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キョウ✕獅子王

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今日は夕方から急に雨が降ってきた。さっきから窓の外がピカッと光ってはゴロゴロバリバリいっている。その度に課題をしていた獅子王はビクッと飛び上がる。

「獅子王、もしかして雷怖いの?」

「こ、怖くねえ!音がちょっと…その…苦手なだけで…」

獅子王が目線を泳がす。雷が怖いなんて、可愛いじゃないか!

「獅子王、おへそ取られちゃうかもよ」

「っ…!からかうな!」

そう言ったそばからおへそを確認している獅子王可愛い。

「だ、だいたいキョウだってへそを取られるかもしれないじゃないか!」

「僕なら交渉するけどねぇ」

「こ、交渉?」

獅子王がまじまじと僕を見つめてくる。僕は笑った。

「何かを得たいなら何かを差し出さなきゃ。奪い取るだけなんて許されないはずだよ」

「で、でも実際は奪い取るだけの奴らだって!」

獅子王の言う通りだ。僕は獅子王を抱き寄せた。小さい体だな。

「もし獅子王の大事なものが奪われたら僕が代わりに奪ってあげる」

ピカッとまた窓が光って雷鳴が轟く。獅子王はもう耐えきれなくなったのか僕に抱き着いてきた。ふるふる、震えている。

「キョウ…危ないことは絶対にしちゃいやだからな」

「分かってる。獅子王のことは絶対に僕が守るよ」

僕は獅子王を抱き寄せてキスした。雷なんてもう気にならないようにしてあげよう。獅子王がきゅ、と僕の服を掴んでくる。

「ん…キョウ…」

「獅子王、愛してるよ。大丈夫」

僕は獅子王を自分の膝に座らせてまたキスした。にしても。

「ねえ、獅子王?君、ちゃんと食べてるよね?」

明らかに獅子王がムッとする。ぽかぽか胸を叩かれた。

「キョウ!世の中には言っていいことと悪いことがあるんだぞ!」

「えーと…今のはどっち?」

「とぼけるな!言っちゃいけないことに決まってるだろ!」

そうだったんだ。獅子王が腕を組んでぷいっとする。雷の音してるけど平気みたいだな。

「でもメイドさんやる前より軽くなってるよね?」

「んなわけない!筋肉が付いたんだから重くなってる!!」

「え、どのあたり?」

僕は獅子王の服をスルスル脱がせた。正直に言って得意分野なんで。獅子王がキャミソール一枚になる。

「腕も付いたし、腹だって」

獅子王に言われたところを触ってみる。すべすべしてるなあ。撫でると獅子王がびくっと震えた。

「やぁ…っあ」

「どうしたの?獅子王?筋肉ついたんじゃないの
?」

「ぁ…お…前が触る…から…っ」

「僕は筋肉を触ってるだけだよ?」

「キョウの…馬鹿」

「雷、平気になった?」

「あ…」

獅子王が真っ赤になる。可愛い。めちゃくちゃに可愛い。

「獅子王、触らせて」

「ん…」

獅子王いただきます!

おわり
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