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市長! お仕事です!

研究所の研究成果を見せてもらいましょう! 教会にもご挨拶です!

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 まあ、アレクサンドラとの婚約を結んだ後は色々と雑談をしていたよ。アレクサンドラの幼少のころのお転婆てんばエピソードに話が膨らみまくって、顔を真っ赤まっかにしたアレクサンドラに制止されるくらい、盛り上がったよ。

 そうそう、国王陛下に対して、先月までに公爵領は領有できる地区全てを割譲してもらったことを明かした。それに対し、国王陛下は「無料の割譲権は不要になったということか。ならば、それ相応の額面の援助はすることとしよう。それとここまで領地を栄えさせてくれたのだ。御礼に利息なしの大幅な融資を検討しようではないか」ということを言ってくれたので、それで良しとしよう。利息なしの巨額融資はとてもでかいな。それに陞爵しょうしゃくの記念として、魔銀貨500枚という太っ腹な祝い金が贈られた。

 あと「数年後にきたる隣国との戦争に合わせて、軍事施設を作らせてほしい」と言っていた。国境沿いに5つ、費用は全部国が持つってよ! まあ、快諾したさ! 軍人さんが増えることで経済効果も上がるしな!

 その後は王城で一泊してきた。国王陛下の実子で次の王となる子ゲオルグ殿下が居たけど、とても快活で賢そうな子だったよ。もう7歳になったと言っていたか。ゲオルグ殿下が次の王になる頃には俺も父親になってるんだろうなぁ。

 さて、最高ランクの上のランクの神聖ランクの建物について、最高教育機関の研究所を訪ねにったぞ! まあ、所長曰く「領主とその伴侶の血を1スーゾロル用意し、ふたをした魔導パレット2枚をその2つの血を混ぜ合わせたものに1日浸して、その土地の教会のトップの聖別を受けることで魔導パレットがグレードアップする」んだってよ。
 1スーゾロルってのはこっちではスゾーローっていうんだけど、ぶどう一房から採取できる果汁の平均の量なんだってよ。だいたい前の世界でいうと500ccミリリットルに満たないくらいだってよ。
 あと、空間魔導施設なる物があるらしく、必要とする面積もそれほどでも無く初期費用が安いけど、維持費は高いんだってさ? でも、各地区に置けば領地全体における住居だったり、特殊建築物における収容人数とかが増えるんだって。まあ、置くよね。こういうのは。

 で、伴侶の血という事で気になったのはつい先日に婚約関係を結んだアレクサンドラのこと。所長に「私ヘルイェスが国王陛下の承認の元、このアレクサンドラと婚約したのですが、伴侶として認められますか?」といたら、「それはおめでとうございます! いつも寄り添ってる2人のご成婚の確約がなされているならば、伴侶として認められます!」ってよ。
 ということで、早速、研究所の所長も引き連れて、中心地区の教会に向かったさ!
 で、そこでもそこの教会長を務めてる枢機卿すうききょうに「おめでとうございます! 王都でも領地でも華燭かしょく祭典さいてんおこなうかと思いますが、ぜひ領地の方での祭典の祭祀さいしを執り行う役目を果たさせて下さい!」と祝福をうけたよ! それは今までお世話になってきた方なので即答で了承しました。

 あと、国王陛下の勅許状ちょっきょじょうを持って、銀行に行ったよ。公爵となり、そのお祝い金としてもらった魔銀貨500枚が原資としてあることも伝えたら、同額の無利子融資をしてくれた。来年1月からの2年間での返済です!

 ということで、はい。そういった事をした結果として、新しい魔導パレットがたった今、俺の手にありますよ! 早速、使いましょう!

 まず、先に軍事施設の用地となるところを先に決めてしまいましょう。2の11地区、4の12地区、8の12地区、10の11地区、12の10地区だな。それを決めたからアレクサンドラには国王陛下に今週末にでも報告しておいてもらおう。そこに繋がる道路だけは繋げておきますか。

 まあ、色々とやらんといけないことは一杯あるんだけどさ? まずは新しい中心地区、いや、もう首都と呼ぼう! 首都を6の7地区に定めないとね! ということで6の7地区の中心地に公爵の屋敷を新築しよう! 後は王都の屋敷は増築します。で、首都に置く特殊建築物は全部神聖レベルで新築します。義務教育機関は初等5つ中等3つの合計8校、高等教育機関は2校の新設でそれ以外の特殊建築物は首都に1つずつという形にしますよ。まあ、ちょっとした差別化だよね。

 あとは教育には力を注ぎたいところでもあるし。先程述べた首都のような義務教育機関、高等教育機関の配置は他の地区でも同じようにします。最高教育機関は6地区に1つという感じの構成で大丈夫かなと。

 ちなみにアレクサンドラや研究所の所長によると、もうこれ以上特殊建築物の種類は増えないらしい。それと国王陛下によると隣国は5年後に滅ぼすとさ。で、俺の公爵領に隣接したところに新しい首都を建てたいんだとさ? それについては建造計画の策定を含めてゲオルグ殿下が即位した頃に俺に頼みたいらしい。

 そうそう。公爵領としてふさわしい税収を得たいので人頭税は5年半前の税額の3倍、法人税は5年半前の税額の8倍を頂くことにしたよ。これでしばらくは持つんじゃないかな?
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