召喚士なのに前に居る

マナ

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1章:異世界

12話:召喚士はハズレジョブ

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 間違いがないか見直して、リズさんに差し出した。

「書けました」
「文字も問題ないですね。わからないところはございませんでしたか?」
「召喚獣を書く場所がわからなかったんですけど、従魔ってところに書けばいいんですかね?」
「召喚獣?」

 リズさんが首を傾げたので、後頭部にしがみついているミケを指さす。ミケに指を叩き落とされた。プライドが高い猫ちゃんですね。
 登録用紙をリズさんとキャサリンさんが覗き込む。何か問題があったのだろうか。

「おーう、ウラナ! 登録は終わったか?」
「タークスさん。まだ終わってないです」
「紙を書いたらすぐ終わるだろ。文字でもわからなかったか?」
「召喚獣を書く場所がわからなくて」
「召喚獣?」

 会話の輪の外にいたヴィンセントさんが入ってくる。なんでヴィンセントさんも同じ反応するんですかね。

「お前、ジョブはテイマーじゃないのか」
「ジョブは召喚士ですけど」
「召喚士!?」

 タークスさんの驚く声がギルド内に響く。叫んだ本人はヴィンセントさんにすっぱたかれていた。耳を抑えてる辺り、大きい声で痛くなったのだろう。そういうところ、猫ちゃんみがあるよね。うちのミケもびっくりして頭皮に爪を立てております。とても痛い。

「いま召喚士って聞こえたか?」
「あのハズレジョブの」
「適性のある奴なんて初めて見たぞ」
「召喚獣も猫かよ。雑魚じゃん」

 ひそひそとした声が聞こえる。召喚士ってハズレジョブなの? 私の見える範囲にいる、魔物らしき動物を連れた人はいったい何なんだろう。

「このっ馬鹿タークス! 何のために私がリズと小声で相談してたと思ってるのよ!」
「驚いてつい。すまん、ウラナ」
「俺も無神経だった。すまない」

 2人から謝られている。謝罪の意図がつかめないんですが、誰か説明してくれませんかね。

「召喚士ってね、大器晩成型なだけあって扱いが難しいのよ。成果が物を言う冒険者となると、ハズレジョブって言われることも多いわ」
「そうなんですね。でも、この場所には私以外の召喚士もいるんじゃないですか?」
「いないのよ。貴女が召喚士と思っている人たちも、テイマーっていうジョブなの」

 ちらほら見える召喚士らしき人達はテイマーっていうジョブの人だった。テイマーと召喚士の違いってなんだろう。

「テイマーは従魔がいなくとも戦う能力があるが、召喚士は召喚獣がいないと戦えない。本人に戦闘能力があるかどうかっていう違いがあるんだよ」
「戦う能力がないっていうのが、冒険者にとって致命的なのよ。召喚獣を突破されたら、あっという間に形勢逆転されるわ」

 だいぶ大きな差があるんだね。確かに、私のスキルって契約、召喚、見切り、受け流し、豪運の5つだもの。戦闘能力ゼロですね。
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