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Scene16 五古河逆と俺のビジネスホテル
第97話
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俺の目の前では格闘戦が繰り広げられていた。
五古河凌とサイツォンが睨みあう。
暗殺術の使い手、危険な死神。
魔王の四将、肉弾戦であれば最強無敵と謳われた戦士。
お互いを好敵手と認めたのか。
ジリジリと距離を取って睨みあう。
殺気が飛び交い恐ろしい緊張感に包まれる。
二人はお互いの隙を狙い、回り出す。
左回りに回転。
相手の一瞬の隙も見逃さない。
恐らくパワーではサイツォンが圧倒的に上。
体格が違い過ぎる。
しかし五古河凌にはスピードが有る。
先ほどの槍に投げナイフ。
何処から取り出したのやら。
逆と同じ様な特技。
ならば更に凶器を隠し持っているかもしれない。
サイツォンの軽い左足前蹴り。
五古河凌は避ける。
が後ろに下がったりはしない。
横に避けつつ相手の軸足を凶器で狙う。
考え違いをしていたかもしれない。
サイツォンが体格で上回る。
だからと言ってスピードで劣るとは限らない。
避けられたはずの左足が一瞬で軌道を変えていた。
右足を狙う槍。
凌の振るう槍の穂先を踏みつける。
獣人魔将サイツォン。
パワーだけでは無い。
速度も持つ闘士。
五古河凌は焦りすらしなかった。
最初から分かっていたように槍を手放す。
大男の下半身に回り込んでいた凌。
下から上に何かが跳ね上げられる。
俺の目では全てを捉える事が出来ない様な攻防。
だが下部に気を取られた大男のアゴを拳で殴る。
それだけでは無い。
一瞬、拳の先に煌めくモノ。
刃物。
隠した刃物でサイツォンの首筋を狙った。
凶器を隠し持つ男。
そして刃物を相手の急所に振るう事に躊躇の無い精神。
逆のヤツは五古河の技は暗殺術だと言っていた。
暗殺者の精神を持つ男、五古河凌。
しかしサイツォンはその刃物すらも避ける。
睨み合う二人。
俺はトカレフを取り出し、引き金を引く。
五古河凌が丁度、俺に背を向けているのだ。
「グァッ!」
弾丸は五古河凌の足を撃ち抜いた。
サイツォンにだけ気を取られていたヤツはキレイに倒れる。
右足を抑え、悶える。
「貴様、後ろからいきなり飛び道具とは卑怯な」
「おいおい、アンタ・・・」
サイツォンまで俺を非難する雰囲気。
バカか。
女を殺すような目にあわせておいて。
俺が手加減しなきゃいけない理由が有るものか。
もう一発拳銃で撃ち抜く。
同じ右足。
骨まで傷ついた筈だ。
足をやられると簡単には立ち上がれない。
右足に力が入らない状況。
だが、五古河凌は立ち上がろうとする。
バランスの取れない筈の身体を操る。
左足と上半身のバランスのみで。
見事な身体能力。
一流の体操選手のそれ。
俺はバットで打ちつける。
身体の上半身。
一番大きい的。
足が動かない状態では避けようも無い。
「待てっ、おまっ。
ちょっと、ちょっと、ぐあああああああああああ」
五古河凌は何か言おうとしたが、俺は構わずバットで打つ。
さらに右足をバンバン打っておく。
バットの先が男の急所にも当たったかもしれない。
わざとではないが。
当たらないよう配慮もしなかった。
五古河凌は白目を向いてる。
完全に意識が無い。
右足も銃で撃たれ、更にバットの衝撃で数か所骨折してる筈だ。
しばらくはまともに動けまい。
「いや、やり過ぎだと思いますが」
「お前、ヒドクねーか」
「効果的デハ有ルデショウ。シカシ褒メラレタモノデハ有リマセン」
シアカテルとサイツォンが次々と言う。
ジージーマインまでか。
妹を傷つける兄にはいいクスリだ。
「何だよ、俺の出番だと思ったのによ」
サイツォンは不満そう。
別の出番を考えてやろう。
「出番は有るぞ
お前、確か回復術が使えたな」
俺は傷ついた逆を見ながら言った。
五古河凌とサイツォンが睨みあう。
暗殺術の使い手、危険な死神。
魔王の四将、肉弾戦であれば最強無敵と謳われた戦士。
お互いを好敵手と認めたのか。
ジリジリと距離を取って睨みあう。
殺気が飛び交い恐ろしい緊張感に包まれる。
二人はお互いの隙を狙い、回り出す。
左回りに回転。
相手の一瞬の隙も見逃さない。
恐らくパワーではサイツォンが圧倒的に上。
体格が違い過ぎる。
しかし五古河凌にはスピードが有る。
先ほどの槍に投げナイフ。
何処から取り出したのやら。
逆と同じ様な特技。
ならば更に凶器を隠し持っているかもしれない。
サイツォンの軽い左足前蹴り。
五古河凌は避ける。
が後ろに下がったりはしない。
横に避けつつ相手の軸足を凶器で狙う。
考え違いをしていたかもしれない。
サイツォンが体格で上回る。
だからと言ってスピードで劣るとは限らない。
避けられたはずの左足が一瞬で軌道を変えていた。
右足を狙う槍。
凌の振るう槍の穂先を踏みつける。
獣人魔将サイツォン。
パワーだけでは無い。
速度も持つ闘士。
五古河凌は焦りすらしなかった。
最初から分かっていたように槍を手放す。
大男の下半身に回り込んでいた凌。
下から上に何かが跳ね上げられる。
俺の目では全てを捉える事が出来ない様な攻防。
だが下部に気を取られた大男のアゴを拳で殴る。
それだけでは無い。
一瞬、拳の先に煌めくモノ。
刃物。
隠した刃物でサイツォンの首筋を狙った。
凶器を隠し持つ男。
そして刃物を相手の急所に振るう事に躊躇の無い精神。
逆のヤツは五古河の技は暗殺術だと言っていた。
暗殺者の精神を持つ男、五古河凌。
しかしサイツォンはその刃物すらも避ける。
睨み合う二人。
俺はトカレフを取り出し、引き金を引く。
五古河凌が丁度、俺に背を向けているのだ。
「グァッ!」
弾丸は五古河凌の足を撃ち抜いた。
サイツォンにだけ気を取られていたヤツはキレイに倒れる。
右足を抑え、悶える。
「貴様、後ろからいきなり飛び道具とは卑怯な」
「おいおい、アンタ・・・」
サイツォンまで俺を非難する雰囲気。
バカか。
女を殺すような目にあわせておいて。
俺が手加減しなきゃいけない理由が有るものか。
もう一発拳銃で撃ち抜く。
同じ右足。
骨まで傷ついた筈だ。
足をやられると簡単には立ち上がれない。
右足に力が入らない状況。
だが、五古河凌は立ち上がろうとする。
バランスの取れない筈の身体を操る。
左足と上半身のバランスのみで。
見事な身体能力。
一流の体操選手のそれ。
俺はバットで打ちつける。
身体の上半身。
一番大きい的。
足が動かない状態では避けようも無い。
「待てっ、おまっ。
ちょっと、ちょっと、ぐあああああああああああ」
五古河凌は何か言おうとしたが、俺は構わずバットで打つ。
さらに右足をバンバン打っておく。
バットの先が男の急所にも当たったかもしれない。
わざとではないが。
当たらないよう配慮もしなかった。
五古河凌は白目を向いてる。
完全に意識が無い。
右足も銃で撃たれ、更にバットの衝撃で数か所骨折してる筈だ。
しばらくはまともに動けまい。
「いや、やり過ぎだと思いますが」
「お前、ヒドクねーか」
「効果的デハ有ルデショウ。シカシ褒メラレタモノデハ有リマセン」
シアカテルとサイツォンが次々と言う。
ジージーマインまでか。
妹を傷つける兄にはいいクスリだ。
「何だよ、俺の出番だと思ったのによ」
サイツォンは不満そう。
別の出番を考えてやろう。
「出番は有るぞ
お前、確か回復術が使えたな」
俺は傷ついた逆を見ながら言った。
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