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進化
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「クランニ、グランフレアの技を把握しているだろうか」
イサヤにこう問われて、クランニ(平介)は頷いた。
「はい。ひっかき、突進、火球、回避ですよね?」
「あぁその通りだ。だがグランフレアはかなり好戦的な性格らしい。つまり、自分から回避をするというのは難しいかもしれない」
「え…?」
今まで平介はグランフレアの素早さを中心に上げてきていた。だがそのスタイルはグランフレアが望むものではなかったらしい。
「じゃあどうすれば…?」
「あぁ、当然素早さを持続させるにはスタミナが必要だ。スタミナがつけば自然と力も強くなる。それと、回避ではなくもっと強力な攻撃をすることだ」
「なるほど」
「グランフレアをアタッカーにしたいんだろ?」
「はい」
「ならとにかくスタミナを上げろ」
「分かりました」
「よし、理屈が分かったなら実践だ。俺の龍と戦ってみせろ」
そう言ってイサヤが召喚した龍はグランフレアの何倍もの大きさの龍だった。
「っ…!」
その圧倒的な迫力に平介は気圧されてしまう。だが、ここで負けるわけにはいかない、と踏ん張った。
「ライヤ、手加減無しだ」
「キュルル」
ライヤと呼ばれた龍が鋭い爪でグランフレアに襲いかかってくる。
「グランフレア!避けて!!」
「ぎゅあ!」
グランフレアがすんでの所で避けようとするが、ライヤの爪はグランフレアを確実に捉えていた。
「ほら、そこで回避をするなって言ったろ!」
平介はそうか、と思った。
「グランフレア!火球で迎撃!」
「ぎゅ!あぁ!!」
グランフレアが思い切り火球を放つ。ライヤとグランフレアの間にどぉんと大きな爆発が起きた。
「グランフレア!!」
「ぎゅ!」
平介は心配になったが、グランフレアは元気なようだった。だが、それはライヤでもある。
「キュルル」
ライヤが飛び立ち、力いっぱい炎を吐いてきた。グランフレアもそれを火球で迎え撃つ。
(ライヤさんは強い。でも負けたくない)
素早さを上げてきたのは間違いだったのか、と平介はずっと考えていた。
(いや、素早さがあることは無駄じゃない!)
「グランフレア!火球!!」
「ぎゅ!」
「ようやく分かってきたか」
イサヤが満足そうに笑う。ライヤが火球を真正面から食らう。後ろによろめいた。
「グランフレア!もう一度!!」
「ぎゅあ!」
素早さを回避に使うのではなく、攻撃準備に使う。平介はようやく分かってきていた。そうすれば相手より早く動けば動く程有利だ。
「キュルル…」
ライヤはその場に蹲った。
「そこまで!ライヤ、ありがとうな」
「ライヤさん、ありがとうございました!」
「ぎゅう!」
グランフレアの体が光り出す。
「グランフレア?」
「ふふっ、進化か」
「ギュルル」
グランフレアの姿が一気に変わる。大きさは倍以上になり、可愛らしかった顔が凛々しくなっていた。
「グランフレア!かっこいいよ!」
「ギュル」
「今のグランフレアならこの辺りのモンスターも怖がるだろうな」
「特訓ありがとうございました!!」
クランニ(平介)は頭を下げた。
イサヤにこう問われて、クランニ(平介)は頷いた。
「はい。ひっかき、突進、火球、回避ですよね?」
「あぁその通りだ。だがグランフレアはかなり好戦的な性格らしい。つまり、自分から回避をするというのは難しいかもしれない」
「え…?」
今まで平介はグランフレアの素早さを中心に上げてきていた。だがそのスタイルはグランフレアが望むものではなかったらしい。
「じゃあどうすれば…?」
「あぁ、当然素早さを持続させるにはスタミナが必要だ。スタミナがつけば自然と力も強くなる。それと、回避ではなくもっと強力な攻撃をすることだ」
「なるほど」
「グランフレアをアタッカーにしたいんだろ?」
「はい」
「ならとにかくスタミナを上げろ」
「分かりました」
「よし、理屈が分かったなら実践だ。俺の龍と戦ってみせろ」
そう言ってイサヤが召喚した龍はグランフレアの何倍もの大きさの龍だった。
「っ…!」
その圧倒的な迫力に平介は気圧されてしまう。だが、ここで負けるわけにはいかない、と踏ん張った。
「ライヤ、手加減無しだ」
「キュルル」
ライヤと呼ばれた龍が鋭い爪でグランフレアに襲いかかってくる。
「グランフレア!避けて!!」
「ぎゅあ!」
グランフレアがすんでの所で避けようとするが、ライヤの爪はグランフレアを確実に捉えていた。
「ほら、そこで回避をするなって言ったろ!」
平介はそうか、と思った。
「グランフレア!火球で迎撃!」
「ぎゅ!あぁ!!」
グランフレアが思い切り火球を放つ。ライヤとグランフレアの間にどぉんと大きな爆発が起きた。
「グランフレア!!」
「ぎゅ!」
平介は心配になったが、グランフレアは元気なようだった。だが、それはライヤでもある。
「キュルル」
ライヤが飛び立ち、力いっぱい炎を吐いてきた。グランフレアもそれを火球で迎え撃つ。
(ライヤさんは強い。でも負けたくない)
素早さを上げてきたのは間違いだったのか、と平介はずっと考えていた。
(いや、素早さがあることは無駄じゃない!)
「グランフレア!火球!!」
「ぎゅ!」
「ようやく分かってきたか」
イサヤが満足そうに笑う。ライヤが火球を真正面から食らう。後ろによろめいた。
「グランフレア!もう一度!!」
「ぎゅあ!」
素早さを回避に使うのではなく、攻撃準備に使う。平介はようやく分かってきていた。そうすれば相手より早く動けば動く程有利だ。
「キュルル…」
ライヤはその場に蹲った。
「そこまで!ライヤ、ありがとうな」
「ライヤさん、ありがとうございました!」
「ぎゅう!」
グランフレアの体が光り出す。
「グランフレア?」
「ふふっ、進化か」
「ギュルル」
グランフレアの姿が一気に変わる。大きさは倍以上になり、可愛らしかった顔が凛々しくなっていた。
「グランフレア!かっこいいよ!」
「ギュル」
「今のグランフレアならこの辺りのモンスターも怖がるだろうな」
「特訓ありがとうございました!!」
クランニ(平介)は頭を下げた。
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