レベル0の俺がレベル100のあいつに勝つ方法

はやしかわともえ

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合流

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航たち一行は駆け足で移動している。ダンジョンの出口がそろそろ見えないかと淡い期待もあった。しばらく移動していると倒れている人たちの姿があった。皆、背から白い翼が生えている。エマもそれに気が付いたらしい。人々に声を掛けながら、顔を覗き込んでいた。取り込まれた兄を探しているのだろう。

「兄さん?!」

「エマ?エマなのか?」

「良かった、兄さん!無事だったんだね!」

「スサって人に助けてもらったんだ」

「そうだったんだ」

航と平介はお互いを見て頷き合った。

「エマちゃん、ホームズくん、君たちにはここの人たちの救護にあたってもらえますか?」

「え!でも…」

「ここから先はもっと危険になります。1人でも多くの人を助けるために、ここにいて欲しいんです」

「分かったよ、クランニちゃん。あたしたち、絶対皆を助けるんだからね!」

「僕に任せて!」

クランニ(平介)がホッとしたように笑う。

「先輩、ホムラさん、行きましょう」

「おう!」

3人は走った。そこで意外な人に出会った。スサである。もう1人、天使族の人がいた。

「スサ?!何やってるんだ?」

スサも航を見て驚いたようだ。

「まさか本当に合流出来るとは…」

「だから言っただろ?僕はエルイ。天使族の騎士さ」

「もしかしてお2人が皆さんの救出を?」

「あぁ。僕たちも出来ることはしたいからね。今はヤツの神経を切っているのさ」

「確かにそれなら隙が生まれるかも…」

うーん、とクランニ(平介)が唸る。

「ワタル!どうかビシャールを倒してくれ!俺はこのままなんて絶対に嫌だからな!」

「あぁ。分かっているよ。絶対に倒してみせる」

「ビシャールを倒したとして、因果を持ち込んだ人はどうなってしまうんですか?」

クランニ(平介)が首を傾げると、エルイが頷く。

「因果を少しずつ解いていくしかない。複雑に絡み合っているんだろうけどね」

「エルイ!神経が見えた!ついでだ。ワタルたちもここから出ろ!俺はここを動けないが、神経を切って邪魔をするからな!」

「ありがとう、スサ!平介、ホムラ、行くぞ!」

スサが開けた切り口から航たちは外に出た。

「これは…」

天上界の有り様に3人は驚いていた。建物すら残っていない。

「キキー!侵入者発見!!倒す!」

3人の周りにモンスターが集まってくる。これではビシャールを倒しているどころではない。
航はありったけの銭を投げて撹乱した。

「行くぞ!!」

しばらく走ると、城が見えてくる。

「どうもあそこから気配を感じるぜ」

「行ってみよう」

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