異世界で王城生活~陛下の隣で~

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15祝・露天風呂完成

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 夜は陛下と一緒に食事をした。

「マチルダたちとは上手くやったようだな」
「ええ、何とかなったみたいです」
「これから色んな貴族がユリカに謁見を申し込んでくるぞ」
「えー、イヤだなそれ」
「安心しろ、俺と女官長でふるいにかけるから」
「なるべく会わない方でよろしく」
「ハハッ、全部は無理だが任せて置け」
「あーあ、やっぱり庶民として暮らしたいかも」
「えっ?それは駄目だ!」
「何で?」
「それは……迷子の子ウサギを市井の様な危険なところに放せる訳がない」
「何とかなりそうだけどなー」
「なる訳がない却下だ!」

 食事をしながらこんな会話をしている陛下と私を、侍女ズとキャステルさん、それにルードさんまでもが、微笑ましいものを見るようにこっそりと笑っていたのは知る由もなかった。


 この世界に来て二週間。
 これから色々と面倒な事がありそう。
 私の二度目の人生どうなるの?
 あー、考えたくもない。
 今は露天風呂の完成だけど楽しみに待っておこう。



 数日後、露天風呂完成の吉報が届いた。
 約十日で露天風呂完成って凄くない?
 魔石とか魔法的なものとかがあるからなのかなー。
 いや、職人さん達の頑張りのお陰に違いない。どんだけ頑張ってくれたんだろうか。
 ありがとうです。
 キャンちゃんごと来いと云う陛下からの伝言を聞いて、また侍女ズとルークさんを乗せて移動する。
 三人ともまだ不思議そうだわ。

 四日ほど忙しくてここへは来れていなかったんだけど、ついてビックリ!
 露天風呂は川面を除いて、コの字型に希望通り板塀で囲われていて。
 うん、良い感じだ。良い感じだけど、この周囲の鉄柵はなに?
 露天風呂を囲むように三方向に二メートルを超える高さ鉄の柵が張り巡らしてある。
 この鉄柵の中の広さ……テニスコートが幾つ入る?正面に門があって、門番らしき人がそれを開けてくれた。門から露天風呂のとこまで云十メートル、キャンちゃんの車幅に合わせて走り易いように石畳が敷かれている。
 露天風呂のある場所は三メートルばかり高いので、そこまでは緩やかな坂道のなっている。露天風呂の横にはキャンちゃんを止めるスペースと思しき石畳。露天風呂とキャンちゃんの間にはバーベキュースペース(これは私が希望を出して置いた)もある。
 うん、中は良いんだよ。希望通りだし、だけどやはり鉄柵が気になる。

 キャンちゃんを止めて下りていくと、陛下とキャステルさん、それに職人さんたちが笑顔で迎えてくれた。

「みなさん、ご苦労様でした!」
「どうだ、ユリカ気に入ったか?」
「ささ、ユリカ様、この風呂を見てやってくださいな」
 親方さんに言われて露天風呂をかこむ引き戸を開ける。
「こちらの扉はユリカ様の希望通り、キャンちゃん様側は全部解放できるようにいたしました」
「ありがとう親方さん、素晴らしいです!」
 ユリカはガラガラと扉を押していった。誰もいなければ、ここは解放した状態で入浴できるし、水着を来ていれば、入浴しながらバーベキューも出来る。
 最高じゃん!!!

 一段上った先には、お・風・呂♡

 おお!ホントに素晴らしい♪風呂自体はヒノキなんてあるか分からないから、石造りの浴槽になった。もちろん周囲には転々と岩というか石を置いて貰って岩風呂に。全体的に底上げしているので風呂周囲は二メートルほどの幅で石の床になっている。絶えず浴槽から溢れ出ているから石でも冷たくないね。
 溢れたお湯はちゃんと地下の排水溝へ流れるようになっているし。温水、冷水シャワースペースも完備。露天風呂の上には半分屋根が掛かっていて、その屋根は全天候型で魔道具により開閉出来るんだって。キャンちゃんの頭上にも伸ばすことが出来る。

「陛下こんな立派な露天風呂、ありがとうございます。ふふ、五人くらい余裕で入れますね」
「ああ、眺めも良いだろう?」
「うん、高くして貰って良かった。川を見下ろしながら向こうの森林も見えて最高だわ」
「寒くなれば、動物が川に入りに来るのも眺められるしな」
 陛下は至極満足気に笑った。

「ところで陛下、あの柵は何でしょうかね?」
「おお、あれか。風呂に入る時に外部からの侵入を防ぐ為だ」
「にしても広すぎませんか?」
「将来、ここの敷地内に館を作る予定だからな」
「えっ?うそっ。」
「嘘ではない。風呂が出来たらお前は入り浸りになるだろう?その為には、侍女や護衛のための寝床も必要になる。ユリカ専用の離宮を作る予定だ」
「うっ、そんな大げさな……」
「まあ、ユリカは気にせず風呂に浸かっておればいい」
「はい……」

 こうして念願の露天風呂は完成し、キャンちゃんの居場所もここに決まった。

「ではお湯を流します」
 親方さんがあの井戸のような湯元から引いたコック開けると乳白色のお湯が流れ込んできた。
 思わず拍手をしてしまう。

「どの位で溜まりますかね?」
「夕方には入れるだろう。ちゃんと温度調節用の魔石も組み込んである」
「わっ、凄い楽しみですね~」
「ああ、夕食を済ませてから部屋に向かいに行く」
「えっ?」
「入りたいのだろう?風呂に」
「ええ、モチロンですけど、何故に陛下?」
「私だって入りたいぞ」
「ええ、混浴?」
「なんだ、あのプールというもので男女一緒に入っておるのだろう?」
「それはそれ、お風呂は基本裸ですよ!」
 陛下がニヤリと笑う。
「あの水着とやらを着ればいいではないか。それにこれだけ濁っていたら見えないぞ」

「げっ!」

 水着が見たいだけだろう、オマエは!!!

「駄目です!初日は一人で満喫、もしくは侍女ズと三人で裸のお付き合いをします」
「ふん、ユリカはこれを作ってやった私を蔑ろにするのだな」
「そ、そうい訳では……でしたら、女子が入っている間ですね。キャンちゃんの中でワインでも飲んでいていて下さい。私たちが出たら交代で陛下たちが入る。うん、これで行きましょう」

 陛下は渋い顔をしながらキャステルさんの方を見た。
 諦めなさいと肩を竦められてしまい陛下は諦めてくれたみたいだった。

 ふぅ…………。


**********

※明日から投稿が午後九時すぎになります。

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