51 / 100
風評被害
しおりを挟む
航と平介が主となって、偽魔導具の話を街の人間から聞き出した。どうやら話を聞く限りだと、偽魔導具はある時から頻出するようになったらしい。しかもその魔導具は有名メーカーにそっくりな形状で売られるのだそうだ。
「悪質だなぁ」
「所謂コピー品ですもんね」
「そっくりってことは使ってみるまで分からないってこと?」
エマの言葉に、平介は唸った。
「それじゃ遅いんだよなぁ。何か方法が…」
「おーい!」
ホームズが走ってくる。手には魔導具を持っていた。
✢
「これが偽物の魔導具…」
ホームズが持ってきたのは水を瞬間的に沸かすという代物だった。だが偽物にはその機能が備わっていないらしい。
「やってみるか」
購入した水を魔導具に入れてみる。だが、何も起きなかった。箱に書かれている説明であればすぐにお湯になっているという。
「エマちゃん、君の魔導具で本物の商品の画像を出すことは出来る?」
「任せといて!マジカルパレットに出来ないことはないのだ!」
えっへん、とエマが胸を仰け反らせる。そしてマジカルパレットを取り出した。
「えーっと、瞬間お湯沸かし魔導具と」
『あれ、完全にスマホですよね?』
こそっと平介が話しかけて来たので、航も苦笑してしまった。小声で応じる。
『まぁ便利だからいいじゃないか』
『そうですけど』
「2人とも!何コソコソ話してんの!!ほら、ちゃんと見つけたんだからね!」
エマがマジカルパレットを差し出してきたので、航と平介は画像を見た。今ここにある偽物の箱と見比べる。
「あ…」
平介が声を上げた。何かを見つけたらしい。
「メーカーの住所が違ってますよ」
「本当だ」
「こんなとこ、買う前に確認しないじゃない!」
エマの言うとおりである。
「とりあえずこの住所の場所に行ってみましょうか。ここからあまり離れてないみたいですし」
「犯罪者の巣窟だよね!油断しないよ!」
エマは張り切っているようだ。
「エマちゃん、まずは相手の話を聞きましょう。行動に移すのはそれからでも遅くありません」
「クランニちゃん、しっかりしてるなぁ」
エマがほええと感心している。
「エマは力ずく過ぎるんだよ」
「そうなのかなー、そうなのかも。クランニちやんはもはや師匠だよね」
平介がそれに咳き込む。びっくりしたらしい。
「師匠って…」
「だってクランニちゃん、なんでも出来るし」
「確かにな」
航まで同意するとは思っていなかったらしい。平介は赤くなっている。
「とにかく行きましょう。悪意があってやっているようなら警察に突き出します」
「お!それはいいね!悪しきは罰さないと!」
エマはノリノリだ。
一行は会社に向かった。
「悪質だなぁ」
「所謂コピー品ですもんね」
「そっくりってことは使ってみるまで分からないってこと?」
エマの言葉に、平介は唸った。
「それじゃ遅いんだよなぁ。何か方法が…」
「おーい!」
ホームズが走ってくる。手には魔導具を持っていた。
✢
「これが偽物の魔導具…」
ホームズが持ってきたのは水を瞬間的に沸かすという代物だった。だが偽物にはその機能が備わっていないらしい。
「やってみるか」
購入した水を魔導具に入れてみる。だが、何も起きなかった。箱に書かれている説明であればすぐにお湯になっているという。
「エマちゃん、君の魔導具で本物の商品の画像を出すことは出来る?」
「任せといて!マジカルパレットに出来ないことはないのだ!」
えっへん、とエマが胸を仰け反らせる。そしてマジカルパレットを取り出した。
「えーっと、瞬間お湯沸かし魔導具と」
『あれ、完全にスマホですよね?』
こそっと平介が話しかけて来たので、航も苦笑してしまった。小声で応じる。
『まぁ便利だからいいじゃないか』
『そうですけど』
「2人とも!何コソコソ話してんの!!ほら、ちゃんと見つけたんだからね!」
エマがマジカルパレットを差し出してきたので、航と平介は画像を見た。今ここにある偽物の箱と見比べる。
「あ…」
平介が声を上げた。何かを見つけたらしい。
「メーカーの住所が違ってますよ」
「本当だ」
「こんなとこ、買う前に確認しないじゃない!」
エマの言うとおりである。
「とりあえずこの住所の場所に行ってみましょうか。ここからあまり離れてないみたいですし」
「犯罪者の巣窟だよね!油断しないよ!」
エマは張り切っているようだ。
「エマちゃん、まずは相手の話を聞きましょう。行動に移すのはそれからでも遅くありません」
「クランニちゃん、しっかりしてるなぁ」
エマがほええと感心している。
「エマは力ずく過ぎるんだよ」
「そうなのかなー、そうなのかも。クランニちやんはもはや師匠だよね」
平介がそれに咳き込む。びっくりしたらしい。
「師匠って…」
「だってクランニちゃん、なんでも出来るし」
「確かにな」
航まで同意するとは思っていなかったらしい。平介は赤くなっている。
「とにかく行きましょう。悪意があってやっているようなら警察に突き出します」
「お!それはいいね!悪しきは罰さないと!」
エマはノリノリだ。
一行は会社に向かった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる