ゾンビと魔法少女と外宇宙邪神と変身ヒーローと弩級ハッカー、あと俺。

くろねこ教授

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Scene.EX03 五古河逆と俺のいない小学校

第173話

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『アースクエイク』
大地よ、群がる敵を崩せ!

オレは心の導くまま声に出す。
拳で大地を撃つ。
ナニカが大地に伝わる。

群をなし押し寄せるゾンビ。
さすがにオレ一人じゃ簡単には止められない。
そのゾンビの立つ大地が震える。
崖の様に崩れる。

ゾンビどもは足止めされる。
地面の震えで倒れてるヤツも居る。
オレはそんなヤツらを仕留めて回る。


『ファイアービュレット』
赤き火よ、悪漢どもを焦がせ!

由羅はと見てみると炎を飛ばしてる。
群がるゾンビどもに大活躍。

「そこ、ポーズ決めて。
 笑顔よ、由羅」

録画してる佐緒里が注文を付けてるな。
オマエ、余裕が有り過ぎだろ。


『ウォーターシールド』
清き水よ、我らを守り給え!

円花は碧い光の壁を作る。
学校に向かうゾンビどもを全員足止め。
一体ずつ剣で切り裂く。

へへ。
ゾンビが幾らいても何とかなりそうじゃねーか。

うん?
なんだか空に白いモノがチラついてやがるな。


「あらっ、雪よ。
 雪が降って来た」

佐緒里が言う。

「ホワイトクリスマスね。
 スゴーイ。
 雪降る中、魔法少女とゾンビが最終決戦。
 画になるわー」

佐緒里はスマホでしきりと録画してる。
おいおい、オレにまでスマホを向けるんじゃねーよ。


「あれっ、なんだかゾンビがおかしい」

スマホで周囲を録画してる佐緒里が言う。

オレはその間もゾンビを仕留めてる。
円花や由羅も一緒だ。

向かってくるヤツをガンガン仕留めてるんだが。
いくら倒してもゾンビは尽きない。
チクショウ。
まさか夜明けまで続けろってんじゃないだろうな。

「雪を受けたゾンビが倒れてく」

徐々に雪は強くなっていた。
白いモノがチラつく程度から、本降りへ。
校庭には雪が積もりつつある。

佐緒里の言葉で観察してみると、その通り。
降りしきる雪を受け、カラダが濡れたゾンビ。

グギャギャギャッ。

呻き声を上げ倒れる。

通りまで一杯のゾンビ。
果てしない屍人の群れ。
ヤツらが次々倒れていく。
立って蠢く輩がドンドン減っているのだ。


「おい、なんだこれは」

オレは円花に訊ねる。

「分からない」

円花は首を振る。
空から降る雪を自分の手で受け止める。

「分からないけど……
 真悟さんのニオイがする」

何を言ってるんだ。
円花のヤツ。
色ボケか。

オレも雪を掌で受け止める。
あっ。
感じちまった。
オレまで。
どうなってやがる。

あの男の気配。
受けとめた雪からは。
草薙真悟の気配がしていた。
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