ゾンビと魔法少女と外宇宙邪神と変身ヒーローと弩級ハッカー、あと俺。

くろねこ教授

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Scene07 猫屋敷三毛寝子と俺の屋上

第45話

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逆がロープを伝って登っていく。
背にはネコ耳をつけたメイド。
ロングスカートなので、下から見ても下着は見えない。
あの中は黒いスキャンティだという事を俺は知っている。
逆は結局ネコの言う事に従った。
名前の割に素直な女だ。

「あの、俺達もう行きます」

屋上から助けられた男が言う。
家族の元に帰るつもりだろう。

「そうか、気を付けて行けよ。
 明るい所にはいないが、暗い所にゾンビが隠れてる」

俺は女生徒に言う。

「はい、ありがとうございます。
 コーヒーご馳走様でした」
「持っていくか?」

俺は革ジャンに放り込んでたハンマーを渡す。
バットは渡せない、俺の主武器だ。

「ゾンビは頭を割れば動かなくなる。
 ハンマーなら出来ない事は無い」

二人は学校から出て行った。
上手く自宅に辿り着けるだろうか。
しかし自宅も安全とは限らないのだ。

俺に二人の事を考える時間の余裕はあまり無かった。

何故ならいきなり校舎の屋上が光ったからだ。
逆が昇って行った校舎の屋上。
花火でも爆発したのか。
そんな光が周囲を照らす。

現在屋上には円花と逆、ネコ耳メイドの三人が居るはず。
ネコか逆が発光弾でも持っていたのか。
しかし俺の知識では発光弾とは暗闇の中光る程度。
こんな真昼に明らかに眩しいほどの光は発しない筈だ。

ついで拳銃音も聞こえる。
聞いた事の有る発砲音。
おそらくネコのトカレフ。

なにが起きている。
屋上の鉄扉からゾンビが侵入したのか。
ならば心配する必要は無いだろう。
逆とネコがいるのだ。
逆の凶器と格闘術、ネコの拳銃。
更には円花だっていざとなれば魔法少女に変身可能。
ゾンビにやられる程ヤワでは無い三人。

だがなかなか三人は降りてこない。
ジリジリと俺は待たされる。
心配する必要は無いと思いつつ徐々に気持ちは焦る。

やがて降りて来た。
ロープを伝う人影。
魔法少女。
ピッタリした布と金属アーマー。
下から見るとお尻のラインが良く分かる。
円花が逆に背負われて降りて来る。

二人だけなのか。

地上に降りた円花が俺の胸に飛び込んで来る。

「草薙先輩!
 ネコがネコが……」

円花の目は泣き腫らしていた。
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