フェアリーバトン

マイナースポーツでも輝ける

歓声が聞こえる。
花火の音が響き渡り、
紙吹雪が空を舞う。
それはドームの中、
フィールドの中央まで彼女たちは走っていく。
「飛ぼう、皆」
その掛け声とともに４人は空へ飛ぶ。
そして美しい妖精の羽が少女たちから生えるのだった。これはフェアリー・バトン。ファンタジーの世界で、彼女たちは青春を目指して頑張る、その初舞台がここだ。スポーツの世界で彼女たちは輝く。



学校の教室の中。
「フェアリーバトン？」
ロングヘアーの女性は不思議そうな顔をする。
「そうだ、やってみないか？」
俺が主人公。
教師の相川だ。
「でも、私スポーツなんて」
「やったことないからこそやろうぜ」
「出来ますかね、私にも」
「あぁ、だって他の誰もやってないんだからな」
「え・・・？」
「このスポーツは最近出来たばかりなんだ、だから部が無い」
「えーーーーっ！？」
「でも楽しいぞ」
「それ・・・大丈夫なんですかね」
「大丈夫だ、俺に任せておけ」
「うーん」
「他にやりたい部活もないんだろう」
「そうですけど」
「なら、俺に夢を預けてくれないか？」
「分かりました・・・ちょっとだけですよ」
「よっしゃ」
俺はこうして彼女を誘った、華やかなスポーツの舞台で可憐な存在になって羽ばたくその前触れであることを俺はまだ知らないのだった。