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Scene29 女教師と俺の校舎脇
第174話
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「待っていたのよ、『魔王』」
スーツの女が言う。
俺の良く知る女。
美人と言え無くも無いが普段はメイクを控えめに。
俺の腕を取ったのは。
“担任女教師”。
だが、現在俺の前に居る女は雰囲気が違う。
まだ若い女教師。
生徒の立場から教師の立場へ移動して間もない。
どこか甘えた雰囲気のある女。
顔立ちは一緒だが。
目の前にいる女には甘えなど一切感じられない。
隙の無い挙動。
笑顔を口元には浮かべているが。
瞳からがギラリと零れる刃物の様な気配。
近くにいる人間が誰でも気圧される。
こんな気配を放つ高校の教師が居るものか。
「先生、ご無事でしたか。
こんな危険な所におひとりで居られるなんて。
どうかしましたか」
「とぼけてもダメよ。
アナタにだって分かるでしょう。
この中身が高校教師じゃない事は。
同じ事よ。
私にだって分かるわ。
アナタが普通の高校生、草薙真悟じゃない事くらいはね」
「いつからだ。
いつからオマエだった?」
「さていつからかしら。
私達が出会った最初からでは無いわね」
最初。
俺は三年前この世界で草薙真悟の中にいる自分に気付いた。
俺の中には草薙真悟の知識が有った。
そのまま普通の高校生となった俺。
特に目立ちはしなかった筈だ。
「目立つわ。
アナタも天然ね。
目立たない様にしてるつもりだったの。
口調こそ丁寧だけど。
世界で一番自分がエライ様な態度。
誰にだって分かるわ。
勉強してる様子も無いのに、定期試験の結果はトップ。
美女は全て口説き落とす。
目立つに決まってるじゃないの」
そうか。
普通の高校生として常識外の事はしてないハズなんだが。
「俺だって色々調べたぞ。
今どきの都会の高校生だ。
セフレが数人いてもフツーだ」
「アナタ、よっぽど俗悪な週刊誌か、ろくでもないネット記事を調べたのね。
今どき、そんな男子は居ないわ。
今は草食系か絶食系なのよ」
「それに比べると、私は溶け込むのが上手だったでしょう。
元々、三級市民なのだから。
王族のアナタとは違うのよ」
女教師。
俺と関係を持ったこの女。
日常生活に不満を溜めこみ、グチを聴いてやり甘い言葉を掛ける。
それだけですぐに俺と男女の仲になった女。
最初はこれが普通と思ったが。
他の女とも関係を持つうち、月日が経つうちにこの女の異様さは明らかになっていた。
果てしない欲望の闇。
底なし沼のような精神。
常に不安定な挙動。
教師としてのストレスが原因とは考えられない。
俺と一緒に居ても心が浮き立つような様子は無い。
俺に肉体を求められる事を喜ぶ。
俺が下衆な男を装えば装う程、喜ぶのだ。
女教師の弱みを握り脅す高校生男子のふり。
最近では避妊を求める女教師の訴えを退けるふり。
卒業したら結婚しましょう等と甘い言葉で女教師を惑わす下衆な男のふり。
そんな下衆に求められる事で安心するのか。
俺はその女に言ってやった。
「お前だって充分、異様だったぞ。
『勇者』」
スーツの女が言う。
俺の良く知る女。
美人と言え無くも無いが普段はメイクを控えめに。
俺の腕を取ったのは。
“担任女教師”。
だが、現在俺の前に居る女は雰囲気が違う。
まだ若い女教師。
生徒の立場から教師の立場へ移動して間もない。
どこか甘えた雰囲気のある女。
顔立ちは一緒だが。
目の前にいる女には甘えなど一切感じられない。
隙の無い挙動。
笑顔を口元には浮かべているが。
瞳からがギラリと零れる刃物の様な気配。
近くにいる人間が誰でも気圧される。
こんな気配を放つ高校の教師が居るものか。
「先生、ご無事でしたか。
こんな危険な所におひとりで居られるなんて。
どうかしましたか」
「とぼけてもダメよ。
アナタにだって分かるでしょう。
この中身が高校教師じゃない事は。
同じ事よ。
私にだって分かるわ。
アナタが普通の高校生、草薙真悟じゃない事くらいはね」
「いつからだ。
いつからオマエだった?」
「さていつからかしら。
私達が出会った最初からでは無いわね」
最初。
俺は三年前この世界で草薙真悟の中にいる自分に気付いた。
俺の中には草薙真悟の知識が有った。
そのまま普通の高校生となった俺。
特に目立ちはしなかった筈だ。
「目立つわ。
アナタも天然ね。
目立たない様にしてるつもりだったの。
口調こそ丁寧だけど。
世界で一番自分がエライ様な態度。
誰にだって分かるわ。
勉強してる様子も無いのに、定期試験の結果はトップ。
美女は全て口説き落とす。
目立つに決まってるじゃないの」
そうか。
普通の高校生として常識外の事はしてないハズなんだが。
「俺だって色々調べたぞ。
今どきの都会の高校生だ。
セフレが数人いてもフツーだ」
「アナタ、よっぽど俗悪な週刊誌か、ろくでもないネット記事を調べたのね。
今どき、そんな男子は居ないわ。
今は草食系か絶食系なのよ」
「それに比べると、私は溶け込むのが上手だったでしょう。
元々、三級市民なのだから。
王族のアナタとは違うのよ」
女教師。
俺と関係を持ったこの女。
日常生活に不満を溜めこみ、グチを聴いてやり甘い言葉を掛ける。
それだけですぐに俺と男女の仲になった女。
最初はこれが普通と思ったが。
他の女とも関係を持つうち、月日が経つうちにこの女の異様さは明らかになっていた。
果てしない欲望の闇。
底なし沼のような精神。
常に不安定な挙動。
教師としてのストレスが原因とは考えられない。
俺と一緒に居ても心が浮き立つような様子は無い。
俺に肉体を求められる事を喜ぶ。
俺が下衆な男を装えば装う程、喜ぶのだ。
女教師の弱みを握り脅す高校生男子のふり。
最近では避妊を求める女教師の訴えを退けるふり。
卒業したら結婚しましょう等と甘い言葉で女教師を惑わす下衆な男のふり。
そんな下衆に求められる事で安心するのか。
俺はその女に言ってやった。
「お前だって充分、異様だったぞ。
『勇者』」
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