【完結】あなたのいない、この異世界で。

Mhiro

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第一章

<閑話> ② *

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ふたりきりの空間はとても静かで、口づけを交わす互いの吐息と唇から漏れる湿った音だけが響く。
いつの間にかソファに押し倒されるように横たわっていて、ルークはなおも唇を貪りながら、身体を包んでいたブランケットをするりと滑り落とした。そして、露わになった身体を熱の籠もった瞳で見つめ、首筋、肩、胸へと唇を落としていき、やがて桜色の敏感なところを口に含んだ。

「…っ……ん…はぁ…、…ルークっ…ちょっ……まっ」
「どうして……?嫌?」
「嫌…じゃない……、けど…っ」
「ほら……。ユイのここも、こんなになってる。…きもちいいんでしょ?」

ルークが僕のソレにそっと触れると、先端から溢れる透明な粘液をゆっくり揉み込むように全体に広げ、優しく、執拗に上下に擦り始めた。

「あぁっ…、んっ…っ」

同時に胸をねぶられながら、もう片方を捏ねられて、快感が一気に身体を駆け抜ける。

「…っんあ、はっ…あっ…はぁ…っ」

気持ちよくて……、何も考えられないっ………。


もう少しで達するというところで、僕のモノを扱いていたルークの手が止まった。どうしたのかとルークを見上げたら、頬を紅潮させて切なげな表情で僕を見つめ返している。

「……ルー…ク?」
「ユイ……、俺にも触れて?」

ルークはズボンを緩めて反り勃つ自身を取り出し、先端を僕のモノと擦り合わせた。そしてそっと僕の手を取り、自身のモノと重ねて一緒に握らせた。

「……一緒にしていい?」
「………ぅん…」

ふたりのモノが握られた僕の手に、覆いかぶさるようにルークの手が重なった。最初はゆっくりだった動きが、徐々に速さを増していく。
それに伴って、身体を駆け巡る快感も否応なく増していった。

「あっ…はぁっ……ユイっ…」
「ルークっ……ぼく…もうっ……!」
「俺もっ……ユイっ……っ!」

その瞬間、快感が一気に弾け、僕らは一緒に果てた。


乾いた服に着替えるころには、西日が差し込む時間になっていた。ソファに沈んだ身体を何とか立ち上がらせようとするが、気だるさでなかなか足に力が入らない。その隣でルークは、僕を抱きしめながら頬やこめかみにキスをしている。

「…ルーク。そろそろ戻って、夕食の準備の手伝いをしないと……」
「ん。もう少しだけ」

ルークは僕の髪をかき分けて、首筋やうなじにも唇を寄せてきた。くすぐったくて思わず「んっ…」と声を上げてしまうと、ルークは悩まし気な溜息をついた。

「ユイのそんな声聞くと、ゾクゾクしてもっと聞きたくなる」

耳元でそう囁きながら裾の隙間から手を忍ばせて、腰から鼠径部辺りをゆっくり撫でる。さっきの行為の余韻が残っているからか、身体が敏感に反応した。

「…っ、ルーク!」
「ふふっ、ごめん。ユイがあんまり可愛いから」

僕がじとっと睨むと、ルークは苦笑しながら立ち上がり、手を差し伸べてきた。

「ホントごめんってば。ほら、戻ろう?」

手を取って立ち上がってもなお不機嫌な顔をしていると、ルークは僕の頬にチュッとキスをした。

「お願いだから機嫌直して?」


小首を傾げながら困ったような顔をするのは、ホントにズルいと思う…。



孤児院への道すがら、ルークは<秘密基地>について色々と教えてくれた。
あの場所は、昔この村に住んでいた錬金術師の工房らしい。建物は古いが中の設備は充分使えそうだったから、ルークが少しずつ補修して今の状態にしたのだそうだ。
司祭様と院長はこのことを知っているが中には入れず、子ども達は存在すら知らないらしい。

「そもそも建物とその周辺に認識阻害の魔法をかけているから、仮に人が来ても見つけられないんだ」
「じゃあ、僕は?」
「ユイは俺が招き入れたから、いつでも来られるし中にも入れるよ」

何だか特別扱いされているみたいで、胸の内がくすぐったくなった。繋いでいた手にほんの少し力を込めると、ルークが嬉しそうに微笑んだ。

「あっ、そういえば……」

僕は昨日のことをふと思い出して足を止めた。

「昨夜、酔い潰れた僕をルークが部屋まで運んでくれたんだよね?ありがとう」
「……昨日のこと、覚えているの?」
「ううん。実はほとんど覚えてない。運んでくれたことは、院長から聞いた」
「………そっか」

ルークが何だか煮え切らない様子で黙り込んだ。もしかして、僕が記憶のない間に何かしでかしたんだろうか?でも、どんなに頭を捻っても思い出せない。とりあえずそのまま話を続けた。

「それから…、一緒にダンスをする約束、守れなくて…ごめん」
「……それは、ユイに責任があるわけじゃないから。気にしないで」

正直、ルークとのダンスを楽しみにしていた。それを些細な言い合いで、台無しにしてしまったのが悔しかった。

「でも──、」

ルークは顎に軽く手をかけて、俯く僕の顔をそっと持ち上げた。

「──来年は、俺と一番最初に踊って?」

そして絡めたままの手を唇に近づけ、手の甲にそっと口づける。
その言葉と口づけが嬉しくて、僕は顔をほころばせた。

「うん、喜んで」

茜色の西日で、顔が熱くなっていることがバレませんように……。

そう思いながら僕は、ルークと交わした未来の約束に、密かに思いを馳せた。


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