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突如として鐘が鳴り響く。
「魔族だ!」
俺は布団から飛び起きる。
「エナトリア!」
急いで裸体だった俺は軽装備を装着する。
「分かってる」
裸体だった彼女は急いでドレスアーマーに着替える。
そして、外へと飛び出したのだった。
すると、すでにそいつは来ていた。
「ふぅむ、ここには雑魚しか居ないかと思ったが・・・。
まさか、強者がおろうとは。運がいい・・・」
身長は215cm。
体重は110kg。
見て分かるほどの強大な身体。
上半身裸で、傷だらけ。
長髪で、首には人間の首を集めたネックレスをつけていた。
武器は無さそうだ。
「誰だ、お前は」
俺は槍を構える。
「身共(みども)の名はヴォンハイター。
魔王様の最強の部下なり・・・見たところ女。
貴様は聖剣を持っておる、勇者エナトリアで間違えないか?」
「えぇ、そうよ」
「そうか、ならばここで殺せば魔王様に逆らうものは居なくなるということだな・・・」
ヴォンハイターは歩いて近づいてくる。
決して早い訳ではないが、妙な恐ろしさを感じる。
「なんのために訓練したんだ・・・うぉおおおお!」
村の人が突撃する。
「ダメ!」
エナトリアが静止したが遅かった。
「ふむ、その勇気よし。しかし愚かよ。
無駄な勇気というのは・・・なんと言えばいいか。
まぁ、どうせ死ぬのだから教えても無駄か」
「あがっ・・・」
男はヴォンハイターに持ち上げられる。
そして、左右に引っ張る。
まるで扉を開くみたいに。
すると、男は簡単に引きちぎれるのだった。
臓物が橋を作っていた。
「何てこと・・・」
エナトリアは苦悶の表情を浮かべる。
「雑魚を首にかける気にはなれん。
お前は首にかけるに値する女か?エナトリアよ」
ヴォンハイターは手を伸ばす。
「煌光剣ソルダート!」
聖剣が輝き、ヴォンハイターに刃が向けられる。
「ふむ・・・こんなものか」
「嘘」
ヴォンハイターは傷1つ出来ない。
「魔力の量が低い、故に身共の身体に傷をつけることは叶わん。この世の火薬をかき集めたとしても、海を吹き飛ばせることが叶わないのと一緒だ」
「ゆ、勇者が勝てないなら無理だ!」
この光景を見ていた村人たちは一斉に逃げ出す。
「はぁ・・・はぁ・・・」
エナトリアの息が荒くなる。
「貴様も逃げ出すか、勇者よ」
「どうかしら・・・ね!」
エナトリアは剣を向ける。
「無駄だ」
ヴォンハイターは彼女を掴もうとする。
けれど、それを俺は阻止する。
「イービル・ランス!」
俺は槍を投擲する。
「ふむ・・・蚊のような一撃よの」
「やはり、効かないか」
エナトリアでさえ無理なのだ。
俺程度の攻撃では無理だろう。
「誰か、助けて!」
少女が叫ぶ。
「嘘・・・どうして」
「逃げ出したのではないのか?」
俺とエナトリアは驚く。
俺たちが戦ってるのは勝つためではない。
出来ることならば勝ちたいが、戦力差は明白。
ならば出来ることはただ1つ。
村人たちを逃がすために時間を稼ぐことだ。
けれど、逃げ遅れたのならば、その意味はなくなる。
「可愛らしい、お嬢さんだ。
その臓物はさぞかし美しいのだろう」
「いやああああああっ」
少女の足に家が倒壊した際に出来た瓦礫で動けなくなっていた。必死になって足を抜け出そうとするが、何かが引っかかって上手く抜け出せない。
「その子に近づくな!」
俺は槍を向ける。
「では、止めてみろ・・・出来るのならばな」
ヴォンハイターはゆっくり歩いて近づく。
その魔の手が少女に迫る。
「うああああああああっ」
「ギルシュバイン?」
「助けなければ、弱くても出来ることがあるんだ!」
ギルシュバインは少女に近づく。
しかし、ヴォンハイターの手も少女に近づく。
「身共が先だ」
「僕だ!」
ギルシュバインは先に到達し、少女を救出。
そして、逃げ出す。
「ふぅむ、逃がしたか」
ヴォンハイターは歩いて追いかけることなく、
目だけで追っていた。
「クルバス」
「どうした、エナトリア」
「ここは・・・逃げましょう」
「いいのか?」
「今は・・・勝てないから。
他の人たちも逃げ出したようだし、
それに・・・あのヴォンハイターという魔族。
強いけれど、足は遅いみたい」
「そうみたいだな」
「よくぞ見抜いた、しかし貴様らで勝てるかな?」
「クルバス・・・走って」
「分かった」
「ふむ?」
俺たちは逃げるように背を向けた。
それはとてもみっともなかった。
「・・・っ!」
エナトリアは酷く悔しそうだった。
「エナトリア・・・」
「今は無理だった、でも・・・いつの日か必ず!」
「逃げたか、それでも勇者と名乗れるのだろうか。
その名がすたるぞ、エナトリア。
それでもいいのか?」
「・・・」
エナトリアは聞こえないふりをしてこの場を去るのだった。
「ふぅむ・・・魔王様に叱られるだろうか。
勇者を逃がしたとして・・・でも、村は手に入れたからなぁ・・・許して下さるか、きっと」
ヴォンハイターは頭を搔いていた。
「魔族だ!」
俺は布団から飛び起きる。
「エナトリア!」
急いで裸体だった俺は軽装備を装着する。
「分かってる」
裸体だった彼女は急いでドレスアーマーに着替える。
そして、外へと飛び出したのだった。
すると、すでにそいつは来ていた。
「ふぅむ、ここには雑魚しか居ないかと思ったが・・・。
まさか、強者がおろうとは。運がいい・・・」
身長は215cm。
体重は110kg。
見て分かるほどの強大な身体。
上半身裸で、傷だらけ。
長髪で、首には人間の首を集めたネックレスをつけていた。
武器は無さそうだ。
「誰だ、お前は」
俺は槍を構える。
「身共(みども)の名はヴォンハイター。
魔王様の最強の部下なり・・・見たところ女。
貴様は聖剣を持っておる、勇者エナトリアで間違えないか?」
「えぇ、そうよ」
「そうか、ならばここで殺せば魔王様に逆らうものは居なくなるということだな・・・」
ヴォンハイターは歩いて近づいてくる。
決して早い訳ではないが、妙な恐ろしさを感じる。
「なんのために訓練したんだ・・・うぉおおおお!」
村の人が突撃する。
「ダメ!」
エナトリアが静止したが遅かった。
「ふむ、その勇気よし。しかし愚かよ。
無駄な勇気というのは・・・なんと言えばいいか。
まぁ、どうせ死ぬのだから教えても無駄か」
「あがっ・・・」
男はヴォンハイターに持ち上げられる。
そして、左右に引っ張る。
まるで扉を開くみたいに。
すると、男は簡単に引きちぎれるのだった。
臓物が橋を作っていた。
「何てこと・・・」
エナトリアは苦悶の表情を浮かべる。
「雑魚を首にかける気にはなれん。
お前は首にかけるに値する女か?エナトリアよ」
ヴォンハイターは手を伸ばす。
「煌光剣ソルダート!」
聖剣が輝き、ヴォンハイターに刃が向けられる。
「ふむ・・・こんなものか」
「嘘」
ヴォンハイターは傷1つ出来ない。
「魔力の量が低い、故に身共の身体に傷をつけることは叶わん。この世の火薬をかき集めたとしても、海を吹き飛ばせることが叶わないのと一緒だ」
「ゆ、勇者が勝てないなら無理だ!」
この光景を見ていた村人たちは一斉に逃げ出す。
「はぁ・・・はぁ・・・」
エナトリアの息が荒くなる。
「貴様も逃げ出すか、勇者よ」
「どうかしら・・・ね!」
エナトリアは剣を向ける。
「無駄だ」
ヴォンハイターは彼女を掴もうとする。
けれど、それを俺は阻止する。
「イービル・ランス!」
俺は槍を投擲する。
「ふむ・・・蚊のような一撃よの」
「やはり、効かないか」
エナトリアでさえ無理なのだ。
俺程度の攻撃では無理だろう。
「誰か、助けて!」
少女が叫ぶ。
「嘘・・・どうして」
「逃げ出したのではないのか?」
俺とエナトリアは驚く。
俺たちが戦ってるのは勝つためではない。
出来ることならば勝ちたいが、戦力差は明白。
ならば出来ることはただ1つ。
村人たちを逃がすために時間を稼ぐことだ。
けれど、逃げ遅れたのならば、その意味はなくなる。
「可愛らしい、お嬢さんだ。
その臓物はさぞかし美しいのだろう」
「いやああああああっ」
少女の足に家が倒壊した際に出来た瓦礫で動けなくなっていた。必死になって足を抜け出そうとするが、何かが引っかかって上手く抜け出せない。
「その子に近づくな!」
俺は槍を向ける。
「では、止めてみろ・・・出来るのならばな」
ヴォンハイターはゆっくり歩いて近づく。
その魔の手が少女に迫る。
「うああああああああっ」
「ギルシュバイン?」
「助けなければ、弱くても出来ることがあるんだ!」
ギルシュバインは少女に近づく。
しかし、ヴォンハイターの手も少女に近づく。
「身共が先だ」
「僕だ!」
ギルシュバインは先に到達し、少女を救出。
そして、逃げ出す。
「ふぅむ、逃がしたか」
ヴォンハイターは歩いて追いかけることなく、
目だけで追っていた。
「クルバス」
「どうした、エナトリア」
「ここは・・・逃げましょう」
「いいのか?」
「今は・・・勝てないから。
他の人たちも逃げ出したようだし、
それに・・・あのヴォンハイターという魔族。
強いけれど、足は遅いみたい」
「そうみたいだな」
「よくぞ見抜いた、しかし貴様らで勝てるかな?」
「クルバス・・・走って」
「分かった」
「ふむ?」
俺たちは逃げるように背を向けた。
それはとてもみっともなかった。
「・・・っ!」
エナトリアは酷く悔しそうだった。
「エナトリア・・・」
「今は無理だった、でも・・・いつの日か必ず!」
「逃げたか、それでも勇者と名乗れるのだろうか。
その名がすたるぞ、エナトリア。
それでもいいのか?」
「・・・」
エナトリアは聞こえないふりをしてこの場を去るのだった。
「ふぅむ・・・魔王様に叱られるだろうか。
勇者を逃がしたとして・・・でも、村は手に入れたからなぁ・・・許して下さるか、きっと」
ヴォンハイターは頭を搔いていた。
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