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首都
27 超絶イケメン猫獣人
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ところでだ。ネロが超絶イケメンになってしまったのだ。見れば見るほどすてきなのだ。あんまり見ると、緊張してぎくしゃくするから、見てはいけないのだ。
豊かな黒髪から立ち上がるふさふさの猫耳、キリッとした太めの眉に、すっと通った鼻筋。たっぷりのまつ毛で縁取られた金色の眼で見つめられると、なにも喋れなくなる。
ああ、顔がよい。
「周、どうかしたのか?顔が赤いぞ。
今日はオギューさんと面会もあったし、疲れただろ。もう寝ろ」
形のよい薄い唇からこぼれる、少しかすれた低音、たまらなくセクシーだ。
ああ、声もよい。
「……うん、もう寝ようかな……」
すると、ネロは隣の部屋に行き、服を脱ぎ、大きな猫の姿になって現れる。寝るときは、いつも猫のネロ。落ち着くけど、最近はこの姿でもドキドキしてしまう。
「がう!」
ぼくをベッドに引っ張りこんだネロは、いつものように胸元にぼくを抱き抱えると、ざりざりした舌で頭や顔をなめてくる。これがマーキング……
昼間、オギューさんに"伴侶"って言われてから、なんだかすごく意識してしまう。
でも、ぼくが告白したときは、まだ猫だったから意味わかってないかも。
「ネロ、獣人になったばかりなのに、言葉の意味がわかってるし、話も出来るよね。
いつから、言葉がわかるようになったの?」
「がう!」
(周の頭をなめながら)
「ぼく、体が治ったら、神の高台にある家に戻ろうと思うんだ。家は焼けちゃったけど、神様が元通りにしてくれるって言ってた。ネロも一緒に来てくれる?」
「がう!」
(周の額をなめながら)
「今、ぼくを警護してくれてる獣人のみなさんにも、生活があるでしょう。申し訳なくって……」
「がう!」
(周の頬をなめながら)
「もう!ネロ聞いてるの?」
「うん、聞いてるよ」
「えっ!返事……」
焦点が合わないくらい至近距離に、人型のネロがいて、ぼくの頬に柔らかい唇でちゅっちゅしてきた。
くっついていた胸元からは毛が消え、ぼくは、つるりとした筋肉質の雄っぱいにぴったりと挟まれている。
「うひゃっ!ネロ!」
「なんだい、周」
「人型になってる!もしかして裸なの?」
「うん。猫だと返事出来ないだろ」
ネロの唇が自慢気にくいっと上がり、金の目が三日月みたいに弧を描いた。
そうだね。ぼくが話続けるから、気を使ってくれたんだ。ドキドキして倒れそうだけど、ベッドで寝てるからもう倒れてるようなもんだし、なんとか正気を保てている。
「まずさ、言葉だけど。オレ、前世が人間だったみたいなんだ。
だから、周に拾われた時点で、言葉の意味はわかってた。スムーズに話せるようになったのも、そのおかげ」
「はぁぁぁっ?ぼくの独り言も、全部わかって聞いてたの?」
「うん!ネロ大好き!ネロかわいい!ぼくのネロ! オレ、愛されてるねっ!」
「ぎゃー!やめてー!」
「あの家に戻れるのはうれしいな!誰も邪魔しない、オレと周二人だけの愛の巣!」
「ぐぅ……」
「警護や世話してくれてる獣人は、みんな周に感謝して、役に立ちたいって言ってるから、甘えてあげなよ」
「うん……」
照れて言葉少なになったぼくを、全部答えたネロが、ほめてと言わんばかりに期待をこめた目で見つめてくる。
その唇がどんどん近づいて、ぼくの唇に触れそうになったとき、ぼくはネロの鼻っ面をひっぱたいた。
「心の準備が出来るまでやだー!」
「えー?このまえは、周からしてくれたのにー!」
「わぁっ!思い出さないで!忘れられるのも微妙だけど。あれは緊急事態だったんだっ!」
「まあね、くふふ。もう寝よっか。あんまりからかうと周が暴れちゃう。骨もくっついたばかりなんだから急に動かしちゃだめだよ」
ネロは猫の姿にもどって、ぼくの背中をとんとんとなだめながら、壊れ物を扱うようにそっと抱きしめた。大事にされている。
胸の中がほわっとあたたかくなって、眠くなってきた。
人型に慣れるまで、もう少し時間がほしい。
それにしても、顔がよい。
豊かな黒髪から立ち上がるふさふさの猫耳、キリッとした太めの眉に、すっと通った鼻筋。たっぷりのまつ毛で縁取られた金色の眼で見つめられると、なにも喋れなくなる。
ああ、顔がよい。
「周、どうかしたのか?顔が赤いぞ。
今日はオギューさんと面会もあったし、疲れただろ。もう寝ろ」
形のよい薄い唇からこぼれる、少しかすれた低音、たまらなくセクシーだ。
ああ、声もよい。
「……うん、もう寝ようかな……」
すると、ネロは隣の部屋に行き、服を脱ぎ、大きな猫の姿になって現れる。寝るときは、いつも猫のネロ。落ち着くけど、最近はこの姿でもドキドキしてしまう。
「がう!」
ぼくをベッドに引っ張りこんだネロは、いつものように胸元にぼくを抱き抱えると、ざりざりした舌で頭や顔をなめてくる。これがマーキング……
昼間、オギューさんに"伴侶"って言われてから、なんだかすごく意識してしまう。
でも、ぼくが告白したときは、まだ猫だったから意味わかってないかも。
「ネロ、獣人になったばかりなのに、言葉の意味がわかってるし、話も出来るよね。
いつから、言葉がわかるようになったの?」
「がう!」
(周の頭をなめながら)
「ぼく、体が治ったら、神の高台にある家に戻ろうと思うんだ。家は焼けちゃったけど、神様が元通りにしてくれるって言ってた。ネロも一緒に来てくれる?」
「がう!」
(周の額をなめながら)
「今、ぼくを警護してくれてる獣人のみなさんにも、生活があるでしょう。申し訳なくって……」
「がう!」
(周の頬をなめながら)
「もう!ネロ聞いてるの?」
「うん、聞いてるよ」
「えっ!返事……」
焦点が合わないくらい至近距離に、人型のネロがいて、ぼくの頬に柔らかい唇でちゅっちゅしてきた。
くっついていた胸元からは毛が消え、ぼくは、つるりとした筋肉質の雄っぱいにぴったりと挟まれている。
「うひゃっ!ネロ!」
「なんだい、周」
「人型になってる!もしかして裸なの?」
「うん。猫だと返事出来ないだろ」
ネロの唇が自慢気にくいっと上がり、金の目が三日月みたいに弧を描いた。
そうだね。ぼくが話続けるから、気を使ってくれたんだ。ドキドキして倒れそうだけど、ベッドで寝てるからもう倒れてるようなもんだし、なんとか正気を保てている。
「まずさ、言葉だけど。オレ、前世が人間だったみたいなんだ。
だから、周に拾われた時点で、言葉の意味はわかってた。スムーズに話せるようになったのも、そのおかげ」
「はぁぁぁっ?ぼくの独り言も、全部わかって聞いてたの?」
「うん!ネロ大好き!ネロかわいい!ぼくのネロ! オレ、愛されてるねっ!」
「ぎゃー!やめてー!」
「あの家に戻れるのはうれしいな!誰も邪魔しない、オレと周二人だけの愛の巣!」
「ぐぅ……」
「警護や世話してくれてる獣人は、みんな周に感謝して、役に立ちたいって言ってるから、甘えてあげなよ」
「うん……」
照れて言葉少なになったぼくを、全部答えたネロが、ほめてと言わんばかりに期待をこめた目で見つめてくる。
その唇がどんどん近づいて、ぼくの唇に触れそうになったとき、ぼくはネロの鼻っ面をひっぱたいた。
「心の準備が出来るまでやだー!」
「えー?このまえは、周からしてくれたのにー!」
「わぁっ!思い出さないで!忘れられるのも微妙だけど。あれは緊急事態だったんだっ!」
「まあね、くふふ。もう寝よっか。あんまりからかうと周が暴れちゃう。骨もくっついたばかりなんだから急に動かしちゃだめだよ」
ネロは猫の姿にもどって、ぼくの背中をとんとんとなだめながら、壊れ物を扱うようにそっと抱きしめた。大事にされている。
胸の中がほわっとあたたかくなって、眠くなってきた。
人型に慣れるまで、もう少し時間がほしい。
それにしても、顔がよい。
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