら笑ってた。
「ん・・・ごくっ・・・げほっ」
俺は噴水のワインを飲む。
「大丈夫、クルバス?」
「平気だ」
「酒、苦手でしょ・・・どうして飲んだの?」
「怒られるなら一緒に怒られようぜ」
俺も一杯は飲んだのだ。
これで共犯者だ。
「うん!」
エナトリアは嬉しそうに笑う。
「~♪」
他の人たちは楽しそうに踊ってる。
噴水のワインを勝手に飲んでる所為もあると思うが、余計に楽しそうだ。
「私たちも踊ろうよ」
「上手く踊れる気がしないな」
「別にいいのよ、うまく踊れなくても。大事なのはノリよ、自信が無いのなら私の手を握って、クルバス。そうしたら私がリードしてあげる」
「踊れるのか?」
「初めて!」
「そうか」
エナトリアの言う通り、ノリで踊れば案外何とかなるのかもしれない。
「あはは~」
エナトリアは俺の手を握って回るように踊る。
「・・・」
俺も一緒になって回る。
それは社交ダンスと言うには酷くレベルが低いのかもしれないが、楽しんでるという点においては俺たちの方が上だろうと思えた。採点する人が居る訳でもなく、軽いノリで踊ってるのだ。気持ちが跳ね上がる。
「楽しいね、クルバス」
「あぁ、楽しいよエナトリア」
「あはは~うへへ」
エナトリアは下品に笑う。
「ふっ」
ダンスそのものが楽しいというより、
エナトリアが面白いから笑ってるのかもしれない。俺たちはこうしてダンスで踊り明かしたのだった。酒の所為か、ダンスで疲れたのか、人々は地面に寝そべっていた。樽を枕代わりにしたり、酒瓶を枕代わりにしてる人とかも居た。
「はぁ~踊ったぁ」
エナトリアも汚れることは気にする素振りは無く、地面に寝そべる。
「汚れるぞ」
「起きるのめんどーい」
エナトリアは笑っていた。
「ったく」
「クルバスだって寝そべってるじゃん」
「男だからいいんだよ」
「えー、なにそれ」
エナトリアは楽しそうに笑う。
「何が面白いんだか」
俺はそんなことを言う。
「ねぇ、今日さ、どうだった?」
「どうって何が?」
「楽しかったのかなぁって」
「まぁ、それなりには」
「お祭りって楽しいでしょ」
「どうかな、今回だけ偶然そう思えただけだろ」
「こんな日にさ、1人は寂しいでしょ?」
「お前・・・」
エナトリアは俺を気にしてたのか。
「クルバスって、人を避けるところあるよね」
彼女の眼は寂しそうな目だった。
それは哀れみだろうか。
「まぁな」
人付き合いは嫌いだ。
面倒だと思ってる。
人間は面倒ごとばかり運んできて、
幸せを運んできてくれるのは青い鳥だけだと思ってる。
「ずっと、そうしてるつもり?」
「別にいいだろ」
「今いいかもしれないよ、若いから未来があるから変われるかもしれないって思うからきっと大丈夫だって思うんだ。でもね、年取っても一人だったら変わることは出来ないんだ、もう・・・時間が残されていないから、そしたら後悔するんじゃないかな。私は寂しいの嫌だな」
「別に孤独死でも構わない。
どうせ、俺は嫌われてるんだ。
嫌われ者は嫌われ者らしく、相応しい最後だろ」
「そんな寂しいこと言わないでよ」
エナトリアは不満そうだ。
「別に俺の勝手だろ、お前はお前で人付き合いを大事にすればいい。俺はそうしないってだけの話だ」
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エナトリアはむくれる。
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