せっかく転生したので思いきってブランド起業してみました!

はやしかわともえ

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ブランド起業

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僕はホクホクしている。この間買ってもらった材料で何着か服を作ってみたのだ。これを知ったこの間の行商のおじさんが、取り扱いたいと言ってくれた。その結果、結構評判がよかったらしい。
また新しく作ったら知らせて欲しいと言われたのだ。そろそろブランド名を考えてもいい頃合いだな。

「うーん、どうしようかなぁ」

僕は画用紙を前に悩んでいる。看板のロゴを考えているのだ。お店が持てたらずっと掲げるんだから素敵な物にしたい。

「うーん」

ふと窓を見ると誰かと目が合った。わぁ、すごい美少女!彼女?は木に両足だけで逆さにぶら下がっている。鍛えていないと出来ない業だ。
僕が窓に駆け寄ると、彼女はいなくなっていた。誰だったんだろう?謎だ。
窓から出来る限り辺りを見渡したけれど、人がいた形跡は残っていなかった。

とりあえずロゴを考えなくちゃね。そうだなぁ。



「出来た!」

もう夜になっている。夕飯の時間だと呼ばれて、僕は食堂に向かった。食堂に先程完成したばかりのロゴのイラストを持ち込んだ。皆の意見が聞きたい。食堂に入るといい香りが漂っている。
僕は自分の席に着いた。そして言う。

「あのね、ブランドのロゴを考えてみたの」

「すごいじゃないか、マオレイ。父さんたちにみせてくれるのかい?」

僕は頷いて画用紙を皆に見せた。

「ブランド名はローズキャットって言うの」

「可愛い名前だね。服だけじゃなくて、色々な商品を展開していくのも楽しいと思うよ」

「僕、香水を作ろうと思っているの。それが上手く行ったらアクセサリーとか」

「客層は女の子だけなのかな?」

「うん、今のところはね」

父様、なかなか指摘が厳しい。でもお金を出してもらうんだから当たり前だ。僕はしばらく服作りを頑張ると宣言したのだった。



「ドレスって色々工夫出来るんだよなぁ。妃殿下が着てくれたら注目してもらえるんだろうな」

「いいぜ?」

僕は隣を見た。この間の美少女がいつの間にか僕の部屋にいる。叫びそうになったら、手で口を抑えられた。

「しー!頼むよ、匿って欲しいんだ」

「あなた誰?」

美少女がニカッと笑う。

「俺はレイチェル。所謂妃殿下だ」

「レイチェル、勝手にお城を抜け出してきたの?」

僕が呆れて言うと、レイチェルは言葉に詰まったようだった。

「仕方ないだろ、クソ国王が昼間から盛ってきやがるから」

わぁ、生々しい。僕は咳払いをした。

「セクハラになるよ」

「わりぃ。で、そのドレスを着ればいいのか?」

「うん、ローズキャットオリジナルのドレスなの。レイチェルならきっと可愛く着こなせるよ」

「あー、まあ、そうだな」

なんだか歯切れが悪いな。

「お前の名前は?」

「僕はマオレイだよ。ローズキャットの責任者なの」

「へえ、小さいのにすげえな。いくつだ?」

「5歳だよ。レイチェルは?」

「俺は11だ。ならこのドレスは買い取ればいいのか?」

僕は首を振った。

「妃殿下に宣伝してもらえるなら十分だよ。まだ立ち上げたばかりだから会社が安定しないの」

「へえ、なあマオ」

「なあに?」

「もう少ししたら奉公にも出るんだろ?そしたら俺のとこに来て欲しいんだ」

「構わないけどなんで?」

「まだ言えない」

「ふーん、分かった。じゃあレイチェル、宣伝よろしくね」

「あぁ!」

レイチェルが当たり前のように窓から出て行ってしまう。すごい元気だな。
僕はレイチェルに似合うドレスのデザインを何点か考えてみた。

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