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パソコン
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「透花ー!お待たせー!」
タタタとこちらに駆け寄ってくるのは、もちろん和真だ。
透花は手を上げて答えた。
「なになに?急に電気屋行きたいなんて。
トレカでも買うの?」
「うん、だったら良かったな…」
透花は緊張していた。今、自分の持っているバッグには20万という大金が入っている。
「え?違うんだ?じゃゲーム機?」
「パソコン…」
ぼそり、と透花が呟くと和真も驚いたような表情になった。
そして真剣な顔で言う。
「そりゃでかい買い物だね」
「俺もこれから車とか家とか買うのかな?」
「あー、買うかもねぇー」
二人はそんなことを言い合いながらエレベーターに乗り込んだ。
「で、なんで急にパソコンよ?」
「透がエッチなゲーム貸してくれて…」
「お前のねーちゃん、本当インパクトあるよな。俺にもやらせて欲しい」
「いいけど、パソコンの使い方教えて?」
「え?姫華さんに聞いたら?」
「え?」
「ん?」
エレベーターの扉が開いた。
二人は慌てて店内に足を踏み出した。
「透花はさ、せっかく姫華さんが好きになったんだからぐいぐいいかないと」
「そ、そうなのかな…」
「お客様、なにをお探しでしょうか?」
✢✢✢
「買っちゃった!」
数十分もしないうちに透花は新品のパソコンを持っていた。自分で思っていたよりすんなり買えて驚いた。他に外付けのHDDなんかも袋に入っている。
「よし、とりあえずどこか喫茶店に入って、姫華さんの予定を聞こう!」
「え…本気なの?」
「行くぞ!透花!」
和真がずんずん歩いていってしまうので、透花は後ろから慌てて追い掛けた。
「はい、メール打つ!どうせ今日会うんだろ?」
それにぎくり、としてしまう透花だ。
今日の夕方、ぴゅあーずへ仕事の書類を提出しに行くことになっている。
和真に散々急かされながら、透花は姫華になんとかメールを送信した。
ピコン、とすぐにメールが返ってくる。
もちろん、姫華からだ。
『今日からパソコンの勉強をしましょう♡』
とある。画面を隣から覗き込んでいた和真にがっと勢い良く肩を掴まれた。
「よかったな!姫華さん、やっぱ優しーわ!」
「う、うん。和真、ありがとな」
「お礼はメイドさんとの合コンで頼む」
「無理なこと言うな。エッチなゲームで我慢してくれ」
「お、じゃあせっかくだし取りに行くか!」
「うん」
二人は透花のアパートに戻った。
透の貸してくれたゲームの何本かを和真に貸してやる。
「お前のねーちゃんの趣味、なかなかいかついな」
「はは。和真だってそれ選んでるんだし、同じ穴のムジナじゃん」
「かー!そうだな!」
二人は笑い合った。
「じゃ、透花。無理すんなよ!」
「ん」
二人はお互いの拳をぶつけ合った。
タタタとこちらに駆け寄ってくるのは、もちろん和真だ。
透花は手を上げて答えた。
「なになに?急に電気屋行きたいなんて。
トレカでも買うの?」
「うん、だったら良かったな…」
透花は緊張していた。今、自分の持っているバッグには20万という大金が入っている。
「え?違うんだ?じゃゲーム機?」
「パソコン…」
ぼそり、と透花が呟くと和真も驚いたような表情になった。
そして真剣な顔で言う。
「そりゃでかい買い物だね」
「俺もこれから車とか家とか買うのかな?」
「あー、買うかもねぇー」
二人はそんなことを言い合いながらエレベーターに乗り込んだ。
「で、なんで急にパソコンよ?」
「透がエッチなゲーム貸してくれて…」
「お前のねーちゃん、本当インパクトあるよな。俺にもやらせて欲しい」
「いいけど、パソコンの使い方教えて?」
「え?姫華さんに聞いたら?」
「え?」
「ん?」
エレベーターの扉が開いた。
二人は慌てて店内に足を踏み出した。
「透花はさ、せっかく姫華さんが好きになったんだからぐいぐいいかないと」
「そ、そうなのかな…」
「お客様、なにをお探しでしょうか?」
✢✢✢
「買っちゃった!」
数十分もしないうちに透花は新品のパソコンを持っていた。自分で思っていたよりすんなり買えて驚いた。他に外付けのHDDなんかも袋に入っている。
「よし、とりあえずどこか喫茶店に入って、姫華さんの予定を聞こう!」
「え…本気なの?」
「行くぞ!透花!」
和真がずんずん歩いていってしまうので、透花は後ろから慌てて追い掛けた。
「はい、メール打つ!どうせ今日会うんだろ?」
それにぎくり、としてしまう透花だ。
今日の夕方、ぴゅあーずへ仕事の書類を提出しに行くことになっている。
和真に散々急かされながら、透花は姫華になんとかメールを送信した。
ピコン、とすぐにメールが返ってくる。
もちろん、姫華からだ。
『今日からパソコンの勉強をしましょう♡』
とある。画面を隣から覗き込んでいた和真にがっと勢い良く肩を掴まれた。
「よかったな!姫華さん、やっぱ優しーわ!」
「う、うん。和真、ありがとな」
「お礼はメイドさんとの合コンで頼む」
「無理なこと言うな。エッチなゲームで我慢してくれ」
「お、じゃあせっかくだし取りに行くか!」
「うん」
二人は透花のアパートに戻った。
透の貸してくれたゲームの何本かを和真に貸してやる。
「お前のねーちゃんの趣味、なかなかいかついな」
「はは。和真だってそれ選んでるんだし、同じ穴のムジナじゃん」
「かー!そうだな!」
二人は笑い合った。
「じゃ、透花。無理すんなよ!」
「ん」
二人はお互いの拳をぶつけ合った。
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