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疑似家族
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「ただいま」
あれ?母さん買い物かな…?この時間にまだ居ないのって珍しいな…
「おかえり、真尋」
「あ、ただいま…」
零におかえりって言われるとちょっと変な感じだな…
「学校どうだった?楽しかったかー?」
「楽しいも何も無いけど…」
咲夜…今日休みだったよな…何かあったのかな…風邪とかだったら…お見舞い行ってみようかな…
「真尋?何かあった?最近元気無いみたいだけど…」
「そんな事ないよ…大丈夫」
カタッ
「母さん帰ってきたのかな…」
ドン!ガチャッ!
母さん…?寝室の方から大きな音聞こえたような…
「1人ガキが逃げたらしいじゃない!アイツらしくじったんじゃないの!」
「俺も今聞いたところだ!あっちの事まで知るかよ!こっちはもう少しで真尋も17歳になる、やっと面倒臭いガキから解放されんだ、あっちはほっとけ!」
「そうはいかないでしょ!あの方は今回生きた心臓が2つ要るのよ!真尋1人じゃ足りないでしょ!どうにかして逃げたガキを見つけないと…」
え……?どういう事?聞き間違い…だよね…
「真尋…静かに足音立てずに自分の部屋に戻れ!静かにだ…」
え…零?さっき言い争ってたの父さんと母さんの声だよね…
「零!今の2人が話してたこと何だろ…聞き間違いだよね?何か別人…みたいだった…」
「真尋はここに居て、俺は姿が見えないだろうから2人の話聞いてくるから、いいね、ここで待ってて!」
「分かった…」
父さんと母さんはいつも優しく僕に接してくれた本当の両親みたいに、不思議に思ってた事はあった、家族旅行とか日帰りで遊びに行くとか、この10年1度も無かったし、父さんと母さんは親戚の集まりに出掛ける事はあっても僕を連れて行くことは無かった…父さんと母さんの身内に1度も会ったこと無い……それでもいつも健康の事気遣ってくれたり、ご飯だって栄養が偏るといけないからって外食はせずにいつも家で作ってくれて…そうか…家族で出掛けた事無かったんだ…2年生の時初めて家に女の子を連れて帰った時何故か母さん僕に冷たくて…寂しくなった記憶あるな…それからあの子家に来なくなった…あれ?確かみゆきちゃんだったかな名前…突然僕の前から居なくなった…どうしてだった…?
「真尋くん…みゆきね、大きくなったら真尋くんのお嫁さんになる!」
「うん!良いよ!」
「みゆきちゃん……みゆきちゃん…?どうして動かないの?寝てるの?」
これは夢…?みゆきちゃん…みゆきちゃん!!
「真尋!おい、真尋!どうした!しっかりしろ」
「零……僕小さい頃の事思い出したんだ…絶対忘れちゃいけなかった事……でも忘れたかった…」
「真尋…戻ってきたら倒れてたからびっくりしたけど、夢見てたのか?」
「うん…小さかった頃の夢…近所に住んでたみゆきちゃんっていう女の子の夢だよ…」
「そうか…仲良しなのか?ませガキめ」
「…みゆきちゃんが生きてたら今でも仲良くしてくれたかな……あれ…涙が出てくる…」
「真尋…生きてたらって…みゆきって子は死んだのか…?」
そうか…あの2人の話はみゆきって子の話なんだな…真尋に近付く人間は子供であろうと命を奪うって事か…鬼畜かよ…
「真尋…今から言う事よく聞いてくれ、お前はこの家に居ちゃいけない!あの2人はお前の命を奪おうとしてる!さっきあの2人が話してる事聞いてきた…お前の仲良しだったみゆきって子もあの2人が殺したんだ…お前から引き離す為に…お前はもうすぐ17歳になる、誕生日を迎えたらお前はあの2人にどこかへ連れていかれる、それが何処かはまだ分からないけど、とにかくここに居たらまずい事になる!」
「零…?何で父さんと母さんが…?」
「詳しい事情は後で話すから俺の言う事を信じてここに向かって欲しい」
「ここって…駅からだいぶと歩くけど少し辺鄙な場所に建ってたカフェ…?1度だけ咲夜と入ってケーキ食べた事あったような…落ち着いた雰囲気のお店だった…」
「1度行ってるなら場所分かるよな?1人で行けるか?」
「零は?行かないの…?」
「…そんな不安そうな顔するな…俺も用が済んだらすぐ行くから」
「れ、零…何でキス…?」
「濃厚なキスは全部片付いたらな…」
「し、しないから…」
「可愛いな真尋は…そんな顔して説得力ないぞ後でこの場所で会おう…」
「う、うん分かった…零早く来て…」
「抱きしめて良いか?」
「ちょっとだけなら…良いよ…」
「可愛い、俺が守るから絶対に…」
「さあ!静かに玄関まで行って気付かれないように外に出るんだ!」
「うん!」
零…僕を触る零の手も指先も少し冷たくて気持ち良い…指先は冷たいのに抱きしめられると温かくて優しくて…離れ難い。
さっきの夢…続きがまだあって暗闇の中で僕の名前を呼んでる誰かの声がした…聞き覚えがあって僕の両親がまだ生きてる頃に何度か聞いた声だった。父さんと母さんともう1人僕の名前を優しく呼ぶ声…それが段々と叫びのように変わって行った「真尋!」って力強く呼ぶ声は零の声だったんだとさっき夢から覚める時気付いたんだ…零は僕の事も死んだ両親の事も知っていて…僕も零を知っている…零は両親の死の真相を知っていて僕が危険だと言う事も分かって僕に会いにきた…死んでもなお僕の事を心配して……この10年疑似家族の一員だったんだな…父さんと母さんのフリをしているあの2人が僕の両親の死と何か関わりがあるのなら僕は何も知らずにあの2人を慕っていた事になる…
みゆきちゃんがあの2人に殺されたのなら…僕に近付く人間を殺すのなら咲夜も危ないのかもしれない…頭の中がめちゃくちゃでめまいがする…とにかく零の言う通りあのカフェで零を待とう…そして咲夜にも連絡しなきゃ…
あれ?母さん買い物かな…?この時間にまだ居ないのって珍しいな…
「おかえり、真尋」
「あ、ただいま…」
零におかえりって言われるとちょっと変な感じだな…
「学校どうだった?楽しかったかー?」
「楽しいも何も無いけど…」
咲夜…今日休みだったよな…何かあったのかな…風邪とかだったら…お見舞い行ってみようかな…
「真尋?何かあった?最近元気無いみたいだけど…」
「そんな事ないよ…大丈夫」
カタッ
「母さん帰ってきたのかな…」
ドン!ガチャッ!
母さん…?寝室の方から大きな音聞こえたような…
「1人ガキが逃げたらしいじゃない!アイツらしくじったんじゃないの!」
「俺も今聞いたところだ!あっちの事まで知るかよ!こっちはもう少しで真尋も17歳になる、やっと面倒臭いガキから解放されんだ、あっちはほっとけ!」
「そうはいかないでしょ!あの方は今回生きた心臓が2つ要るのよ!真尋1人じゃ足りないでしょ!どうにかして逃げたガキを見つけないと…」
え……?どういう事?聞き間違い…だよね…
「真尋…静かに足音立てずに自分の部屋に戻れ!静かにだ…」
え…零?さっき言い争ってたの父さんと母さんの声だよね…
「零!今の2人が話してたこと何だろ…聞き間違いだよね?何か別人…みたいだった…」
「真尋はここに居て、俺は姿が見えないだろうから2人の話聞いてくるから、いいね、ここで待ってて!」
「分かった…」
父さんと母さんはいつも優しく僕に接してくれた本当の両親みたいに、不思議に思ってた事はあった、家族旅行とか日帰りで遊びに行くとか、この10年1度も無かったし、父さんと母さんは親戚の集まりに出掛ける事はあっても僕を連れて行くことは無かった…父さんと母さんの身内に1度も会ったこと無い……それでもいつも健康の事気遣ってくれたり、ご飯だって栄養が偏るといけないからって外食はせずにいつも家で作ってくれて…そうか…家族で出掛けた事無かったんだ…2年生の時初めて家に女の子を連れて帰った時何故か母さん僕に冷たくて…寂しくなった記憶あるな…それからあの子家に来なくなった…あれ?確かみゆきちゃんだったかな名前…突然僕の前から居なくなった…どうしてだった…?
「真尋くん…みゆきね、大きくなったら真尋くんのお嫁さんになる!」
「うん!良いよ!」
「みゆきちゃん……みゆきちゃん…?どうして動かないの?寝てるの?」
これは夢…?みゆきちゃん…みゆきちゃん!!
「真尋!おい、真尋!どうした!しっかりしろ」
「零……僕小さい頃の事思い出したんだ…絶対忘れちゃいけなかった事……でも忘れたかった…」
「真尋…戻ってきたら倒れてたからびっくりしたけど、夢見てたのか?」
「うん…小さかった頃の夢…近所に住んでたみゆきちゃんっていう女の子の夢だよ…」
「そうか…仲良しなのか?ませガキめ」
「…みゆきちゃんが生きてたら今でも仲良くしてくれたかな……あれ…涙が出てくる…」
「真尋…生きてたらって…みゆきって子は死んだのか…?」
そうか…あの2人の話はみゆきって子の話なんだな…真尋に近付く人間は子供であろうと命を奪うって事か…鬼畜かよ…
「真尋…今から言う事よく聞いてくれ、お前はこの家に居ちゃいけない!あの2人はお前の命を奪おうとしてる!さっきあの2人が話してる事聞いてきた…お前の仲良しだったみゆきって子もあの2人が殺したんだ…お前から引き離す為に…お前はもうすぐ17歳になる、誕生日を迎えたらお前はあの2人にどこかへ連れていかれる、それが何処かはまだ分からないけど、とにかくここに居たらまずい事になる!」
「零…?何で父さんと母さんが…?」
「詳しい事情は後で話すから俺の言う事を信じてここに向かって欲しい」
「ここって…駅からだいぶと歩くけど少し辺鄙な場所に建ってたカフェ…?1度だけ咲夜と入ってケーキ食べた事あったような…落ち着いた雰囲気のお店だった…」
「1度行ってるなら場所分かるよな?1人で行けるか?」
「零は?行かないの…?」
「…そんな不安そうな顔するな…俺も用が済んだらすぐ行くから」
「れ、零…何でキス…?」
「濃厚なキスは全部片付いたらな…」
「し、しないから…」
「可愛いな真尋は…そんな顔して説得力ないぞ後でこの場所で会おう…」
「う、うん分かった…零早く来て…」
「抱きしめて良いか?」
「ちょっとだけなら…良いよ…」
「可愛い、俺が守るから絶対に…」
「さあ!静かに玄関まで行って気付かれないように外に出るんだ!」
「うん!」
零…僕を触る零の手も指先も少し冷たくて気持ち良い…指先は冷たいのに抱きしめられると温かくて優しくて…離れ難い。
さっきの夢…続きがまだあって暗闇の中で僕の名前を呼んでる誰かの声がした…聞き覚えがあって僕の両親がまだ生きてる頃に何度か聞いた声だった。父さんと母さんともう1人僕の名前を優しく呼ぶ声…それが段々と叫びのように変わって行った「真尋!」って力強く呼ぶ声は零の声だったんだとさっき夢から覚める時気付いたんだ…零は僕の事も死んだ両親の事も知っていて…僕も零を知っている…零は両親の死の真相を知っていて僕が危険だと言う事も分かって僕に会いにきた…死んでもなお僕の事を心配して……この10年疑似家族の一員だったんだな…父さんと母さんのフリをしているあの2人が僕の両親の死と何か関わりがあるのなら僕は何も知らずにあの2人を慕っていた事になる…
みゆきちゃんがあの2人に殺されたのなら…僕に近付く人間を殺すのなら咲夜も危ないのかもしれない…頭の中がめちゃくちゃでめまいがする…とにかく零の言う通りあのカフェで零を待とう…そして咲夜にも連絡しなきゃ…
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