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俺の夢
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「何をする気だ」
「お参りだよ。外に出ようとなんて思ってねぇ。見張っててくれて構わないよ」
カイが訪れたのは、国の外へ出られる門の1つだった。
そこは、カイの兄、ジュンが死んだ場所…。
カイはパーカーのフードを深く被ったまま門に近づいた。
「ジュン兄久しぶり。と言っても1週間ぶりか…、また来たよ」
門の前でしゃがみ、もういない兄に話しかける。
ジュンが死んだ場所に座り込むカイを取り囲む3人の兵士。銃口はカイに向けられている。
不審な行動をすればすぐさま発砲するつもりなのだ。兵士たちはそういうものだ。国民の気持ちなど関係ない。少しでも反抗的な行動があれば殺す。そういうものなのだ。
カイは好物の棒付きキャンディと、一輪の花を添えると、静かに手を合わせる。
そして、合わせていた手を下ろすと、その場所をしばらく見つめていた。
記憶にまだ色濃く残る兄との思い出を思い返す。記憶の中でのジュンは、いつも笑っていた。兵士たちにナイフを掲げ襲い掛かっていったなんて思えないほどに。
地面に置いた花とキャンディを見つめるカイのその目は、淡く、しかしギラギラと確かに光っていた。
その後少ししてカイは立ち上がろうと地面に手をつく。
「よいしょっとっ!」
「!?」
カイは立ち上がらなかった。地面についた手の力で兵士を飛び越えたのだ。
兵士達はその素早い動きについていけない。バッと後ろに振り向き銃口をカイに向けた。
カイはポケットに手を入れながら棒付きキャンディを余裕そうにくわえて笑っている。
「オレには夢がある。この檻みたいな場所から出て、国の外へ行くことだ」
「!」
その場に緊張が走った。カイはニヤリと笑う。
「いつか必ずここから抜け出してやるからなクソ兵士共!!ジュン兄の夢は俺が叶える!!!」
「撃て!!」
何発かの銃声が響いた。が、カイには当たらなかった。余裕そうに弾を避けて住居がある方へと走っていく。
それの早いこと早いこと。
「追え!逃がすな!」
兵士達もすぐに追いかけた。しかしその時カイは既に住宅の屋根の上だった。
この騒ぎに、国民達は中には逃げるものもいるが集まってきている。カイの思惑通りだ。
「馬鹿な兵士だよな。住宅街じゃ、銃なんてろくに撃てねぇくせに」
カイ達3人がこれまで兵士に追われてきてわかっていることはたった1つだった。
『関係のない国民に当たるかもしれない攻撃はしない』
だから、国民たちの中に入り込んでしまえば、逃げることは容易い。
カイは屋根を飛び越えながら兵士から逃げた。
「全然撃ってこねーなーってうわっ!!あっぶねー!!」
全く銃を撃ってこないので兵士を見ようと少し屋根の端に寄って下を覗くと、すかさず発砲してきた。
ギリギリではあったが避ける。
避けてそのまま道を越えて向かいの家へ飛び移った。ここまで来ればもう逃げ切ったと言っていい。カイはばーかと言葉をこぼし、笑顔を崩さないまま兵士達の目に自分が映らないようにしてコウの家へ向かっていった。
コウの家へ辿り着くと、カイはそのまま窓から部屋へ飛び込んだ。
もちろん、兵士達に場所は知られていない。今頃別の場所でカイ探しているだろう。大きく息を吐き、少しあがった息を整える。
「ふー…ただいまー」
「カイ!?まさか追いかけられてたの!?」
「もがえい(おかえり)」
「まーな。ちょっと煽ってきた。…ってお前まだ食べてんのかよ…」
顔を隠すために被っていたフードを取りながら呆れたように言う。コウは未だに朝食である食料をテーブルに大量に並べ、食べていた。
「…………ゴクッだって朝食べねぇと元気出ねぇし…」
「はいはいそーですね」
毎回の事だがどんだけ食べるんだと呆れて思わずくわえていた飴を噛み砕いてしまった。すかさずストックの飴を取り出しくわえる。
コウと話すときには飴の消費が通常の倍ほど早いのだが、それはもう仕方のないことだとカイは諦めていた。
「それで大丈夫だったの!?怪我とか…」
「ないよ。いつも大丈夫だろ?心配ないって」
「よかったぁ…」
レンは普段お調子者でふざけた喋り方するが、本当は誰よりも心配症で優しい。
ある意味誰よりも苦労人だ。そんなレンをカイは誰よりも信頼している。
カイは余っている椅子に腰かけ、コウを指差す。
「早く食べ終われよ。食べたらいつものとこ行くからな」
「おう。もうすぐ終わる」
食べ物をすごい勢いで口に詰め込んだコウは、バッと立ち上がり片付けを始めた。
その速さに毎回のことながら驚き、カイとレンは目を見合わせため息をついた。
「お参りだよ。外に出ようとなんて思ってねぇ。見張っててくれて構わないよ」
カイが訪れたのは、国の外へ出られる門の1つだった。
そこは、カイの兄、ジュンが死んだ場所…。
カイはパーカーのフードを深く被ったまま門に近づいた。
「ジュン兄久しぶり。と言っても1週間ぶりか…、また来たよ」
門の前でしゃがみ、もういない兄に話しかける。
ジュンが死んだ場所に座り込むカイを取り囲む3人の兵士。銃口はカイに向けられている。
不審な行動をすればすぐさま発砲するつもりなのだ。兵士たちはそういうものだ。国民の気持ちなど関係ない。少しでも反抗的な行動があれば殺す。そういうものなのだ。
カイは好物の棒付きキャンディと、一輪の花を添えると、静かに手を合わせる。
そして、合わせていた手を下ろすと、その場所をしばらく見つめていた。
記憶にまだ色濃く残る兄との思い出を思い返す。記憶の中でのジュンは、いつも笑っていた。兵士たちにナイフを掲げ襲い掛かっていったなんて思えないほどに。
地面に置いた花とキャンディを見つめるカイのその目は、淡く、しかしギラギラと確かに光っていた。
その後少ししてカイは立ち上がろうと地面に手をつく。
「よいしょっとっ!」
「!?」
カイは立ち上がらなかった。地面についた手の力で兵士を飛び越えたのだ。
兵士達はその素早い動きについていけない。バッと後ろに振り向き銃口をカイに向けた。
カイはポケットに手を入れながら棒付きキャンディを余裕そうにくわえて笑っている。
「オレには夢がある。この檻みたいな場所から出て、国の外へ行くことだ」
「!」
その場に緊張が走った。カイはニヤリと笑う。
「いつか必ずここから抜け出してやるからなクソ兵士共!!ジュン兄の夢は俺が叶える!!!」
「撃て!!」
何発かの銃声が響いた。が、カイには当たらなかった。余裕そうに弾を避けて住居がある方へと走っていく。
それの早いこと早いこと。
「追え!逃がすな!」
兵士達もすぐに追いかけた。しかしその時カイは既に住宅の屋根の上だった。
この騒ぎに、国民達は中には逃げるものもいるが集まってきている。カイの思惑通りだ。
「馬鹿な兵士だよな。住宅街じゃ、銃なんてろくに撃てねぇくせに」
カイ達3人がこれまで兵士に追われてきてわかっていることはたった1つだった。
『関係のない国民に当たるかもしれない攻撃はしない』
だから、国民たちの中に入り込んでしまえば、逃げることは容易い。
カイは屋根を飛び越えながら兵士から逃げた。
「全然撃ってこねーなーってうわっ!!あっぶねー!!」
全く銃を撃ってこないので兵士を見ようと少し屋根の端に寄って下を覗くと、すかさず発砲してきた。
ギリギリではあったが避ける。
避けてそのまま道を越えて向かいの家へ飛び移った。ここまで来ればもう逃げ切ったと言っていい。カイはばーかと言葉をこぼし、笑顔を崩さないまま兵士達の目に自分が映らないようにしてコウの家へ向かっていった。
コウの家へ辿り着くと、カイはそのまま窓から部屋へ飛び込んだ。
もちろん、兵士達に場所は知られていない。今頃別の場所でカイ探しているだろう。大きく息を吐き、少しあがった息を整える。
「ふー…ただいまー」
「カイ!?まさか追いかけられてたの!?」
「もがえい(おかえり)」
「まーな。ちょっと煽ってきた。…ってお前まだ食べてんのかよ…」
顔を隠すために被っていたフードを取りながら呆れたように言う。コウは未だに朝食である食料をテーブルに大量に並べ、食べていた。
「…………ゴクッだって朝食べねぇと元気出ねぇし…」
「はいはいそーですね」
毎回の事だがどんだけ食べるんだと呆れて思わずくわえていた飴を噛み砕いてしまった。すかさずストックの飴を取り出しくわえる。
コウと話すときには飴の消費が通常の倍ほど早いのだが、それはもう仕方のないことだとカイは諦めていた。
「それで大丈夫だったの!?怪我とか…」
「ないよ。いつも大丈夫だろ?心配ないって」
「よかったぁ…」
レンは普段お調子者でふざけた喋り方するが、本当は誰よりも心配症で優しい。
ある意味誰よりも苦労人だ。そんなレンをカイは誰よりも信頼している。
カイは余っている椅子に腰かけ、コウを指差す。
「早く食べ終われよ。食べたらいつものとこ行くからな」
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