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第一章
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しおりを挟む「目が覚めたばかりなのに、いろいろ聞いてしまって申し訳なかったね。食事を取って、今日はゆっくり過ごすといい」
「はい、ありがとうございます」
シグルドさんが部屋から出たら、今度はルークと二人っきりになってしまった。これはこれで気まずい……。何を話したらいいか分からない。
あれこれ考えているうちに、ルークは僕がベッドの上でも食べられるようにローテーブルを膝の上に準備して、その上に食事を置いてくれた。
「ありがとう。えっと……君は食事にいかないの?」
「うん、もう済ませた。ユイの食事の手伝いをしようと思って」
「あっ…大丈夫だよ?一人で食べられるから」
「そう?でも心配だから、そばにいてもいい?」
「それは──もちろん…」
正直、食べずらい………。
かといって、心配してくれている人に向かって「出ていけ」なんて言えない。僕は彼のことを意識しないように食事に手を付けた。準備してくれた食事は温かくて、ほっとする味がした。
僕が食べ終わると、ルークは食器を片付けに部屋を出て、程なくして戻ってきた。手には白い布のような物を持っている。
「よければ着替えをどうぞ。それから魔法でシーツを洗浄するから、動けるならこっちの椅子に移動してくれる?」
「ま……魔法?」
「うん。ユイがすぐ横になれるようにしたいから」
「う…うん。分かった。ありがとう」
今、魔法って言った?冗談を言う子には見えないけど。
そんなことを思っていると、ルークが手を差し伸べてきた。椅子に移動する介助をしてくれるようだ。
僕を移動させると、ルークはベッドに軽く手を置いた。次の瞬間、ルークの手から光が溢れてベッド全体を覆った。光が治まるころには、シーツも枕カバーも毛布も見違えるほどにきれいになった。
「………すごい」
「──ユイは生活魔法が苦手なの?」
「そ…そうなんだ。ルークみたいにうまく出来たことないから……」
「魔力量に問題なければ、練習次第でうまくなるよ」
咄嗟に嘘をついてしまった。でもそれも、うまくいったか分からない。それくらい僕は動揺していた。……魔法を見た。意識はこの上なくはっきりしているから、これが夢じゃないことが分かる。そして僕の頭の中に、ある一つの言葉が浮かび上がった。
もしかして、ここは──……。
「ところで、俺はこのままこっちを向いてていいの?それとも、手伝ってほしい?」
動揺している僕に気づいた様子もなく、ルークが尋ねてきた。
「…えっ?何のこと?」
「着替え。これから洗濯するから、ユイが脱いだら持っていこうと思って」
「あっ、あっち向いてて!」
「身体拭くのとか──」
「大丈夫だから!!」
慌てる様子が可笑しかったのか、ルークはクスクス笑いながら僕に背を向けた。
さっきまで動揺など頭からすっぽり抜けて、僕は立ち上がって着ていた服を脱ぎ捨てた。
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