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「なぁマオ、お願いがあるんだ」
レイチェルに言われて、僕は作業の手を止めた。どうしたんだろう?
「なあに?レイチェル?」
「もう一着、ふくふくにゃんこの制服を作ってくれないか?」
「それは構わないけど、どうするの?」
「俺、ふくふくにゃんこでバイトがしたいんだ。もちろんマオの助手もさせてもらう!」
「レイチェル、猫カフェが気に入ったんだね」
「俺、今までバイトしたことなくてさ」
意外だなぁ。レイチェルのことだからあちこちから声をかけられそうなのに。
「ほら、俺って可愛いだろ?色々してもらうのが当たり前だったから」
なるほど。そりゃあわがままにもなりますよね。
「でもマオを見ていて、それじゃいけないんだって思ったんだ」
僕という存在が人を変えるきっかけになるんだ、と僕は驚いた。
「分かった。レイチェルのために制服を作る。茜さんは優しいけど厳しいと思うよ。大丈夫?」
「ああ!頑張るぜ!」
レイチェルは根性があるから大丈夫だろう。僕は新作の香水作りに戻った。新しい香水は香りが華やかなランを原料にしている。ローズキャットの店舗を持つまで、イベントに出店して、手売りで頑張らなくてはいけない。そんな時、メールが来た。
「あれ?イブ社長だ」
僕は何気なくメールを開封してみた。
【ルナリアに商品を委託しませんか?】と書かれている。それってつまり…。
「社長、なんだって?」
レイチェルも気になったのか画面を覗き込んできた。
「ローズキャットの商品をルナリアで売ってくれるって」
興奮して、思わず声が上擦ってしまった。
「良かったじゃないか。マオ」
「うん、すごくありがたいよ。どれくらい売れるかな。楽しみ」
僕は端末から返信した。ただし、魔法とはいえ商品は一つずつ手作りだ。受注製作という形をとる必要がある。そのことを伝えたら、快く了承してもらえた。イブ社長、話分かるな!
✢
「よし、出来た」
夕方頃、やっと香水を25個創り上げた。香水の容器も僕がデザインしたローズキャット特製のものだ。もちろん、魔法で砂からガラスを精製したのだ。今は砂も値が張るから大変だけど、レリー兄様が伝を教えてくれてなんとかなっている。持つべきは有能な兄である。
「可愛い!」
「ふふ、次のイベントに持って行くの。レイチェルには実際に香水を付けて宣伝してもらうからね?」
「分かったよ」
レイチェル、嬉しそう。今日も1日あっという間だったなぁ。明日はいよいよふくふくにゃんこの内装を変える日だ。ついでに通販のことも詳しく話をしておこう。僕は忘れないように手帳にメモをして、明日の準備に取り掛かった。
レイチェルに言われて、僕は作業の手を止めた。どうしたんだろう?
「なあに?レイチェル?」
「もう一着、ふくふくにゃんこの制服を作ってくれないか?」
「それは構わないけど、どうするの?」
「俺、ふくふくにゃんこでバイトがしたいんだ。もちろんマオの助手もさせてもらう!」
「レイチェル、猫カフェが気に入ったんだね」
「俺、今までバイトしたことなくてさ」
意外だなぁ。レイチェルのことだからあちこちから声をかけられそうなのに。
「ほら、俺って可愛いだろ?色々してもらうのが当たり前だったから」
なるほど。そりゃあわがままにもなりますよね。
「でもマオを見ていて、それじゃいけないんだって思ったんだ」
僕という存在が人を変えるきっかけになるんだ、と僕は驚いた。
「分かった。レイチェルのために制服を作る。茜さんは優しいけど厳しいと思うよ。大丈夫?」
「ああ!頑張るぜ!」
レイチェルは根性があるから大丈夫だろう。僕は新作の香水作りに戻った。新しい香水は香りが華やかなランを原料にしている。ローズキャットの店舗を持つまで、イベントに出店して、手売りで頑張らなくてはいけない。そんな時、メールが来た。
「あれ?イブ社長だ」
僕は何気なくメールを開封してみた。
【ルナリアに商品を委託しませんか?】と書かれている。それってつまり…。
「社長、なんだって?」
レイチェルも気になったのか画面を覗き込んできた。
「ローズキャットの商品をルナリアで売ってくれるって」
興奮して、思わず声が上擦ってしまった。
「良かったじゃないか。マオ」
「うん、すごくありがたいよ。どれくらい売れるかな。楽しみ」
僕は端末から返信した。ただし、魔法とはいえ商品は一つずつ手作りだ。受注製作という形をとる必要がある。そのことを伝えたら、快く了承してもらえた。イブ社長、話分かるな!
✢
「よし、出来た」
夕方頃、やっと香水を25個創り上げた。香水の容器も僕がデザインしたローズキャット特製のものだ。もちろん、魔法で砂からガラスを精製したのだ。今は砂も値が張るから大変だけど、レリー兄様が伝を教えてくれてなんとかなっている。持つべきは有能な兄である。
「可愛い!」
「ふふ、次のイベントに持って行くの。レイチェルには実際に香水を付けて宣伝してもらうからね?」
「分かったよ」
レイチェル、嬉しそう。今日も1日あっという間だったなぁ。明日はいよいよふくふくにゃんこの内装を変える日だ。ついでに通販のことも詳しく話をしておこう。僕は忘れないように手帳にメモをして、明日の準備に取り掛かった。
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