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ブランド起業
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僕はホクホクしている。この間買ってもらった材料で何着か服を作ってみたのだ。これを知ったこの間の行商のおじさんが、取り扱いたいと言ってくれた。その結果、結構評判がよかったらしい。
また新しく作ったら知らせて欲しいと言われたのだ。そろそろブランド名を考えてもいい頃合いだな。
「うーん、どうしようかなぁ」
僕は画用紙を前に悩んでいる。看板のロゴを考えているのだ。お店が持てたらずっと掲げるんだから素敵な物にしたい。
「うーん」
ふと窓を見ると誰かと目が合った。わぁ、すごい美少女!彼女?は木に両足だけで逆さにぶら下がっている。鍛えていないと出来ない業だ。
僕が窓に駆け寄ると、彼女はいなくなっていた。誰だったんだろう?謎だ。
窓から出来る限り辺りを見渡したけれど、人がいた形跡は残っていなかった。
とりあえずロゴを考えなくちゃね。そうだなぁ。
✢
「出来た!」
もう夜になっている。夕飯の時間だと呼ばれて、僕は食堂に向かった。食堂に先程完成したばかりのロゴのイラストを持ち込んだ。皆の意見が聞きたい。食堂に入るといい香りが漂っている。
僕は自分の席に着いた。そして言う。
「あのね、ブランドのロゴを考えてみたの」
「すごいじゃないか、マオレイ。父さんたちにみせてくれるのかい?」
僕は頷いて画用紙を皆に見せた。
「ブランド名はローズキャットって言うの」
「可愛い名前だね。服だけじゃなくて、色々な商品を展開していくのも楽しいと思うよ」
「僕、香水を作ろうと思っているの。それが上手く行ったらアクセサリーとか」
「客層は女の子だけなのかな?」
「うん、今のところはね」
父様、なかなか指摘が厳しい。でもお金を出してもらうんだから当たり前だ。僕はしばらく服作りを頑張ると宣言したのだった。
✢
「ドレスって色々工夫出来るんだよなぁ。妃殿下が着てくれたら注目してもらえるんだろうな」
「いいぜ?」
僕は隣を見た。この間の美少女がいつの間にか僕の部屋にいる。叫びそうになったら、手で口を抑えられた。
「しー!頼むよ、匿って欲しいんだ」
「あなた誰?」
美少女がニカッと笑う。
「俺はレイチェル。所謂妃殿下だ」
「レイチェル、勝手にお城を抜け出してきたの?」
僕が呆れて言うと、レイチェルは言葉に詰まったようだった。
「仕方ないだろ、クソ国王が昼間から盛ってきやがるから」
わぁ、生々しい。僕は咳払いをした。
「セクハラになるよ」
「わりぃ。で、そのドレスを着ればいいのか?」
「うん、ローズキャットオリジナルのドレスなの。レイチェルならきっと可愛く着こなせるよ」
「あー、まあ、そうだな」
なんだか歯切れが悪いな。
「お前の名前は?」
「僕はマオレイだよ。ローズキャットの責任者なの」
「へえ、小さいのにすげえな。いくつだ?」
「5歳だよ。レイチェルは?」
「俺は11だ。ならこのドレスは買い取ればいいのか?」
僕は首を振った。
「妃殿下に宣伝してもらえるなら十分だよ。まだ立ち上げたばかりだから会社が安定しないの」
「へえ、なあマオ」
「なあに?」
「もう少ししたら奉公にも出るんだろ?そしたら俺のとこに来て欲しいんだ」
「構わないけどなんで?」
「まだ言えない」
「ふーん、分かった。じゃあレイチェル、宣伝よろしくね」
「あぁ!」
レイチェルが当たり前のように窓から出て行ってしまう。すごい元気だな。
僕はレイチェルに似合うドレスのデザインを何点か考えてみた。
また新しく作ったら知らせて欲しいと言われたのだ。そろそろブランド名を考えてもいい頃合いだな。
「うーん、どうしようかなぁ」
僕は画用紙を前に悩んでいる。看板のロゴを考えているのだ。お店が持てたらずっと掲げるんだから素敵な物にしたい。
「うーん」
ふと窓を見ると誰かと目が合った。わぁ、すごい美少女!彼女?は木に両足だけで逆さにぶら下がっている。鍛えていないと出来ない業だ。
僕が窓に駆け寄ると、彼女はいなくなっていた。誰だったんだろう?謎だ。
窓から出来る限り辺りを見渡したけれど、人がいた形跡は残っていなかった。
とりあえずロゴを考えなくちゃね。そうだなぁ。
✢
「出来た!」
もう夜になっている。夕飯の時間だと呼ばれて、僕は食堂に向かった。食堂に先程完成したばかりのロゴのイラストを持ち込んだ。皆の意見が聞きたい。食堂に入るといい香りが漂っている。
僕は自分の席に着いた。そして言う。
「あのね、ブランドのロゴを考えてみたの」
「すごいじゃないか、マオレイ。父さんたちにみせてくれるのかい?」
僕は頷いて画用紙を皆に見せた。
「ブランド名はローズキャットって言うの」
「可愛い名前だね。服だけじゃなくて、色々な商品を展開していくのも楽しいと思うよ」
「僕、香水を作ろうと思っているの。それが上手く行ったらアクセサリーとか」
「客層は女の子だけなのかな?」
「うん、今のところはね」
父様、なかなか指摘が厳しい。でもお金を出してもらうんだから当たり前だ。僕はしばらく服作りを頑張ると宣言したのだった。
✢
「ドレスって色々工夫出来るんだよなぁ。妃殿下が着てくれたら注目してもらえるんだろうな」
「いいぜ?」
僕は隣を見た。この間の美少女がいつの間にか僕の部屋にいる。叫びそうになったら、手で口を抑えられた。
「しー!頼むよ、匿って欲しいんだ」
「あなた誰?」
美少女がニカッと笑う。
「俺はレイチェル。所謂妃殿下だ」
「レイチェル、勝手にお城を抜け出してきたの?」
僕が呆れて言うと、レイチェルは言葉に詰まったようだった。
「仕方ないだろ、クソ国王が昼間から盛ってきやがるから」
わぁ、生々しい。僕は咳払いをした。
「セクハラになるよ」
「わりぃ。で、そのドレスを着ればいいのか?」
「うん、ローズキャットオリジナルのドレスなの。レイチェルならきっと可愛く着こなせるよ」
「あー、まあ、そうだな」
なんだか歯切れが悪いな。
「お前の名前は?」
「僕はマオレイだよ。ローズキャットの責任者なの」
「へえ、小さいのにすげえな。いくつだ?」
「5歳だよ。レイチェルは?」
「俺は11だ。ならこのドレスは買い取ればいいのか?」
僕は首を振った。
「妃殿下に宣伝してもらえるなら十分だよ。まだ立ち上げたばかりだから会社が安定しないの」
「へえ、なあマオ」
「なあに?」
「もう少ししたら奉公にも出るんだろ?そしたら俺のとこに来て欲しいんだ」
「構わないけどなんで?」
「まだ言えない」
「ふーん、分かった。じゃあレイチェル、宣伝よろしくね」
「あぁ!」
レイチェルが当たり前のように窓から出て行ってしまう。すごい元気だな。
僕はレイチェルに似合うドレスのデザインを何点か考えてみた。
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