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市長! お仕事です!
華燭の祭典! そして今日こそは新婚初夜!
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あれから2日。今日は王都での華燭の祭典である。
しっかりと我慢に我慢を重ねた2日間。ようやっと今日、俺は報われるのだな!
今日のレクシーと俺。王国の貴族としての正装を身に纏っている。
俺は黒のシルクハット、白のシルクシャツ、白のシルククラバット、青のシルクウェストコート、濃い深緑のシルクコート、白のシルクパンタロン、白のシルクグローブ、そして黒革のブーツ。アクセサリはアレクサンドラから貰った一式のものを着けた。伝統的にはベルトを使わないのだがな? 今回はベルトとサスペンダーを両方着用する形とした。
コートの左胸には公爵の位を持つ事を示すための徽章として、我が家の紋章をワッペンにしたものを貼り付けている。我が家の紋章は天秤と金貨を左上に、果物や穀物を右下に配している。左下は紅白の4本縞、右上が赤と青の4本縞を地に白の二重十字を模したものを配しているが、これはマギャロルズザーグ王国の貴族であることを示すためのものだ。
レクシーは肩の部分が青、スカート部分が赤でその間をグラデーションがかかるようにして青紫から赤紫を経由して色が変遷していっているドレスを身に纏っている。ドレスの形はマーメイドドレス。頭には王女であることを示す冠を被り、髪型はハーフアップだ。アクセサリは俺が贈ったもの全て着用している。このドレス、由来があるもので初代国王の第3王女がこの国の公爵に嫁いだ華燭の祭典で着用したものである。以来、代々の王女が国内の公爵に嫁ぐ際の婚礼に着用するのが習わしとなったものである。ということを王妃陛下より伺った。
まあ、見事に綺麗なものである。高貴な女性であるということをまざまざと見せつけられたものである。
まだ式は始まっていないから、後ろを見てみるか。
お! あそこにいるのはゲオルグ第1王子殿下か! ちっちゃいなりに王族の衣装を格好良く決めてるな! 彼自身は物心付く前からレクシーとは離れて過ごしてたからな。あまり実感は無いかも知れないが義理の姉であり実の従姉であるからな。とりあえずはこうした親族の華燭の祭典を通して、将来の予行演習としてほしいものである。
あ、あそこにいるのはカソルドボルク公爵であったか。我が王国の南東に領地を持っており北部が敵国と隣接しているという武闘派公爵である。今回の軍事施設の建設に伴い、責任者としてご挨拶させてもらったが実に気風の良いお方であり、頼りになるお方でもある。何度か交流をして仲が良くなった。
――パーンパカパーーン。
ファンファーレが鳴った。ということは……。っと、そろそろ始まるか。
俺は王都の教会の大聖堂、その祭壇の前の階段の下で左手の掌を後ろに向けて待っている。レクシーはレクシーの母方の祖父である前フォーリョフェル公爵閣下を左に従えて歩いてきているようだ。
俺の眼前には王都の神官長でもあられる、この国の筆頭枢機卿、そして国王陛下、王妃陛下がいる。
暫く待つと左の掌に柔らかい感触が伝わった。ふと左を見るとレクシーの笑顔が眼前にあった。さあ、共に祭壇に登ろう。
祭壇に登った後の誓いの言葉と誓いのキスの流れは領都で行ったこととほぼ同様であった。違ったのは誓いのキスが終わった後から。
「ここに集いしマギャロルズザーグ王国の王侯貴族よ! 今、ここに新たなる気鋭の夫婦が誕生した! この夫婦はこの6年の間、新たに得た領地に150万を超える民を集めた! そして、その地から生まれる人材がこの国の新たなる希望となるのだ! どうか、この若き夫婦を祝福してやってほしい! これはサンドラを実の娘のように育てた私の切なる願いだ! 聞き入れてくれるか!」
国王陛下の祝いの辞がとても身に染みる。ああ、そうだな。この5年間で領地から出ていった子たちが冒険者なり軍人なり学者なり、職人なり、様々な職業で頑張っているという話はよく聞く。本当に俺のやってきたことは間違いでなかったのだと胸が熱くなるのだ。
**********
あれから祭典は恙無く進み、祭典の最後は王都中を幌が無い馬車に乗り、俺たちを披露した。
それから王城に戻り、レクシーの衣装を変えた後に、宴が始まる。そして、俺たちは宵が進んだ頃に宴席を中座した。中座の仕方は俺がレクシーをお姫様抱っこである。この6年しっかりと鍛え上げた身体にレクシーの体重が預けられる。俺の胸は柔らかい感触でいっぱいだ。
さあ、レクシーの寝室だ。レクシーの幼少期の侍女だった方、今も領都屋敷の侍女長をやっておられる方がレクシーの寝室の扉を開けてくれる。
――ガチャッ。
俺は中に入りレクシーを腕から降ろす。レクシーはこのまま湯浴みへと言ってしまった。
ああ、ここがレクシーが12まで寝ていた部屋か……。
とてもレクシーらしさが溢れた部屋だな。中に置いてある者の説明は割愛しよう。これは俺とレクシーの中だけの思い出だ。
――ガチャッ。
暫くして夜着の上に綿の白のガウンを身に纏ったレクシーが現れた。
「うふふふ。ルイ様! どうかしら?」
ああっ! レクシーは何でこうも俺を煽ってくるんだ! 夜着やガウンから覗く湯浴みで仄かに紅潮した身体。身体のラインはとても艶めかしい。そして、その身体から漂う甘い香り。それは全て俺の理性を奪うのに十分すぎるのではないだろうか! これ以上、俺を惑わせてどうするというのか!
「ああ。とってもとっても綺麗だ。レクシー? 俺はお前に今晩、目いっぱいの愛を注ぐ。もちろん最初は優しくする。でも、覚悟はしておいてくれ?」
「ええ。覚悟しますわ。だから、私を目一杯愛してくださいませ。ルイ様!」
最初は理性を僅かながらにでも保つので精一杯であった。でも、やはり理性は時を経るごとに失い……――
しっかりと我慢に我慢を重ねた2日間。ようやっと今日、俺は報われるのだな!
今日のレクシーと俺。王国の貴族としての正装を身に纏っている。
俺は黒のシルクハット、白のシルクシャツ、白のシルククラバット、青のシルクウェストコート、濃い深緑のシルクコート、白のシルクパンタロン、白のシルクグローブ、そして黒革のブーツ。アクセサリはアレクサンドラから貰った一式のものを着けた。伝統的にはベルトを使わないのだがな? 今回はベルトとサスペンダーを両方着用する形とした。
コートの左胸には公爵の位を持つ事を示すための徽章として、我が家の紋章をワッペンにしたものを貼り付けている。我が家の紋章は天秤と金貨を左上に、果物や穀物を右下に配している。左下は紅白の4本縞、右上が赤と青の4本縞を地に白の二重十字を模したものを配しているが、これはマギャロルズザーグ王国の貴族であることを示すためのものだ。
レクシーは肩の部分が青、スカート部分が赤でその間をグラデーションがかかるようにして青紫から赤紫を経由して色が変遷していっているドレスを身に纏っている。ドレスの形はマーメイドドレス。頭には王女であることを示す冠を被り、髪型はハーフアップだ。アクセサリは俺が贈ったもの全て着用している。このドレス、由来があるもので初代国王の第3王女がこの国の公爵に嫁いだ華燭の祭典で着用したものである。以来、代々の王女が国内の公爵に嫁ぐ際の婚礼に着用するのが習わしとなったものである。ということを王妃陛下より伺った。
まあ、見事に綺麗なものである。高貴な女性であるということをまざまざと見せつけられたものである。
まだ式は始まっていないから、後ろを見てみるか。
お! あそこにいるのはゲオルグ第1王子殿下か! ちっちゃいなりに王族の衣装を格好良く決めてるな! 彼自身は物心付く前からレクシーとは離れて過ごしてたからな。あまり実感は無いかも知れないが義理の姉であり実の従姉であるからな。とりあえずはこうした親族の華燭の祭典を通して、将来の予行演習としてほしいものである。
あ、あそこにいるのはカソルドボルク公爵であったか。我が王国の南東に領地を持っており北部が敵国と隣接しているという武闘派公爵である。今回の軍事施設の建設に伴い、責任者としてご挨拶させてもらったが実に気風の良いお方であり、頼りになるお方でもある。何度か交流をして仲が良くなった。
――パーンパカパーーン。
ファンファーレが鳴った。ということは……。っと、そろそろ始まるか。
俺は王都の教会の大聖堂、その祭壇の前の階段の下で左手の掌を後ろに向けて待っている。レクシーはレクシーの母方の祖父である前フォーリョフェル公爵閣下を左に従えて歩いてきているようだ。
俺の眼前には王都の神官長でもあられる、この国の筆頭枢機卿、そして国王陛下、王妃陛下がいる。
暫く待つと左の掌に柔らかい感触が伝わった。ふと左を見るとレクシーの笑顔が眼前にあった。さあ、共に祭壇に登ろう。
祭壇に登った後の誓いの言葉と誓いのキスの流れは領都で行ったこととほぼ同様であった。違ったのは誓いのキスが終わった後から。
「ここに集いしマギャロルズザーグ王国の王侯貴族よ! 今、ここに新たなる気鋭の夫婦が誕生した! この夫婦はこの6年の間、新たに得た領地に150万を超える民を集めた! そして、その地から生まれる人材がこの国の新たなる希望となるのだ! どうか、この若き夫婦を祝福してやってほしい! これはサンドラを実の娘のように育てた私の切なる願いだ! 聞き入れてくれるか!」
国王陛下の祝いの辞がとても身に染みる。ああ、そうだな。この5年間で領地から出ていった子たちが冒険者なり軍人なり学者なり、職人なり、様々な職業で頑張っているという話はよく聞く。本当に俺のやってきたことは間違いでなかったのだと胸が熱くなるのだ。
**********
あれから祭典は恙無く進み、祭典の最後は王都中を幌が無い馬車に乗り、俺たちを披露した。
それから王城に戻り、レクシーの衣装を変えた後に、宴が始まる。そして、俺たちは宵が進んだ頃に宴席を中座した。中座の仕方は俺がレクシーをお姫様抱っこである。この6年しっかりと鍛え上げた身体にレクシーの体重が預けられる。俺の胸は柔らかい感触でいっぱいだ。
さあ、レクシーの寝室だ。レクシーの幼少期の侍女だった方、今も領都屋敷の侍女長をやっておられる方がレクシーの寝室の扉を開けてくれる。
――ガチャッ。
俺は中に入りレクシーを腕から降ろす。レクシーはこのまま湯浴みへと言ってしまった。
ああ、ここがレクシーが12まで寝ていた部屋か……。
とてもレクシーらしさが溢れた部屋だな。中に置いてある者の説明は割愛しよう。これは俺とレクシーの中だけの思い出だ。
――ガチャッ。
暫くして夜着の上に綿の白のガウンを身に纏ったレクシーが現れた。
「うふふふ。ルイ様! どうかしら?」
ああっ! レクシーは何でこうも俺を煽ってくるんだ! 夜着やガウンから覗く湯浴みで仄かに紅潮した身体。身体のラインはとても艶めかしい。そして、その身体から漂う甘い香り。それは全て俺の理性を奪うのに十分すぎるのではないだろうか! これ以上、俺を惑わせてどうするというのか!
「ああ。とってもとっても綺麗だ。レクシー? 俺はお前に今晩、目いっぱいの愛を注ぐ。もちろん最初は優しくする。でも、覚悟はしておいてくれ?」
「ええ。覚悟しますわ。だから、私を目一杯愛してくださいませ。ルイ様!」
最初は理性を僅かながらにでも保つので精一杯であった。でも、やはり理性は時を経るごとに失い……――
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