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龍
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航と平介はルールー王城のすぐそばまでやって来ている。目の前に城がそびえているのは圧巻だった。
「わー、すごいですね!」
「あぁ。平介、重たいだろうし早く行こう」
「はい!」
2人は城内に入った。中に入ると床に赤い絨毯が敷かれている。廊下にはあらゆる美術品が展示されていた。
「まさにお城って感じですね!」
「やっぱり広いよな」
しばらく歩くと、兵士が2人立っていた。平介が彼らに近寄る。
「あのー、謁見の間は?」
「ここを真っすぐ行った所です」
「ありがとうございます!先輩、行きましょう」
2人が謁見の間に向かうと、国王が待っていた。
「たまごを持ってきてくれたのはお主らか」
平介がよいしょ、とたまごを床に置く。
「はい、どうぞお納めください」
「うむ。貴殿らには褒美を用意してある。そちらから受け取ってくれ」
平介がやったー!と跳ねた、瞬間だった。外から何かの叫び声が聞こえる。屋根に雨が打ち付ける音がした。かなり激しい。風もびゅうびゅうと吹きつけている。
「何事だ?」
「先輩、外です!行きましょう!」
「あぁ!国王陛下はここにいてください!」
航と平介は国王の返事も聞かず外へ飛び出した。
「ギュアアアア」
外に出ると雨風が激しくかなり視界が悪い。
「アーツメイジ!照らして!」
平介が光の魔導士を召喚して指示する。随分周りが見やすくなった。
「あれだ」
航が示した先には黒い鱗を持った龍がいた。咆哮を上げるだけで威圧されてしまう。
「ギュアアアア」
「なんで龍が?」
「平介、とにかく撃退するぞ!」
「はい!」
平介がモンスターを召喚し、航も先程強くなったばかりのアイスソードを抜いた。龍は変わらず咆哮を上げ続けている。2人が龍に駆け寄るとエンカウントした。
✢
戦いは辛かった。途中から平介が回復役にまわり、航がひたすら攻撃するという展開になった。
何度もピンチに陥ったが、2人はそれを凌ぎ、龍がよろめいた。そして巨大な翼をはためかせ飛んでいった。
「やった!」
「よかった」
「お主たち…」
軽やかな声に2人は振り返った。金髪の少女がそこにいた。
「もしかして姫君ですか?」
「私はルチエール。よく城を守ってくれた。あの龍とこのルールーは因縁があってな」
ふふ、とルチエールが笑う。
「因縁って?」
「過去に人間があの龍のたまごを故意に破壊してしまったのだとか」
「ひどい…でもなんでそれがこのお城に?」
「うむ。この城の従魔が龍だからだろうな。おそらくあの龍はたまごを取り返しに来たのだろう。私たちはあの龍に分かってほしい。人間のすべてが悪さをするわけではないとな」
「本当ですね」
行こう、とルチエールが笑う。
「お主たち、他の龍を見たいだろう?」
「見たいです!」
平介が食い気味に答えるのを見て、笑ってしまった航だった。
「わー、すごいですね!」
「あぁ。平介、重たいだろうし早く行こう」
「はい!」
2人は城内に入った。中に入ると床に赤い絨毯が敷かれている。廊下にはあらゆる美術品が展示されていた。
「まさにお城って感じですね!」
「やっぱり広いよな」
しばらく歩くと、兵士が2人立っていた。平介が彼らに近寄る。
「あのー、謁見の間は?」
「ここを真っすぐ行った所です」
「ありがとうございます!先輩、行きましょう」
2人が謁見の間に向かうと、国王が待っていた。
「たまごを持ってきてくれたのはお主らか」
平介がよいしょ、とたまごを床に置く。
「はい、どうぞお納めください」
「うむ。貴殿らには褒美を用意してある。そちらから受け取ってくれ」
平介がやったー!と跳ねた、瞬間だった。外から何かの叫び声が聞こえる。屋根に雨が打ち付ける音がした。かなり激しい。風もびゅうびゅうと吹きつけている。
「何事だ?」
「先輩、外です!行きましょう!」
「あぁ!国王陛下はここにいてください!」
航と平介は国王の返事も聞かず外へ飛び出した。
「ギュアアアア」
外に出ると雨風が激しくかなり視界が悪い。
「アーツメイジ!照らして!」
平介が光の魔導士を召喚して指示する。随分周りが見やすくなった。
「あれだ」
航が示した先には黒い鱗を持った龍がいた。咆哮を上げるだけで威圧されてしまう。
「ギュアアアア」
「なんで龍が?」
「平介、とにかく撃退するぞ!」
「はい!」
平介がモンスターを召喚し、航も先程強くなったばかりのアイスソードを抜いた。龍は変わらず咆哮を上げ続けている。2人が龍に駆け寄るとエンカウントした。
✢
戦いは辛かった。途中から平介が回復役にまわり、航がひたすら攻撃するという展開になった。
何度もピンチに陥ったが、2人はそれを凌ぎ、龍がよろめいた。そして巨大な翼をはためかせ飛んでいった。
「やった!」
「よかった」
「お主たち…」
軽やかな声に2人は振り返った。金髪の少女がそこにいた。
「もしかして姫君ですか?」
「私はルチエール。よく城を守ってくれた。あの龍とこのルールーは因縁があってな」
ふふ、とルチエールが笑う。
「因縁って?」
「過去に人間があの龍のたまごを故意に破壊してしまったのだとか」
「ひどい…でもなんでそれがこのお城に?」
「うむ。この城の従魔が龍だからだろうな。おそらくあの龍はたまごを取り返しに来たのだろう。私たちはあの龍に分かってほしい。人間のすべてが悪さをするわけではないとな」
「本当ですね」
行こう、とルチエールが笑う。
「お主たち、他の龍を見たいだろう?」
「見たいです!」
平介が食い気味に答えるのを見て、笑ってしまった航だった。
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