やさしく、いじめて。

ハル

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#6

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「私が欲しいですか?」
 はくはくと蜜口が動くのに由郁は気がついた。理性はどこか置いて行ってしまってわからない。理屈ではなく、彼が欲しくてたまらない。そっと力の入らない手で男の肩に這わせる。涙が溜まった由郁の視線に野端はふ……と少しだけシニカルな微笑みを浮かべて、キスをする。
「あ、あ……」
「由郁、口を開けなさい」
「は、い」
 素直に命ぜられるまま口を開けて舌を少しだけ差し出すと、よくできましたとばかりに目を細め、野端は由郁の舌を己のもので撫で、咥えて吸う。
 どちらのものかわからない、いや混ざり合った唾液が由郁の口の端から溢れる。もう何度も何度も口内をむさぼり合い、溶け合わないのが不思議なくらいだと、ふと思った。
「ふ、ぅん……っ!」
「かわいい、由郁。そろそろ入れますよ」
 野端が身を起こして、ごそっと少しだけ間が空いた。ただすぐに蜜口に丸い熱い何かが触れてくる。敏感な粒にそれがかすめるたびに体がビクビクと震えた。何度かぐぷっという思い水音と敏感な場所がこすられて、うめき声をあげてしまう。
 それほどほぐされてはいないが、丹念に高められて濡れそぼっていたもっとも敏感な場所に、待ち望んでいた熱い楔がゆっくりと侵入してくる。ちりっと少しの痛みが感じられて、由郁はぎゅっとシーツを掴んだ。
「あああ、しゃ、ちょう……」
「由郁?」
「あ、――颯斗、さん」
 指摘すると融けてとろりとした視線で由郁は教えられたことを繰り返す。
 よくできましたとばかりに、野端は由郁の頬に指を滑らせた。
 普段は乾いた指先。
 それが今、由郁のもので濡れそぼっている。その指先でそっと顎の稜線を辿られ、ぎしぎしと、ベッドのマットレスが背中の下で微かに鳴る。快感が高められて訳がだんだんとわからなくなっているというのに、そんな細かなことが妙に印象に残った。男の雄芯はそっとはいってくるのに、由郁の#膣内_なか__#を作り変えていくような、強引な気配がした。
 熱い。
 熱くて、じりじりと自分の中心が拓かれていき、自分が男のそれを飲み込んでいくのを体内で感じた。
「あ……」
 ぐちゅりと体の奥が鳴った。
「ああ。あなたの膣内<なか>、私に吸い付いて、そしてさらに取り込もうとしているのがわかりますか?」
 少し伏せた瞼、普段はかっちり固められて見えている額にかかる少し長めの前髪。端正な顔がどういった表情を浮かべているのかはわからない。それでも満足そうに由郁の下腹に長い指を這わせてたどる。
 ぎし……っと小さく彼の体が揺れる。
「あ……やっっ」
 ひくんとその動きに合わせて、熱い心地よさが小さく揺れる。
「ほら、私のこんな揺れでさえ、快感を拾うなんて。本当に敏感なんですね」
 ぎしぎしと前後に小さく揺さぶられて、くらりとした浮遊感が由郁を襲う。
「ひ……ぁんっ。やっ、そこだめぇっ」
「ん。まだ少し揺らしてるだけですよ。もっと気持ちよくなりましょうか」
 優しい手つきでまた髪を梳かれるが、そのちょっとした振動さえ、ぴりりっとした気持ちよさにつながっていく。腰を小刻みに動かしながら、野端は由郁の白く丸い胸に手を滑らせてギュッと握る。
「あ――」
 ちょっとした痛みに、思わず腰が跳ね上がったが、それが新しい気持ちのよさへと繋がってしまう。
「ひっ――。だめ……」
「だめですか? すごく気持ちよさそうですよ。どんどんあなたの顔がほどけてけていく」
 そんな風に言って、カリッと指先で胸の頂きをひっかくと、由郁の体はさらに跳ね上がった。
「やぁぁぁああぁぁっ!」
「いい声で啼きますね」
「あ、あ、ぁぁ、あっ」
 由郁の叫び声を合図に野端が腰をしっかりと押さえて、抽送を激しく開始した。
「ああ、だ、だめぇ。イ、イったばっか、りなの、に……」
 自分の中心が激しく痙攣しているのがわかるのに、指で触れられるだけで、すべてが敏感に快感を拾うのに、野端は唇に薄い笑いを浮かべながら、抽送を止めてはくれない。
「やぁ、だめぇ。あ、ああ。や、いじめちゃ、やぁ」
「ふふ。いじめてませんよ。由郁。これは――かわいがるというんですよ。あなたも嬉しがっていますね」
 吐く息が少し荒いが野端は冷静に由郁に言う。ぐちゅぐちゅと繋がっている箇所から粘着質な水音が鳴り響くが、由郁はそれを恥ずかしがるゆとりはない。
「それ、ちがぁ、ぁぁあん」
 太ももを押し上げられ、体を少し折り曲げられると雄芯の当たる角度が変わって、びくりと震えた。そして違う種類の快感が由郁を襲ってくる。イったばかりで、激しく刺激され、そしてさらにその向こうに押し上げてこようとする野端の動きに何も考えられないし、おかしくなりそうだ。いや、すでにおかしくなってきている。
「ひっん……。や、それだめなの。颯人さん!!」
「では、ちょっと角度を変えますか」
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