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1-4 昔話と現状説明
4-1
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認めてしまった・・・・・・冷静に考えると不味くないか?
遥がいない間に二人も妻を増やしてしまった。遥キレないかな? 確実にキレるよな。一馬と一樹への説明もどうしよう・・・・・・。今になって恐ろしくなって来た。
二人はと言うと、楽しそうに話し合っている。しかも何を話しているのか全く解らない。
そう、二人は翻訳の魔導具を外しているのだ。俺に聞かれたくない話をしているんだろうが、ルシアを見れば何となく解るぞ。だってルシアの顔さっきから真っ赤だしな。
ゴンゴンとドアを叩かれる。振り向くとルードとザックが立っており
「終わったか? 話はついたのか?」
とザックが聞いて来る。何と言えばいいのか考えながら窓を開けると
「話は終わった。私とルシアはタカオと器の誓約を交わした」
「・・・・・・そうか! おめでとう、ルシア!」
「うむ、本当にめでたい。ルシアよ、良かったな」
ルードとザックはルシアを祝う・・・・・・あれ? ミカは? ミカを見るとジト目でルードとザックを見ている。
「ねえ、私は?」
「う、うむ、ミカもおめでとう。念願の器の持ち主に娶られて良かったのう」
「だ、だな。ずっと探していたもんな。なんせ123年「バカモノ!」・・・・」
ピシュン! と音がして俺の顔の横を何かが通り過ぎたと思ったら、ドカン! と言う音と共にスーパーの外壁が爆発した。ミカを見ると手の平をこちらに向けている。何か撃ち出したのか?
「・・・・・・ザック?・・・・・・何か言った?」
ザックは無言で首を横に振る。うん、本当にミカに年齢の話をするのは金輪際止めよう。ルード達の間でも禁句だったんだろう。俺は普通の人間だ。あんな物撃たれたらたまらん。
「ま、まあ何にしろ二人ともおめでとう。ほらタカオ、そろそろ行こうぜ」
「っそうだな。ほら、ミカも止めろ。ザックだって祝福してくれようとしただけだって。な?そんな顔してたら可愛い顔が台無しだぞ?」
「解った。タカオが言うなら。・・・・・・私可愛い?」
「ああ、ミカは可愛いよ」
「そんな事言われたのは・・年ぶり・・・・・・」
ミカさんや、今三桁の数字を仰いましたね? 撃たれたくないから突っ込まないけどね。後ろではルシアが“犬の眼”をしてこっちを見ている・・・・・・全くこいつらは・・・・・・ガキかよ。
「ルシアも可愛いよ」
「あ、アリガトウ」
はいはい、相変わらず耳まで真っ赤にしちゃって。
「じゃあ出発するから乗ってくれ」
もう16:00だよ。一馬すまん、腹減らして待ってるだろうな。全員乗ったのを確認し、自宅に向けて出発した。
道中何の問題も無く自宅に着いた。いや、あったか。
ルードとザックが、積んだ酒を半分以上飲み干したのだ。その所為でもう一度リカーショップに寄る羽目になった。
二人は、
「ルシアとミカが結婚したのじゃ! こんなめでたい時に飲まずに何時飲むのじゃ! タカオよこれでは足りん! もう一度さっきの店に寄るのじゃ! 今日は飲み明かすぞ!」
とか言い訳めいた事を言っていたが、
「そっか。じゃあしょうがないね」
という終始ニコニコしているルシアの一言でリカーショップに寄って来た。
そんな訳で自宅に着いたのは17:00だよ。一馬に怒られちまうよ。
トラックを止め荷物を降ろす。
「ルード、流石に一馬達が心配だから先に行っていいか?」
「ああ、構わんぞ」
「カートは家の中に入らないから庭に置いてくれ。そっちから回れば行けるから」
「うむ、解った」
足早に玄関へ向かう。ん? 後ろを見るとミカとルシアが付いて来ている・・・・・・まあいいか。
「一馬ぁ、悪い遅くなった」
玄関で靴を脱ぎ部屋へ入る。後ろからはコッコッと言う音。・・・・・・だよな。異世界じゃ靴を脱いで家に入る習慣なんか無くて当たり前か。地球でも日本と一部の国だけだもんな。
「二人とも済まないが、家に入るときは靴を脱いでくれないか? この国の習慣なんだ」
「解った。・・・・・・でも私はともかくルシアは靴だけ脱ぐというのは出来ない。脱ぐのなら鎧一式になる。ルシア、今は鎧の下は何を着ているの?」
「い、今はハミンしか着てないよ。着替えだって持って来てないし。脱げないよ」
泣きそうな顔をするルシア。ハミンって何だ? 感じからすると下着みたいな物か?
「ルシア、大丈夫だから。タカオ、ハミンと言うのは女性騎士などの、鎧を纏う人用の女性用下着の事。タカオだって初めて家に来ていきなり下着姿になるような女は嫌でしょう? ルシアに何か貸してあげて。あと私のも何か持って来て」
「そうか、まあそうだな。解った。一馬に声かけたらすぐ持ってくるから、ちょっと待っててくれ」
「お願い」
居間に戻ると一馬は寝ていたのか、むにゅむにゅしている。
「すまん一馬。色々あって遅くなった。一樹とジルはどうだ?」
「ああ、おかえり。二人とも問題無いね。ずっと寝てる。・・・・・・話声がするけど、ルードさん以外に誰かいるの? 母さん見つかった!?」
「いや、遥はまだ見つかっていない。話したい事もあるからちょっとここで待っててくれ」
「そう、解った」
次は二人に着せる服か。何がいいんだ? 衣装ケースを漁りながら考える。
ミカは・・・・・・遥のランニング用の水色のジャージでいいか。ルシアは・・・・・・遥のだと小さいしな。俺のグレーのスウェットでいいか。
二着を持って玄関に向かう。ミカは靴だけ脱いで上がっていた。
「じゃあこっちはミカ、こっちはルシアで。あーっと、着方解るか? ルシアの方はこっちが下でこっちが上。ここから体を入れてここから頭を出して、両手はここからな。このぴらぴらが付いている方が後ろだから、間違えないようにな。下は普通に履くだけだから解るだろ。ゆるかったらこの紐で縛って調節してくれ。俺が寝る時に着てるやつだから見栄えは悪いがいいか?」
「ええ!! も、もう!? な、だ、大丈びゅでしゅ」
ん? 何故噛む? 何故そこで赤くなる??
「ミカの方は下は同じだけど上がちょっと違ってな。こうやって羽織ってから手を入れて、このジッパーでこうして上にあげる。遥のだけど大きさ的には丁度いいだろ? 出来そうか?」
「多分大丈夫。出来なかったらタカオにやってもらう」
「そうだな。じゃあ俺はあっちに行ってるから、ここの部屋で着替えてくれ。鏡もあるから大丈夫だろ? じゃあ終わったら声を掛けてくれ。あ、明かりが点かないんだが大丈夫か?」
「ライトの魔法があるから大丈夫。ありがとう」
二人は部屋に入っていく・・・・・・ルシア、鎧を脱がないと靴が脱げないのは解ったが、鎧を着たまま部屋に入ったら一緒じゃねーか・・・・・・。居間に戻ろうとした時、
「ミカ! どうしよう!? 寝る時に着る服渡されちゃったよ! どうしよう!? タカオが! タカオと!」
ん? 何を言ってんだ? ルシアは?
「落ち着いてルシア、私が最初じゃない事は少し不満だけど、ルシアなら私は笑って許せる。それよりもルシア、あなた湯浴みをしたのは何時?」
最初? 着替えを渡した順番か? 湯浴みって風呂の事だよな?
「ええ!? こっちに来る前だから三日前だよ! どうしよう、私臭くないかな!? 浄化の魔法しか掛けてないよ!」
へー、浄化の魔法か。いいな、疲れ切って風呂も面倒くさい時あるしな。二人とも風呂に入りたいのか? 若い女の子だしな。流石に発電機回すか。
「三日か・・・・・・ギリギリね・・・・・・」
何がギリギリ?
「髪だってパサパサだよ! 私こんな状態で初めてなんてヤダよ!」
・・・・・・
「でもそういうのが好きって人もいる訳だし・・・・・・んー、この状態のルシアを見てタカオはそういう服を渡してきた訳だから・・・・・・そのままで良いって事なのでは?」
・・・・・・・・・・・・
「でも!」
「ルシア。あなたはタカオと器の誓約を交わしたのよ。タカオがルシアを抱きたいと言うのであれば、それが何時何処であろうと受け入れなくてはダメ。器の誓約は只の町娘も勇者も関係ないのよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・こいつらはまた・・・・・・なんですぐに抱く抱かないの方に話を持って行くんだよ。欲求不満か? 会ってその日にやらせる女なんか俺はヤダよ・・・・・・あれ? でも結婚したんだよな? って事はルシアと初夜? あれ、良いのか? 思考が悶々とした方向に行き始めた時・・・・・・
ガチャ
扉を開けてルシアが出て来た。俺がここで待っていた事に驚いたのか目を丸くしている。俺も急にルシアが出て来た事に驚き、お互いに目を合わせてしまった。
・・・・・・やっぱりルシアは綺麗だよな。艶のあるプラチナグレーの髪を腰辺りまで伸ばしてある。その艶でパサパサなのか? 異世界にはトリートメントやコンディショナーなんか無いんだろう? 使ったらどれだけ綺麗な髪になるのか。それにその唇。プニプニと弾力のありそうなその唇を貪りたい。頬も耳も、その首筋にも舌を這わせたい。ああ、スウェット着てくれたんだな。少し大きめの服の上からでも解る胸の膨らみ。もうその膨らみは俺の物なんだよな?俺の好きにして良いんだよな!?服の上からでも構うものか、その膨らみに手をのば「タカオ!!」
「・・・・・・あれ? ミカ?」
目の前にミカがいる。俺の顔を両手で挟み自分の顔に向けている。だから近いって。・・・・・・って、あれ? ルシアの顔が真っ赤っか・・・・・・
「もしかしてまたやっちゃった?」
はあ~、とため息をつくミカ。
「仕方が無い事とは言え、目を合わせる度にこれだとちょっと問題ね」
「すまん」
「ごめんなさい」
「二人が悪い訳じゃないわ。でも・・・・・・そうね、タカオ」
「何だ?」
「タカオ、あなたは早急に、いえ、今すぐにルシアを抱きなさい! 誓約を交わしたから二人は心では繋がっているけど、身体の繋がりはまだ。ルシアはタカオの事を知りたい、自分の事をどう思っているのか知りたい。そういった不安がイモシアを発動させている。だからタカオ、ルシアの不安を取り去る為、今すぐにルシアを抱きなさい。タカオだって毎回ルシアが真っ赤になる程の事を考えているんだから、何の問題も無いでしょ?」
「・・・・・・ミカ・・・・・・お前なぁ、何言ってんだよ。そんな事ばっか言うなよ。ルシア真っ赤じゃねえかよ」
「ルシアを真っ赤にしたのはタカオ。私じゃない」
そりゃごもっとも
「父さん、ルードさんとザックさんが庭で待ってるよ。それにさっきから女の人の声がしてるけど・・・・・・どちら様?」
ナイスタイミングだ一馬! 助かった!
「そうだな! ありがとう一馬。そうだ! この二人はな、こっちが勇者のルシア・アナ・メイシールドだ! 勇者だぞ勇者! そしてこっちがミカ・クリンゲル・サガ! 魔法を使いこなす偉大なる大魔導士様だ! ほら、ミカとルシア! こいつがウチの長男、一馬だ! よろしく頼むな! ほら、ルードとザックが待ってるから居間に行こう! なっ!」
ミカとルシアはジト目で俺を見ている。
「どうしたの父さん・・・・・・何そのテンション。それにそっちの二人は・・・・・・」
「何でも無い! 父さんは大丈夫だ! ほら、二人ともそんな眼をしてないで行こう、なっ?可愛いお顔が台無しだぞ?」
そう言って二人の肩に手を回し居間へ進むように誘導する。
その際に「意気地なし」、「優柔不断」、二人からボソッと言われました。
遥がいない間に二人も妻を増やしてしまった。遥キレないかな? 確実にキレるよな。一馬と一樹への説明もどうしよう・・・・・・。今になって恐ろしくなって来た。
二人はと言うと、楽しそうに話し合っている。しかも何を話しているのか全く解らない。
そう、二人は翻訳の魔導具を外しているのだ。俺に聞かれたくない話をしているんだろうが、ルシアを見れば何となく解るぞ。だってルシアの顔さっきから真っ赤だしな。
ゴンゴンとドアを叩かれる。振り向くとルードとザックが立っており
「終わったか? 話はついたのか?」
とザックが聞いて来る。何と言えばいいのか考えながら窓を開けると
「話は終わった。私とルシアはタカオと器の誓約を交わした」
「・・・・・・そうか! おめでとう、ルシア!」
「うむ、本当にめでたい。ルシアよ、良かったな」
ルードとザックはルシアを祝う・・・・・・あれ? ミカは? ミカを見るとジト目でルードとザックを見ている。
「ねえ、私は?」
「う、うむ、ミカもおめでとう。念願の器の持ち主に娶られて良かったのう」
「だ、だな。ずっと探していたもんな。なんせ123年「バカモノ!」・・・・」
ピシュン! と音がして俺の顔の横を何かが通り過ぎたと思ったら、ドカン! と言う音と共にスーパーの外壁が爆発した。ミカを見ると手の平をこちらに向けている。何か撃ち出したのか?
「・・・・・・ザック?・・・・・・何か言った?」
ザックは無言で首を横に振る。うん、本当にミカに年齢の話をするのは金輪際止めよう。ルード達の間でも禁句だったんだろう。俺は普通の人間だ。あんな物撃たれたらたまらん。
「ま、まあ何にしろ二人ともおめでとう。ほらタカオ、そろそろ行こうぜ」
「っそうだな。ほら、ミカも止めろ。ザックだって祝福してくれようとしただけだって。な?そんな顔してたら可愛い顔が台無しだぞ?」
「解った。タカオが言うなら。・・・・・・私可愛い?」
「ああ、ミカは可愛いよ」
「そんな事言われたのは・・年ぶり・・・・・・」
ミカさんや、今三桁の数字を仰いましたね? 撃たれたくないから突っ込まないけどね。後ろではルシアが“犬の眼”をしてこっちを見ている・・・・・・全くこいつらは・・・・・・ガキかよ。
「ルシアも可愛いよ」
「あ、アリガトウ」
はいはい、相変わらず耳まで真っ赤にしちゃって。
「じゃあ出発するから乗ってくれ」
もう16:00だよ。一馬すまん、腹減らして待ってるだろうな。全員乗ったのを確認し、自宅に向けて出発した。
道中何の問題も無く自宅に着いた。いや、あったか。
ルードとザックが、積んだ酒を半分以上飲み干したのだ。その所為でもう一度リカーショップに寄る羽目になった。
二人は、
「ルシアとミカが結婚したのじゃ! こんなめでたい時に飲まずに何時飲むのじゃ! タカオよこれでは足りん! もう一度さっきの店に寄るのじゃ! 今日は飲み明かすぞ!」
とか言い訳めいた事を言っていたが、
「そっか。じゃあしょうがないね」
という終始ニコニコしているルシアの一言でリカーショップに寄って来た。
そんな訳で自宅に着いたのは17:00だよ。一馬に怒られちまうよ。
トラックを止め荷物を降ろす。
「ルード、流石に一馬達が心配だから先に行っていいか?」
「ああ、構わんぞ」
「カートは家の中に入らないから庭に置いてくれ。そっちから回れば行けるから」
「うむ、解った」
足早に玄関へ向かう。ん? 後ろを見るとミカとルシアが付いて来ている・・・・・・まあいいか。
「一馬ぁ、悪い遅くなった」
玄関で靴を脱ぎ部屋へ入る。後ろからはコッコッと言う音。・・・・・・だよな。異世界じゃ靴を脱いで家に入る習慣なんか無くて当たり前か。地球でも日本と一部の国だけだもんな。
「二人とも済まないが、家に入るときは靴を脱いでくれないか? この国の習慣なんだ」
「解った。・・・・・・でも私はともかくルシアは靴だけ脱ぐというのは出来ない。脱ぐのなら鎧一式になる。ルシア、今は鎧の下は何を着ているの?」
「い、今はハミンしか着てないよ。着替えだって持って来てないし。脱げないよ」
泣きそうな顔をするルシア。ハミンって何だ? 感じからすると下着みたいな物か?
「ルシア、大丈夫だから。タカオ、ハミンと言うのは女性騎士などの、鎧を纏う人用の女性用下着の事。タカオだって初めて家に来ていきなり下着姿になるような女は嫌でしょう? ルシアに何か貸してあげて。あと私のも何か持って来て」
「そうか、まあそうだな。解った。一馬に声かけたらすぐ持ってくるから、ちょっと待っててくれ」
「お願い」
居間に戻ると一馬は寝ていたのか、むにゅむにゅしている。
「すまん一馬。色々あって遅くなった。一樹とジルはどうだ?」
「ああ、おかえり。二人とも問題無いね。ずっと寝てる。・・・・・・話声がするけど、ルードさん以外に誰かいるの? 母さん見つかった!?」
「いや、遥はまだ見つかっていない。話したい事もあるからちょっとここで待っててくれ」
「そう、解った」
次は二人に着せる服か。何がいいんだ? 衣装ケースを漁りながら考える。
ミカは・・・・・・遥のランニング用の水色のジャージでいいか。ルシアは・・・・・・遥のだと小さいしな。俺のグレーのスウェットでいいか。
二着を持って玄関に向かう。ミカは靴だけ脱いで上がっていた。
「じゃあこっちはミカ、こっちはルシアで。あーっと、着方解るか? ルシアの方はこっちが下でこっちが上。ここから体を入れてここから頭を出して、両手はここからな。このぴらぴらが付いている方が後ろだから、間違えないようにな。下は普通に履くだけだから解るだろ。ゆるかったらこの紐で縛って調節してくれ。俺が寝る時に着てるやつだから見栄えは悪いがいいか?」
「ええ!! も、もう!? な、だ、大丈びゅでしゅ」
ん? 何故噛む? 何故そこで赤くなる??
「ミカの方は下は同じだけど上がちょっと違ってな。こうやって羽織ってから手を入れて、このジッパーでこうして上にあげる。遥のだけど大きさ的には丁度いいだろ? 出来そうか?」
「多分大丈夫。出来なかったらタカオにやってもらう」
「そうだな。じゃあ俺はあっちに行ってるから、ここの部屋で着替えてくれ。鏡もあるから大丈夫だろ? じゃあ終わったら声を掛けてくれ。あ、明かりが点かないんだが大丈夫か?」
「ライトの魔法があるから大丈夫。ありがとう」
二人は部屋に入っていく・・・・・・ルシア、鎧を脱がないと靴が脱げないのは解ったが、鎧を着たまま部屋に入ったら一緒じゃねーか・・・・・・。居間に戻ろうとした時、
「ミカ! どうしよう!? 寝る時に着る服渡されちゃったよ! どうしよう!? タカオが! タカオと!」
ん? 何を言ってんだ? ルシアは?
「落ち着いてルシア、私が最初じゃない事は少し不満だけど、ルシアなら私は笑って許せる。それよりもルシア、あなた湯浴みをしたのは何時?」
最初? 着替えを渡した順番か? 湯浴みって風呂の事だよな?
「ええ!? こっちに来る前だから三日前だよ! どうしよう、私臭くないかな!? 浄化の魔法しか掛けてないよ!」
へー、浄化の魔法か。いいな、疲れ切って風呂も面倒くさい時あるしな。二人とも風呂に入りたいのか? 若い女の子だしな。流石に発電機回すか。
「三日か・・・・・・ギリギリね・・・・・・」
何がギリギリ?
「髪だってパサパサだよ! 私こんな状態で初めてなんてヤダよ!」
・・・・・・
「でもそういうのが好きって人もいる訳だし・・・・・・んー、この状態のルシアを見てタカオはそういう服を渡してきた訳だから・・・・・・そのままで良いって事なのでは?」
・・・・・・・・・・・・
「でも!」
「ルシア。あなたはタカオと器の誓約を交わしたのよ。タカオがルシアを抱きたいと言うのであれば、それが何時何処であろうと受け入れなくてはダメ。器の誓約は只の町娘も勇者も関係ないのよ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・こいつらはまた・・・・・・なんですぐに抱く抱かないの方に話を持って行くんだよ。欲求不満か? 会ってその日にやらせる女なんか俺はヤダよ・・・・・・あれ? でも結婚したんだよな? って事はルシアと初夜? あれ、良いのか? 思考が悶々とした方向に行き始めた時・・・・・・
ガチャ
扉を開けてルシアが出て来た。俺がここで待っていた事に驚いたのか目を丸くしている。俺も急にルシアが出て来た事に驚き、お互いに目を合わせてしまった。
・・・・・・やっぱりルシアは綺麗だよな。艶のあるプラチナグレーの髪を腰辺りまで伸ばしてある。その艶でパサパサなのか? 異世界にはトリートメントやコンディショナーなんか無いんだろう? 使ったらどれだけ綺麗な髪になるのか。それにその唇。プニプニと弾力のありそうなその唇を貪りたい。頬も耳も、その首筋にも舌を這わせたい。ああ、スウェット着てくれたんだな。少し大きめの服の上からでも解る胸の膨らみ。もうその膨らみは俺の物なんだよな?俺の好きにして良いんだよな!?服の上からでも構うものか、その膨らみに手をのば「タカオ!!」
「・・・・・・あれ? ミカ?」
目の前にミカがいる。俺の顔を両手で挟み自分の顔に向けている。だから近いって。・・・・・・って、あれ? ルシアの顔が真っ赤っか・・・・・・
「もしかしてまたやっちゃった?」
はあ~、とため息をつくミカ。
「仕方が無い事とは言え、目を合わせる度にこれだとちょっと問題ね」
「すまん」
「ごめんなさい」
「二人が悪い訳じゃないわ。でも・・・・・・そうね、タカオ」
「何だ?」
「タカオ、あなたは早急に、いえ、今すぐにルシアを抱きなさい! 誓約を交わしたから二人は心では繋がっているけど、身体の繋がりはまだ。ルシアはタカオの事を知りたい、自分の事をどう思っているのか知りたい。そういった不安がイモシアを発動させている。だからタカオ、ルシアの不安を取り去る為、今すぐにルシアを抱きなさい。タカオだって毎回ルシアが真っ赤になる程の事を考えているんだから、何の問題も無いでしょ?」
「・・・・・・ミカ・・・・・・お前なぁ、何言ってんだよ。そんな事ばっか言うなよ。ルシア真っ赤じゃねえかよ」
「ルシアを真っ赤にしたのはタカオ。私じゃない」
そりゃごもっとも
「父さん、ルードさんとザックさんが庭で待ってるよ。それにさっきから女の人の声がしてるけど・・・・・・どちら様?」
ナイスタイミングだ一馬! 助かった!
「そうだな! ありがとう一馬。そうだ! この二人はな、こっちが勇者のルシア・アナ・メイシールドだ! 勇者だぞ勇者! そしてこっちがミカ・クリンゲル・サガ! 魔法を使いこなす偉大なる大魔導士様だ! ほら、ミカとルシア! こいつがウチの長男、一馬だ! よろしく頼むな! ほら、ルードとザックが待ってるから居間に行こう! なっ!」
ミカとルシアはジト目で俺を見ている。
「どうしたの父さん・・・・・・何そのテンション。それにそっちの二人は・・・・・・」
「何でも無い! 父さんは大丈夫だ! ほら、二人ともそんな眼をしてないで行こう、なっ?可愛いお顔が台無しだぞ?」
そう言って二人の肩に手を回し居間へ進むように誘導する。
その際に「意気地なし」、「優柔不断」、二人からボソッと言われました。
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