大丈夫だよ おばあちゃん

大田太陽

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大丈夫だよ おばあちゃん

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私はとっても恥ずかしかったけど、
おばあちゃんに話したい気持ちが勝って、
山川君の話をした。

「おばあちゃん、私ねえ、山川君の事が
好きになったの」
「ふっふっふ、どれくらい」
「すんごく好きなの」
「そう、いいわね」
おばあちゃんは、お日様のように柔らかく、
とても幸せそうに笑っている。
「山川君の事を考えるとね、
すんごくドキドキするし、恥ずかしいの、
どうしてかなあ」
「大好きだからよ」
「大好きだからなの」
「そうよ」
「なんで大好きだと、すんごくドキドキしたり、
恥ずかしくなるの」
「人間は好きな程、ドキドキしたり、
恥ずかしくなるようになってるのよ、きっと」
「なんで」
「人間を作った神様にしか分からないかもしれないけど、きっと神様は人を好きになる事に、
喜びや楽しさと同時に、
苦しみも与える事にしたのよ
雪ちゃんはきっと、なんで山川君の事がこんなに
好きなんだろうって思って、なぜだか恥ずかしく
なってしまうのよね」
「うんそう」
「きっと神様が作った雪ちゃんの体が、
それを考えさせるように、恥ずかしくしてるのよ、
雪ちゃんはなんで山川君の事がそんなに好きなの」
私はまた一段と赤くなって、トマトみたいになった
「守ってくれるから」
「人をどういうふうに思っているか知る事は
とても大切よ、それによって、自分がその人に
どうするか、決めるんだから、
好きになるってねえ、なんでって思うだろうけど、
それですごく大変な思いをする事もあるのよ、
だからきっと、神様が作った人の体は、
これ程つらい思いをしても、その人が好きで、
一緒に居たいのかって聞くのよ、
ドキドキさせて」

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