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日常の朝
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1#6年 1月
「カイ!起きてるー?」
ドアから勢いよくプリン頭がよく目立つ少年が入ってくる。その光景をその家の家主であるカイはため息をつき、少し鬱陶しそうに睨んだ。
「起きてるに決まってるだろ?レン。今何時だと思ってんだ」
そのプリン頭の少年。レンは少し考える素振りを見せた。
「ん?今?……朝の9時?」
「11時だよ馬鹿野郎」
考える素振りを見せた割には見当違いすぎる回答をしたレンに対し、呆れたカイはレンの頭を軽く小突く。
「いっ!?いってぇ……なにも殴ることないだろ!!」
「朝は早起きしろっていつも言ってるだろ?」
「そんなに早く起きれないよ~だ」
ヘラヘラと笑いながら逃げるレンと、呆れた顔で話をするカイ。
2人は小さい頃からの幼馴染みで、毎日のように一緒にいる。
2人にとって一緒にいることは当たり前で、家族のいない2人にとっては兄弟のようだった。
会って数分も経っていないが、既に5回ほどのため息をつき、6回目になるため息を深く吐いたカイが思い出したようにレンに話しかける。
「そういえばコウは?」
「まだ来てないけど?」
はぁ…とまたまた重いため息をつきながらカイは眉間の皺を深くした。
「……あいつは……まぁいいや。レン、呼びに行くか」
「もちろん」
レンは変わらない笑顔で返事をした。その微塵も悪気のなさそうな顔に、カイはもう何度目かわからないため息を軽くついた。
カイがいつも一緒のメンバーの中には、もう一人、コウという人物がいた。
最初はカイとレンだけがいつものメンツだったが、いつからか3人でいるようになっていて、今では当たり前。という感じだ。
「カイ、またそれ食べてんの?」
道を歩くレンがふとカイの顔を見て言う。
「当たり前だろ?オレの一日はこれ食べないと始まんねぇの」
「いつも食べてんじゃん」
「ははっ、まぁな」
カイはいつも棒付きキャンディを持ち歩いて食べていた。
いつでも食べていたり持っていたりなど、周りからすればもう身体の一部のようにも感じる。それくらいカイは棒付きキャンディを常に食べているのだ。
「そんな事言ったって、お前もいつも食べてるだろ?キャラメル」
「カイほどじゃないから!」
レンはキャラメルが大好物だ。キャラメル味の物ならなんでも食べるし、いつも持ち歩いている。
カイと一緒にされたくないようでカイを睨みつけているが、レンも相当の量を毎日持ち歩き、食べているのをカイは知っている。今日は普通のキャラメルのようだ。ポケットから少しはみ出ているのが見えた。
そうしてお互いにあーだこーだとくだらない言い争いをしながらコウの家へと歩く。
「…コウ、絶対起きてないな」
「うん。絶対ね。賭けてもいいよ」
コウ家の前まで来た2人は、家の様子を見てげんなりとしてそう呟いた。
「おいコウー!!起きろ!出てこい!」
「コーウ!!早く出てこないとまたカイに怒られんぞー!っいっだ…」
ふざけているレンの頭を殴り、カイはため息をつきながらコウの部屋の窓を見上げた。
「今日は窓開いてんな」
「うん」
2人は2階にあるコウの部屋の窓を見上げて言う。
「レン」
「ラジャ!」
2人はジャンプし、1階についている屋根を掴み、スイスイとコウの部屋がある2階まで登る。
2人にとってはこれも日常なのだ。
部屋に入るとそこにはベッドの上で足を広げて寝ているコウの姿があった。
「コウ起きろ。もう昼だぞ」
「コウくーん!!起きろー!」
「………んんん…もう朝か…?」
「もう昼だドアホ」
そのカイの言葉にコウはいきなり目を見開いて起き上がった。
「え!?もう朝か!?」
「昼だっつってんだろ!!!」
「ブォフッ…!?」
カイはコウの顔に枕を投げつけた。コウの天然でバカな性格には毎日毎日気力も体力も持っていかれる。寝起きのコウはもっと酷い。カイは度重なる呆れと怒りに耐え切れず、こういう場合のコウへの対応は暴力で解決してしまおうと密かに心の中で決めていた。
「痛いなぁ…手加減しろよ…」
「寝惚けてるお前が悪い」
まだ眠そうにベッドから起き上がるコウにカイは冷たく答える。レンはこの様子を少し困った笑顔で眺めていた。これもいつもの風景だ。コウに対してカイが怒り、レンが見守る。レンはこの状態の2人に手出しをしてもロクなことがないとわかっているのだ。
何度もコウのとばっちりを受けカイに怒られてきたレンはこの時間は見守るだけにするとだいぶ前に心に決めた。
「だって眠いんだからさぁ…」
「誰よりも早く寝るくせに何言ってんだ」
コウはこの3人の中で1番ガタイがいい。
身長が高く、着痩せするタイプだがそれなりに筋肉質だ。
よく寝るし、よく食べる。それがコウという男だ。それにしても毎日起きるのが遅く、遅刻ばかりする性格なのは何とかならないのかとかいとカイとレンは数えきれないほど思ってきた。レンは、カイにあれだけ怒られているのに何一つ学習しないコウをすごいとさえ思っていた。
それほどコウの性格は悪い方にマイペースすぎる。
「早く支度しろよ。ほらピン」
「おう。ありがとう」
コウはカイに渡されたヘアピンを受け取り髪につける。
左の耳の上でクロスされているヘアピンは、コウのチャームポイントだ。
「コウは早く飯食えよ?レンはここにいてくれ。オレはちょっとあそこまで行ってくる」
そう言ってカイは窓の方に歩く。レンはそれを見てカイに駆け寄った。
「りょーかい。でも気をつけてね」
「わかってる。あ、でも一応窓開けとけよ?」
「ラジャ~」
カイは窓から飛び降り、早足である場所へと向かっていった。
「カイ!起きてるー?」
ドアから勢いよくプリン頭がよく目立つ少年が入ってくる。その光景をその家の家主であるカイはため息をつき、少し鬱陶しそうに睨んだ。
「起きてるに決まってるだろ?レン。今何時だと思ってんだ」
そのプリン頭の少年。レンは少し考える素振りを見せた。
「ん?今?……朝の9時?」
「11時だよ馬鹿野郎」
考える素振りを見せた割には見当違いすぎる回答をしたレンに対し、呆れたカイはレンの頭を軽く小突く。
「いっ!?いってぇ……なにも殴ることないだろ!!」
「朝は早起きしろっていつも言ってるだろ?」
「そんなに早く起きれないよ~だ」
ヘラヘラと笑いながら逃げるレンと、呆れた顔で話をするカイ。
2人は小さい頃からの幼馴染みで、毎日のように一緒にいる。
2人にとって一緒にいることは当たり前で、家族のいない2人にとっては兄弟のようだった。
会って数分も経っていないが、既に5回ほどのため息をつき、6回目になるため息を深く吐いたカイが思い出したようにレンに話しかける。
「そういえばコウは?」
「まだ来てないけど?」
はぁ…とまたまた重いため息をつきながらカイは眉間の皺を深くした。
「……あいつは……まぁいいや。レン、呼びに行くか」
「もちろん」
レンは変わらない笑顔で返事をした。その微塵も悪気のなさそうな顔に、カイはもう何度目かわからないため息を軽くついた。
カイがいつも一緒のメンバーの中には、もう一人、コウという人物がいた。
最初はカイとレンだけがいつものメンツだったが、いつからか3人でいるようになっていて、今では当たり前。という感じだ。
「カイ、またそれ食べてんの?」
道を歩くレンがふとカイの顔を見て言う。
「当たり前だろ?オレの一日はこれ食べないと始まんねぇの」
「いつも食べてんじゃん」
「ははっ、まぁな」
カイはいつも棒付きキャンディを持ち歩いて食べていた。
いつでも食べていたり持っていたりなど、周りからすればもう身体の一部のようにも感じる。それくらいカイは棒付きキャンディを常に食べているのだ。
「そんな事言ったって、お前もいつも食べてるだろ?キャラメル」
「カイほどじゃないから!」
レンはキャラメルが大好物だ。キャラメル味の物ならなんでも食べるし、いつも持ち歩いている。
カイと一緒にされたくないようでカイを睨みつけているが、レンも相当の量を毎日持ち歩き、食べているのをカイは知っている。今日は普通のキャラメルのようだ。ポケットから少しはみ出ているのが見えた。
そうしてお互いにあーだこーだとくだらない言い争いをしながらコウの家へと歩く。
「…コウ、絶対起きてないな」
「うん。絶対ね。賭けてもいいよ」
コウ家の前まで来た2人は、家の様子を見てげんなりとしてそう呟いた。
「おいコウー!!起きろ!出てこい!」
「コーウ!!早く出てこないとまたカイに怒られんぞー!っいっだ…」
ふざけているレンの頭を殴り、カイはため息をつきながらコウの部屋の窓を見上げた。
「今日は窓開いてんな」
「うん」
2人は2階にあるコウの部屋の窓を見上げて言う。
「レン」
「ラジャ!」
2人はジャンプし、1階についている屋根を掴み、スイスイとコウの部屋がある2階まで登る。
2人にとってはこれも日常なのだ。
部屋に入るとそこにはベッドの上で足を広げて寝ているコウの姿があった。
「コウ起きろ。もう昼だぞ」
「コウくーん!!起きろー!」
「………んんん…もう朝か…?」
「もう昼だドアホ」
そのカイの言葉にコウはいきなり目を見開いて起き上がった。
「え!?もう朝か!?」
「昼だっつってんだろ!!!」
「ブォフッ…!?」
カイはコウの顔に枕を投げつけた。コウの天然でバカな性格には毎日毎日気力も体力も持っていかれる。寝起きのコウはもっと酷い。カイは度重なる呆れと怒りに耐え切れず、こういう場合のコウへの対応は暴力で解決してしまおうと密かに心の中で決めていた。
「痛いなぁ…手加減しろよ…」
「寝惚けてるお前が悪い」
まだ眠そうにベッドから起き上がるコウにカイは冷たく答える。レンはこの様子を少し困った笑顔で眺めていた。これもいつもの風景だ。コウに対してカイが怒り、レンが見守る。レンはこの状態の2人に手出しをしてもロクなことがないとわかっているのだ。
何度もコウのとばっちりを受けカイに怒られてきたレンはこの時間は見守るだけにするとだいぶ前に心に決めた。
「だって眠いんだからさぁ…」
「誰よりも早く寝るくせに何言ってんだ」
コウはこの3人の中で1番ガタイがいい。
身長が高く、着痩せするタイプだがそれなりに筋肉質だ。
よく寝るし、よく食べる。それがコウという男だ。それにしても毎日起きるのが遅く、遅刻ばかりする性格なのは何とかならないのかとかいとカイとレンは数えきれないほど思ってきた。レンは、カイにあれだけ怒られているのに何一つ学習しないコウをすごいとさえ思っていた。
それほどコウの性格は悪い方にマイペースすぎる。
「早く支度しろよ。ほらピン」
「おう。ありがとう」
コウはカイに渡されたヘアピンを受け取り髪につける。
左の耳の上でクロスされているヘアピンは、コウのチャームポイントだ。
「コウは早く飯食えよ?レンはここにいてくれ。オレはちょっとあそこまで行ってくる」
そう言ってカイは窓の方に歩く。レンはそれを見てカイに駆け寄った。
「りょーかい。でも気をつけてね」
「わかってる。あ、でも一応窓開けとけよ?」
「ラジャ~」
カイは窓から飛び降り、早足である場所へと向かっていった。
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