2
件
焼けるような腹部の痛み、自分の名前を必死で叫ぶ声───。
それが、深山律(みやま りつ)の最期の記憶だった。
「おいっ、リツ!起きろ!」
自分の名前を呼ぶ声で目を開けると、どこか見覚えのある少年が見下ろしていた。
混乱のなか告げられたのは、自分が3日間も意識不明の状態だったという事実だった。周囲の人たちの言葉から状況を飲み込みつつ、鏡の前に立ったリツは息を呑む。そこに映ったのは、自分とは程遠い見知らぬ少年の姿だった。
「でもこの顔、どこかで見たことあるような⋯?」
既視感のある顔を見ていると、自分を「リツ」と呼んだあの少年から、思いもよらない言葉が告げられる。
それは生前プレイしていた、恋愛ゲーム<DAHLIA BLANC(ダリア・ブラン)>の攻略対象とサポートキャラの名前だった。
は?嘘だろ?俺がサポートキャラ?
ゲーム世界に転生し、サポートキャラの『リッカルド』となったことを自覚したリツは、前世の記憶を辿るなかで転生したオタクなら誰もが抱くであろう願望を抱く。
それは、“推しを近くで愛で、破滅から守り、そして幸せにする”こと。
どう転んでも悲惨な結末を迎える推しのために、リッカルドはある計画を立てる。
サポートキャラに転生したのなら、シナリオを操ることなんて造作もない。前世の知識で不要なフラグをへし折り、主人公を特定の攻略対象とくっつけてしまえばいい。だから───。
「───お前には、俺の推しのために犠牲になってもらう」
『推し救済』のために奔走するリッカルド。しかし、攻略対象の突然の告白を皮切りに、事態は予想外の方向へ───。
⋯⋯ん?これ、乙ゲー⋯だよな?
※毎週火・木・日の21時に更新予定です。
※センシティブな内容が含まれる回は「*」が付いてます。
文字数 10,292
最終更新日 2026.03.08
登録日 2026.03.01
「……僕、大人になったよ。だから……もう、───いいよね?」
最愛の人に先立たれて3年。今だ悲しみから立ち直れず、耐えられなくなった結(ゆい)はその生涯を終えようとする。しかし、次に目が覚めたのは、生命を見守る大樹がそびえ立つ異世界だった。
そこで亡き恋人の面影を持つ青年・ルークと出会う。
亡き恋人への想いを抱えながらも、優しく寄り添ってくれるルークに少しずつ惹かれていく結。そんなある日、ある出来事をきっかけに、彼から想いを告げられる。
「忘れる必要なんてない。誰かを想うユイを、俺はまるごと受け止めたい」
ルークの告白を受け入れ、幸せな日々を送る結だったが、それは突然終わりを迎える。
彼が成人を迎えたら一緒に村を出ようと約束を交わし、旅立つ準備を進めていた矢先、結は別の女性と口づけを交わすルークの姿を目撃してしまう。
悲しみの中で立ち止まっていた心が、異世界での出会いをきっかけに再び動き出す、救済の物語。
※センシティブな表現のある回は「*」が付いてますので、閲覧にはご注意ください。
ストーリーはゆっくり展開していきます。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。
文字数 277,325
最終更新日 2025.12.31
登録日 2025.06.20
2
件