じいちゃんとチョビ

じいちゃんとチョビ

チョビは、私が保育園の年中さんの時に動物愛護協会の所から貰ってきた犬だ。
 私はシベリアンハスキーが欲しかったのだが、チョビはハスキーとは似つかない犬だった。
 チョビは、両親が動物愛護協会で貰ってき最初に石を食べていたらしい。
 何より切なかったのは、チョビは後一週間したら殺処分になる犬だったということだ。他にも可愛い子犬や、もうヤバいだろというような老犬が居たらしいが、チョビは本当に可哀想な犬だったみたいだ。前飼主から虐待を受けていたらしい。人間不信で怖がっていた。
 幼心に、私はハスキーじゃないと思ってしまい、ちょっと残念だった。
 第一印象、臭い。犬ってこんなに臭いんだ…というか、この子が臭いのだろうか…。
チョビは、家に連れてきた時、家の中を走り回ったそうだ。
 最初はお手もおすわりも出来なかったが、散歩が何より大好きだった。
  じいちゃん
 我が家のじいちゃんは、左官業をしていた。所謂自営業で、依頼が入ったらばあちゃんと一緒にその依頼をしてきた家に赴き仕事をするという感じだった。
 じいちゃんはばあちゃんと24時間ずっと居た。相棒のような、助手の様なそんな感じだった。ダットという日産から出ている軽トラの少し大きい版のトラックに乗っていた。
左官屋さんとは、要は壁塗りの仕事だ。
家の中、外の外壁を塗る仕事と言ったらいいだろうか。
 じいちゃんは、お酒を飲むとかなり陽気になる。夜なのに、チョビを連れて散歩に出るのだ。
 チョビは嫌顔一つせずに、じいちゃんと散歩に行くのだ。