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彼女と言う人。
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クラスメイトの彼女、山内美音のイメージは、華奢で、繊細、多くの女子に囲まれているときのきらびやかな笑顔に、整った目鼻立ち。町を歩けば、誰もが振り返り、彼女に見とれる。他のクラスメイトや、一般からすれば、そんなイメージだろう。
しかし、同じ高校2年生である僕にとっての彼女のイメージで、1番強い印象があるのは、やはり、その声だろう。常にノートを携帯する彼女の事情は、端から見れば、ただの絵を描くのが好きなように見えると言う概念を、大きく越える。
彼女は声が出せない。精神的になのか、生まれつきなのか、将又病なのかは定かではないが、僕は、その声を聞いてみたいと思っている。ただの興味だが。
考えれば考える程、なぜそんなことに興味を持つのか、自分に問いたくなる。
が、しかし、そんなことの答え等出るはずもなく、断念して、僕は、妄想をはためかせた夕暮れのオレンジ色のイスからようやく腰を上げたのだった。
さて、僕にとって最大の事件はこの直後におこる。
僕がいたのは、3階。そして、その階段を当たり前のように下る。すると、前から何かが勢いよくぶつかってくる。当然、階段を降りていた僕と誰かは確実に下に落ちることになる。そこそこ運動神経のいい僕は、とっさに誰かと僕の位置を交換した。そして、落下。
ドサッ、という音と共に、下敷きになっている重みと、体が床に打ち付けられた痛みが走る。
「いてて...。大丈夫?君。」
顔を上げた僕はどんな顔をしていただろうか。少なくとも、その時点の僕には、僕の上に乗っていた少女が、赤面し、大事そうにノートを抱えていたのがわかったのだった。
しかし、同じ高校2年生である僕にとっての彼女のイメージで、1番強い印象があるのは、やはり、その声だろう。常にノートを携帯する彼女の事情は、端から見れば、ただの絵を描くのが好きなように見えると言う概念を、大きく越える。
彼女は声が出せない。精神的になのか、生まれつきなのか、将又病なのかは定かではないが、僕は、その声を聞いてみたいと思っている。ただの興味だが。
考えれば考える程、なぜそんなことに興味を持つのか、自分に問いたくなる。
が、しかし、そんなことの答え等出るはずもなく、断念して、僕は、妄想をはためかせた夕暮れのオレンジ色のイスからようやく腰を上げたのだった。
さて、僕にとって最大の事件はこの直後におこる。
僕がいたのは、3階。そして、その階段を当たり前のように下る。すると、前から何かが勢いよくぶつかってくる。当然、階段を降りていた僕と誰かは確実に下に落ちることになる。そこそこ運動神経のいい僕は、とっさに誰かと僕の位置を交換した。そして、落下。
ドサッ、という音と共に、下敷きになっている重みと、体が床に打ち付けられた痛みが走る。
「いてて...。大丈夫?君。」
顔を上げた僕はどんな顔をしていただろうか。少なくとも、その時点の僕には、僕の上に乗っていた少女が、赤面し、大事そうにノートを抱えていたのがわかったのだった。
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