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第117話 求愛! 少女と少女の母が求める家族の愛の形! (Cパート)
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かなみは涼美を連れて、昨日チウチウと戦った場所まで行く。
「ランラン、ララ―ン♪」
涼美はスキップしながら鼻歌交じりにやってくる。
「ご機嫌ね」
「だって~かなみと一緒にお仕事だものぉ、かなみはぁ嬉しくないのぉ?」
「私は……」
嬉しい、というより、頼もしい。といった方が正しかった。
涼美は自分よりも強いし、経験豊富で、あの厄介な魔法を使う怪人にも何らかの解決策をもって倒してくれるだろう。
しかし、今に限っては一緒にいるのは気まずい。
涼美に黙って告白してきた男性に会ってきた。
このことを知ったら、母は自分のことをどう思うのか。そう考えると後ろめたい気持ちになってきて、気が重くなってくる。
「んん?」
涼美はこちらの様子を伺ってくる。
「……嬉しい」
本当とも嘘ともいえない微妙な気持ちのまま、そう答えた。
「そう言ってくれて~、もっと嬉しいわぁ」
涼美は手を叩いて喜ぶ。
そのせいで、かなみは余計に後ろめたい気持ちになる。
「ここだよ」
マニィが言う。
「昨日はここに怪人がいたんだよ」
「今日はいないみたいねぇ」
「昨日、逃しちゃったからもうここにはいないでしょ」
「ここも手がかりの一つだからねえ。とはいえ、数ある目撃情報の一つだけどね。昨日は一発目で当たりを引けたけど、今日はどうだろうか」
「その目撃情報の地図を見せて~?」
「いいよ」
マニィはかなみの肩から涼美の肩へ飛び移って、涼美に地図を見せる。
「どれどれぇ」
涼美は地図を楽しげに目を通す。
「なるほどねぇ、わかったわぁ」
「わかったって何が?」
「敵のいる場所よぉ」
「なんで地下水道なのよぉッ!?」
かなみはその場にあったマンホールから地下水道に降りて早々に文句を言う。
地下なので反響がする。
「しー、敵に聞こえちゃうでしょぉ」
「あ、ごめん……」
かなみは口を塞ぐ。
「それで~どうして~地下水道かっていうとねぇ、この地図を見ればわかるのよぉ」
「地図を見ればわかるって……」
かなみは地図をもう一度見てみたけどわからなかった。
「目撃情報は五ヶ所あって~、どこも路地裏で~飲食店の近くなのよねぇ」
「気づかなかった……」
「それにぃ飲食店はぁあそれぞれ地下水道で~繋がってるわぁ」
「なんでそんなことまで知ってるの?」
「仕事柄ぁ、都心の地下道はぁだいたいぃ把握してるのよぉ」
「どういう仕事よ?」
「聞きたい?」
「聞いたら教えてくれるの?」
「この仕事が終わったらねぇ」
「教えてくれないのね」
かなみは先を歩いて行ってしまう。
「あぁ、かなみぃ、待って~?」
「ん?」
「聞こえてこないぃ?」
そう言われて、かなみは立ち止まって耳を澄ます。
地下の水音と自分達の息遣い以外何も聞こえない。
「足音ぉ」
「――!」
そう言われて、自然と敵の怪人のモノと理解した。
(私には全然聞こえないけど、母さんには聞こえる)
母は冗談でそんなことを言わない。
それも近くにいるからこそ警戒の意味合いもかねて言ったに違いない。
「こっちが近づいてきているのもぉ気づいて~、息を潜めているようだけどぉ、私にはバレバレなのよねぉ」
「ええ、なんで気づかれたのよ」
「かなみがぁ大きな声をぉ上げるからでしょ」
「あぁ……」
さっき声を上げてしまったときのことだ。
そのことをやんわりと母に指摘されて、不注意だったと密かに反省する。
「あぁ、それともぉう囲まれてるわねぇ」
「……え?」
カタ! バシャ! カタ! バシャ!
その瞬間を見計らったかのように、足音とともに水しぶきまで上がってくる。
「わ、わわ!?」
ワラワラと昨日見た怪人・チウチウの顔が次から次へと姿を表す。
涼美が言うように、周りは取り囲まれていて、数は昨日よりも遥かに多く、ざっと見回して百を超えている。
「二百五十五人ねぇ」
涼美はその数を口にする。
「多すぎじゃない!?」
「そりゃ、こっちは子に孫にひ孫全員やられたからでチュー! こんだけ用意しなくちゃならなかったんでチュー!!」
一人のチウチウが代表者のような形で発言してくる。
こいつが昨日取り逃がした大元のチウチウだろう。
「二人の子供! 四人の孫! 八人の曾孫! 十六人の玄孫! 三十二人の昆孫! 六十四人の仍孫! 百二十八人の雲孫! しめて二百五十五人の大家族でチュー!!!」
チウチウは自慢げに披露する。
「ほ、本当に二百五十五人もいるのね……ネズミ講ってこんなに酷いことになるのね……」
かなみは数の多さに目まいまでしてきそうだった。
これを全部倒さなくちゃいけないのかと思うと、面倒で面倒で……。
「なるほどねぇ、孫の孫って玄孫っていうのねぇ」
「母さん、それはどうでもいいから、っていうか玄孫の下なんて初めて聞いたわよ」
「かなみの昆孫の顔もぉ見てみたいわねぇ」
「母さん! それ無理あるわよ!? せめて孫の顔って言って!!」
というか、昆孫の顔って何年生きたら見れるのだろうか。
涼美だったら長生きしそうで怖いけど。
「お前らがグズグズしてるようだったらさらに二百五十六人の雲孫の子供を生んでやるぜ!」
かなみと涼美の母娘のやりとりに、チウチウは業を煮やしたようだ。
「わーこれ以上増えないで!!」
「大丈夫よぉ、かなみ♪ 彼はぁこれ以上増えないからぁ、というより~――増やせないでしょ」
「な、何ぃッ!?」
涼美の放たれた一言に、チウチウは狼狽する。
「これだけの人数をぉ生み出すにはぁ相当な魔力がぁ必要よねぇ。昨日かなみにいっぱい倒されたんだからぁ尚更ねぇ」
「チィッ!」
チウチウは舌打ちする
「飲食店をぉ周り歩いて~残飯あさりして魔力を補充してたみたいねぇ、この街から逃げなかったのはぁ食べて魔力を確保しなくちゃいけなかったけどぉすぐ見つかっちゃったからぁそれもご破談ねぇ、これだけの数を揃えたのはぁ最後のせめてもの悪あがき」
「く、くそぉッ!!」
考えを全部看破されたチウチウは悔しさのあまり歯ぎしりする。
「ええい、こうなったら俺の子供たちがお前達を袋叩きにしてやるでチュー! これが本当の袋のネズミでチュー!」
「ふぅん、袋のネズミねぇ。かなみだったらぁネズミでも可愛いんじゃない~?」
「呑気なこと言ってないで、変身しなくちゃ」
かなみは呆れつつも、コインを取り出して放り投げる。
陽の光が閉ざされた暗闇の地下水道にまばゆい黄色の光が出現する。
「まぶしッ!?」
チウチウはその光に目が眩む。
その間に、黄色の衣装を身に纏った魔法少女二人が姿を現す。
「愛と正義と借金の天使、魔法少女カナミ参上!」
「鈴と福音の奏者・魔法少女スズミ降誕!」
母娘揃って、ポーズを決めて名乗りを上げる。
「ええい、それがどうした! 束になってかかれば倒せるに決まってる!! いけ、我が子供達! 孫達! 曾孫達! 玄孫達! 昆孫達! 仍孫達! 雲孫達!」
「「「おおぉぉぉぉぉッ!!」」」
二百五十四人のチウチウは怒声を上げて一気呵成に襲いかかってくる。
「そぉれ」
その渦中にいるスズミは対照的に気の抜けそうな声を出して、巨大な黄金鈴を天井近くまで放り投げる。
チリィィィィン!!
その鈴から空気を揺るがすほどの強烈な音色が発せられる。
「ん……!」
カナミはその音響にたじろいだ。
しかし、ダメージは無かった。
「ががががががッ!?」
チウチウ達は一斉に歯ぎしりして、ガタガタ震えて、バタバタと倒れていく。
「何が起きたの?」
カナミはスズミに訊く。
二百五十五人のチウチウは一人ひとりだんだんと動かなくなっていく。
スズミに何か秘策があるように見えたけど、こんなにもあっさりと倒すとは思わなかったし、一体何をしたのかわからなかった。
「超音波よぉ、ネズミってそういうのが苦手でしょ?」
「ネズミじゃなくて、怪人でしょ」
カナミが母にツッコミを入れる。
「細かいことは気にしないのぉ、弱い怪人ならぁこれ一発で終わりなんだからぁ」
「アハハハ、一発で終わりね。でも、私もその音波を聞いたんだけどなんともないけど」
カナミは自分の耳を撫でて、確かめてみる。
ちょっと耳がキーンとしたものの、それだけでなんともない。
弱いとはいえ怪人を倒せるほどの超音波なら自分にだってダメージがあってもおかしくないはずなのに。
「怪人を倒すぅ、人には害がないぃ、そういう波長になるようにぃ調節したからよぉ」
「へえ、そんなこともできるのね」
「凄いでしょぉ」
「うん、凄い!」
「アハハハ、もっと言って~言って~」
カナミの素直な物言いに、スズミは上機嫌になる。
「……あ、でも、こんな簡単に倒しちゃったら、私が変身した意味って……」
ふと冷静になって、カナミは自分の存在意義について疑問に思った。
「ボーナス入金確認!」
地上に出たかなみは携帯電話で、ネズミ講怪人チウチウを倒したことによるボーナスの入金を確認して、ガッツポーズをとる。
いつもならこの確認はマニィの役目なのだけど、涼美の超音波で身動きがとれないくらいのダメージが受けたそうだ。
どうにも同じネズミだったから超音波の影響を受けたみたいだけど、涼美はこれに対して「マスコットはぁさすがに計算外だったわぁ」と苦笑した。
というわけで、マニィはカバンの中で大人しくしている。
「さぁて、ボーナスも入ったことだしぃ~今夜はぁごちそうねぇ」
「母さん、あんまり派手に使わないんでね」
とはいえ、今日はほぼ涼美の功績といっていいので、ボーナスを使う権利は涼美にあるので注意くらいしないつもりだった。
「それじゃぁ、このままぁお買い物しましょうかぁ」
地上に出てすぐそこはもう商店街だった。
せめて、母が無茶な財布の使い方をしないように注意するくらいしようと、かなみは心に決めた。
そこで何かを忘れているような気がした。
「――あ!」
そこへ二人を呼び止める男の声がする。
「あぁ……」
そこで、かなみは思い出す。
商店街で涼美を探している人のことを。
「あの!」
「また会ったわねぇ」
涼美と平木は顔を合わせる。
(まずい……)
かなみはとっさにそう思って、涼美の陰に隠れようとする。
昨日会ったばかりで、来葉の助手ということになっている。それが、今日は意中の人と一緒にいる。どういうことなのか問い詰められるし、そんなことをしていたと涼美にバレたらまずい。無駄な抵抗だというのに。
「いえ、あなたに会いたくてきたんです」
「それは嬉しいわねぇ」
(……え?)
かなみは呆然として、涼美の顔を見上げる。
社交辞令なのか、本当の気持ちなのか、その微笑みからは伺い知ることができない。
「それで……お返事は……?」
平木は恐る恐る尋ねてきた。
「………………」
涼美はすぐには答えなかった。
かなみにはそのしばしの沈黙がどうしようもなく重苦しく感じた。
(え、母さんまさかオーケーするの? でもオーケーしたら父さんはどうするの? でも父さんがしでかしたことを考えたら仕方ないような、でもまだ離婚したわけじゃないから、あ、でも父さんが逃げたから離婚してないだけで、でもでも二人はまだ夫婦だから、これって不倫になっちゃうんじゃ!? って、母さんどうするの断るの!? 断らないの!?)
堂々巡りのように動き回る頭とは別に気づかないうちに涼美の服を掴む手が震えていた。
その震えは涼美に伝わっていた。
「……ごめんなさい」
涼美は一礼する。
「……え?」
今度は平木の方が何が起きたのか分からずに唖然とする。
「……どうしてでしょうか?」
しかし、納得がいかず、涼美へ問いただす。
「それはねぇ……」
「あ、あの、母さん……?」
「なぁにぃ?」
商店街で平然と買い物を続ける涼美。
そんな涼美の背中を見続けて、いたたまれなくなって問いかけた。
「……あの、その……怒ってない?」
「どうして~?」
「……バレてるよね?」
「平木とぉ会ったことぉ?」
やっぱりバレていた。
こうみえて察しがいい母なのであった。そして、怒ると怖い。
「うん」
しかし、ここは素直に答えることにした。
「怒ってないわよぉ。むしろ、嬉しかったわぁ」
「嬉しかった?」
「かなみがぁ私のことをぉ考えてくれたことだからぁ」
「考えていた……? 私が母さんのことを考えていたか……わからないけど……」
「考えてなかったらぁ、会いに行かないわよぉ」
「そうなのかしら……そうなのかも……」
「――それで、あの人に会ったの?」
ドキリとする。
母が『あの人』呼びする人は父しかいない。それを問いかけられて、一瞬胸が高鳴ってしまった。
それだけで母には全てわかってしまう。
「フフ、かなみはぁわかりやすいわねぇ」
「と、父さんは……」
「私がいないときを見計らって、かなみに会いにきたのね。あの人はそうする人だからね。それであの人はなんて?」
「う、うーん……」
かなみはなんて答えたらいいのか困った。
それというのも、母が『あの人』と口にするとき、気温が数度下がったかのような冷たさを感じる。
「……母さんが、告白されたこと、気にしてた」
「……そう」
母はただそれだけ答えて顔を見せなかった。
ただ、かなみから見た印象はこうだった。
――ちょっぴり嬉しそう。
「ごめんなさい」
アパートの部屋に戻るなり、来葉が額を床につけて謝罪してきた。
何事かと、かなみは面を食らった。
一方の涼美は、平然としていた。
「土下座ってレアよねぇ」
「こうした方いいかと思って」
来葉は申し訳無さそうに言う。
「うん、そうねぇ。かなみをぉそそのかしたのはぁいただけなかったわねぇ。それに色々調べてたみたいだしぃ」
「母さん、やっぱり怒ってる?」
かなみは恐る恐る訊く。
「うぅん、全然怒ってないわぁ、かなみにはぁ」
『かなみには』、その言葉が余計に怖く感じてしまった。
「だからぁ、わかってるわよねぇ」
「お詫びの品物もってきたわ」
来葉はパックを涼美へ差し出す。
「わ~牛肉ねぇ」
涼美はパッと明るくなる。
「かなみ、今夜はすきやきよぉ」
「母さん、それは嬉しいけど来葉さんのことは?」
「まあぁ、元々怒ってたぁわけじゃないからねぇ、許すも許さないも何もないわよぉ」
「そうだったの!? すごく怒ってると思ったのに!?」
「母さんは寛大なのよぉ」
「え、それは……」
納得しかねるところがあった。
「それじゃ今日はぁお鍋パーティしましょう。来葉ちゃん、手伝って~」
「え、えぇ……いいけど」
涼美と来葉は牛肉のパックを持って、台所へ移動する。
「あれ、でも今日は(肉なしの)野菜炒めにするって?」
「こんなにぃいいお肉がぁ入ったんだものぉすきやき~すきやき~」
涼美は歌いながら商店街の八百屋から買ってきた野菜を切っていく。
「まったくゲンキンなんだから」
来葉はそう言いながら、隣で野菜を切っていく。
「あの、来葉さん? 来葉さんはああなるのがわかっていたんですか?」
「ああなる? さて、何のことだか……」
「来葉さんって、とぼけるのが下手ですね」
「そう。かなみちゃんに言われると心外ね」
「え~」
「二人ともぉ、全部聞こえてるわよぉ」
涼美の一言に、かなみと来葉は顔を見合わせる。
「涼美、怖いわね」
「はい」
「フフゥ」
涼美は楽しげな会話を聞き取っているうちに、外である心音を聞き取った。
(来てたのね。しかも、すぐに逃げられる位置で、私に気づかせるために。――まったく手がこんでるわね、フフ)
「涼美?」
そんな涼美に来葉が声をかける。
「なぁに?」
「今の笑顔、怖かったよ」
「えぇ、わかっちゃうかぁ……」
「涼美のように聞こえないけど、私はよく視えるから」
「そうよねぇ、私が断る未来も視てたのよねぇ」
「かなみちゃんには教えなかったけどね」
「それはよかったぁ、それであの人はどうなったのぉ?」
「それは……」
来葉は少し言いよどむ。
「……あなたの前に現れなかったわ」
「そっかぁ……」
涼美はそれだけ答える。
来葉には、それが少し寂しそうにしていた、という印象を受けた。
「来葉、かなみちゃんはあなた達が仲良くしてくれることを願っているわ」
「……それは意外ねぇ」
「仲良く出来ないの?」
「フフ、難しいわねぇ」
涼美は思わず苦笑する。
「来葉、私は本気で言ってるんだけど」
「わかってるわぁ……わかってるんだけどねぇ……」
涼美は来葉に、そして、かなみに向けてこう言い継いだ。
「難しいわねぇ、本当に……」
「……どうしてでしょうか?」
平木の交際の申込みを断ったとき、来葉は傍らにいたかなみを抱き寄せてこう答えた。
――この娘のためよ
平木は再びあっけにとられてしまった。
何か言いたくて口を動かすものの、結局言葉が出なかった。
そうして涼美は、かなみに手を引いてその場を去っていた。
多分彼とはそれっきりだろう。
たまにこの商店街ですれ違うことはあっても、もう他人同士。
彼は普通の人だから、もう関わり合いにならないようきっぱりと断れた。
かなみを口実にしたみたいで、少しずるい気がした。
そんな振り回してばかりいるかなみに、自分は何ができるだろうか。
きっと、それは今の自分には何よりも難しいことだと思った。
「ランラン、ララ―ン♪」
涼美はスキップしながら鼻歌交じりにやってくる。
「ご機嫌ね」
「だって~かなみと一緒にお仕事だものぉ、かなみはぁ嬉しくないのぉ?」
「私は……」
嬉しい、というより、頼もしい。といった方が正しかった。
涼美は自分よりも強いし、経験豊富で、あの厄介な魔法を使う怪人にも何らかの解決策をもって倒してくれるだろう。
しかし、今に限っては一緒にいるのは気まずい。
涼美に黙って告白してきた男性に会ってきた。
このことを知ったら、母は自分のことをどう思うのか。そう考えると後ろめたい気持ちになってきて、気が重くなってくる。
「んん?」
涼美はこちらの様子を伺ってくる。
「……嬉しい」
本当とも嘘ともいえない微妙な気持ちのまま、そう答えた。
「そう言ってくれて~、もっと嬉しいわぁ」
涼美は手を叩いて喜ぶ。
そのせいで、かなみは余計に後ろめたい気持ちになる。
「ここだよ」
マニィが言う。
「昨日はここに怪人がいたんだよ」
「今日はいないみたいねぇ」
「昨日、逃しちゃったからもうここにはいないでしょ」
「ここも手がかりの一つだからねえ。とはいえ、数ある目撃情報の一つだけどね。昨日は一発目で当たりを引けたけど、今日はどうだろうか」
「その目撃情報の地図を見せて~?」
「いいよ」
マニィはかなみの肩から涼美の肩へ飛び移って、涼美に地図を見せる。
「どれどれぇ」
涼美は地図を楽しげに目を通す。
「なるほどねぇ、わかったわぁ」
「わかったって何が?」
「敵のいる場所よぉ」
「なんで地下水道なのよぉッ!?」
かなみはその場にあったマンホールから地下水道に降りて早々に文句を言う。
地下なので反響がする。
「しー、敵に聞こえちゃうでしょぉ」
「あ、ごめん……」
かなみは口を塞ぐ。
「それで~どうして~地下水道かっていうとねぇ、この地図を見ればわかるのよぉ」
「地図を見ればわかるって……」
かなみは地図をもう一度見てみたけどわからなかった。
「目撃情報は五ヶ所あって~、どこも路地裏で~飲食店の近くなのよねぇ」
「気づかなかった……」
「それにぃ飲食店はぁあそれぞれ地下水道で~繋がってるわぁ」
「なんでそんなことまで知ってるの?」
「仕事柄ぁ、都心の地下道はぁだいたいぃ把握してるのよぉ」
「どういう仕事よ?」
「聞きたい?」
「聞いたら教えてくれるの?」
「この仕事が終わったらねぇ」
「教えてくれないのね」
かなみは先を歩いて行ってしまう。
「あぁ、かなみぃ、待って~?」
「ん?」
「聞こえてこないぃ?」
そう言われて、かなみは立ち止まって耳を澄ます。
地下の水音と自分達の息遣い以外何も聞こえない。
「足音ぉ」
「――!」
そう言われて、自然と敵の怪人のモノと理解した。
(私には全然聞こえないけど、母さんには聞こえる)
母は冗談でそんなことを言わない。
それも近くにいるからこそ警戒の意味合いもかねて言ったに違いない。
「こっちが近づいてきているのもぉ気づいて~、息を潜めているようだけどぉ、私にはバレバレなのよねぉ」
「ええ、なんで気づかれたのよ」
「かなみがぁ大きな声をぉ上げるからでしょ」
「あぁ……」
さっき声を上げてしまったときのことだ。
そのことをやんわりと母に指摘されて、不注意だったと密かに反省する。
「あぁ、それともぉう囲まれてるわねぇ」
「……え?」
カタ! バシャ! カタ! バシャ!
その瞬間を見計らったかのように、足音とともに水しぶきまで上がってくる。
「わ、わわ!?」
ワラワラと昨日見た怪人・チウチウの顔が次から次へと姿を表す。
涼美が言うように、周りは取り囲まれていて、数は昨日よりも遥かに多く、ざっと見回して百を超えている。
「二百五十五人ねぇ」
涼美はその数を口にする。
「多すぎじゃない!?」
「そりゃ、こっちは子に孫にひ孫全員やられたからでチュー! こんだけ用意しなくちゃならなかったんでチュー!!」
一人のチウチウが代表者のような形で発言してくる。
こいつが昨日取り逃がした大元のチウチウだろう。
「二人の子供! 四人の孫! 八人の曾孫! 十六人の玄孫! 三十二人の昆孫! 六十四人の仍孫! 百二十八人の雲孫! しめて二百五十五人の大家族でチュー!!!」
チウチウは自慢げに披露する。
「ほ、本当に二百五十五人もいるのね……ネズミ講ってこんなに酷いことになるのね……」
かなみは数の多さに目まいまでしてきそうだった。
これを全部倒さなくちゃいけないのかと思うと、面倒で面倒で……。
「なるほどねぇ、孫の孫って玄孫っていうのねぇ」
「母さん、それはどうでもいいから、っていうか玄孫の下なんて初めて聞いたわよ」
「かなみの昆孫の顔もぉ見てみたいわねぇ」
「母さん! それ無理あるわよ!? せめて孫の顔って言って!!」
というか、昆孫の顔って何年生きたら見れるのだろうか。
涼美だったら長生きしそうで怖いけど。
「お前らがグズグズしてるようだったらさらに二百五十六人の雲孫の子供を生んでやるぜ!」
かなみと涼美の母娘のやりとりに、チウチウは業を煮やしたようだ。
「わーこれ以上増えないで!!」
「大丈夫よぉ、かなみ♪ 彼はぁこれ以上増えないからぁ、というより~――増やせないでしょ」
「な、何ぃッ!?」
涼美の放たれた一言に、チウチウは狼狽する。
「これだけの人数をぉ生み出すにはぁ相当な魔力がぁ必要よねぇ。昨日かなみにいっぱい倒されたんだからぁ尚更ねぇ」
「チィッ!」
チウチウは舌打ちする
「飲食店をぉ周り歩いて~残飯あさりして魔力を補充してたみたいねぇ、この街から逃げなかったのはぁ食べて魔力を確保しなくちゃいけなかったけどぉすぐ見つかっちゃったからぁそれもご破談ねぇ、これだけの数を揃えたのはぁ最後のせめてもの悪あがき」
「く、くそぉッ!!」
考えを全部看破されたチウチウは悔しさのあまり歯ぎしりする。
「ええい、こうなったら俺の子供たちがお前達を袋叩きにしてやるでチュー! これが本当の袋のネズミでチュー!」
「ふぅん、袋のネズミねぇ。かなみだったらぁネズミでも可愛いんじゃない~?」
「呑気なこと言ってないで、変身しなくちゃ」
かなみは呆れつつも、コインを取り出して放り投げる。
陽の光が閉ざされた暗闇の地下水道にまばゆい黄色の光が出現する。
「まぶしッ!?」
チウチウはその光に目が眩む。
その間に、黄色の衣装を身に纏った魔法少女二人が姿を現す。
「愛と正義と借金の天使、魔法少女カナミ参上!」
「鈴と福音の奏者・魔法少女スズミ降誕!」
母娘揃って、ポーズを決めて名乗りを上げる。
「ええい、それがどうした! 束になってかかれば倒せるに決まってる!! いけ、我が子供達! 孫達! 曾孫達! 玄孫達! 昆孫達! 仍孫達! 雲孫達!」
「「「おおぉぉぉぉぉッ!!」」」
二百五十四人のチウチウは怒声を上げて一気呵成に襲いかかってくる。
「そぉれ」
その渦中にいるスズミは対照的に気の抜けそうな声を出して、巨大な黄金鈴を天井近くまで放り投げる。
チリィィィィン!!
その鈴から空気を揺るがすほどの強烈な音色が発せられる。
「ん……!」
カナミはその音響にたじろいだ。
しかし、ダメージは無かった。
「ががががががッ!?」
チウチウ達は一斉に歯ぎしりして、ガタガタ震えて、バタバタと倒れていく。
「何が起きたの?」
カナミはスズミに訊く。
二百五十五人のチウチウは一人ひとりだんだんと動かなくなっていく。
スズミに何か秘策があるように見えたけど、こんなにもあっさりと倒すとは思わなかったし、一体何をしたのかわからなかった。
「超音波よぉ、ネズミってそういうのが苦手でしょ?」
「ネズミじゃなくて、怪人でしょ」
カナミが母にツッコミを入れる。
「細かいことは気にしないのぉ、弱い怪人ならぁこれ一発で終わりなんだからぁ」
「アハハハ、一発で終わりね。でも、私もその音波を聞いたんだけどなんともないけど」
カナミは自分の耳を撫でて、確かめてみる。
ちょっと耳がキーンとしたものの、それだけでなんともない。
弱いとはいえ怪人を倒せるほどの超音波なら自分にだってダメージがあってもおかしくないはずなのに。
「怪人を倒すぅ、人には害がないぃ、そういう波長になるようにぃ調節したからよぉ」
「へえ、そんなこともできるのね」
「凄いでしょぉ」
「うん、凄い!」
「アハハハ、もっと言って~言って~」
カナミの素直な物言いに、スズミは上機嫌になる。
「……あ、でも、こんな簡単に倒しちゃったら、私が変身した意味って……」
ふと冷静になって、カナミは自分の存在意義について疑問に思った。
「ボーナス入金確認!」
地上に出たかなみは携帯電話で、ネズミ講怪人チウチウを倒したことによるボーナスの入金を確認して、ガッツポーズをとる。
いつもならこの確認はマニィの役目なのだけど、涼美の超音波で身動きがとれないくらいのダメージが受けたそうだ。
どうにも同じネズミだったから超音波の影響を受けたみたいだけど、涼美はこれに対して「マスコットはぁさすがに計算外だったわぁ」と苦笑した。
というわけで、マニィはカバンの中で大人しくしている。
「さぁて、ボーナスも入ったことだしぃ~今夜はぁごちそうねぇ」
「母さん、あんまり派手に使わないんでね」
とはいえ、今日はほぼ涼美の功績といっていいので、ボーナスを使う権利は涼美にあるので注意くらいしないつもりだった。
「それじゃぁ、このままぁお買い物しましょうかぁ」
地上に出てすぐそこはもう商店街だった。
せめて、母が無茶な財布の使い方をしないように注意するくらいしようと、かなみは心に決めた。
そこで何かを忘れているような気がした。
「――あ!」
そこへ二人を呼び止める男の声がする。
「あぁ……」
そこで、かなみは思い出す。
商店街で涼美を探している人のことを。
「あの!」
「また会ったわねぇ」
涼美と平木は顔を合わせる。
(まずい……)
かなみはとっさにそう思って、涼美の陰に隠れようとする。
昨日会ったばかりで、来葉の助手ということになっている。それが、今日は意中の人と一緒にいる。どういうことなのか問い詰められるし、そんなことをしていたと涼美にバレたらまずい。無駄な抵抗だというのに。
「いえ、あなたに会いたくてきたんです」
「それは嬉しいわねぇ」
(……え?)
かなみは呆然として、涼美の顔を見上げる。
社交辞令なのか、本当の気持ちなのか、その微笑みからは伺い知ることができない。
「それで……お返事は……?」
平木は恐る恐る尋ねてきた。
「………………」
涼美はすぐには答えなかった。
かなみにはそのしばしの沈黙がどうしようもなく重苦しく感じた。
(え、母さんまさかオーケーするの? でもオーケーしたら父さんはどうするの? でも父さんがしでかしたことを考えたら仕方ないような、でもまだ離婚したわけじゃないから、あ、でも父さんが逃げたから離婚してないだけで、でもでも二人はまだ夫婦だから、これって不倫になっちゃうんじゃ!? って、母さんどうするの断るの!? 断らないの!?)
堂々巡りのように動き回る頭とは別に気づかないうちに涼美の服を掴む手が震えていた。
その震えは涼美に伝わっていた。
「……ごめんなさい」
涼美は一礼する。
「……え?」
今度は平木の方が何が起きたのか分からずに唖然とする。
「……どうしてでしょうか?」
しかし、納得がいかず、涼美へ問いただす。
「それはねぇ……」
「あ、あの、母さん……?」
「なぁにぃ?」
商店街で平然と買い物を続ける涼美。
そんな涼美の背中を見続けて、いたたまれなくなって問いかけた。
「……あの、その……怒ってない?」
「どうして~?」
「……バレてるよね?」
「平木とぉ会ったことぉ?」
やっぱりバレていた。
こうみえて察しがいい母なのであった。そして、怒ると怖い。
「うん」
しかし、ここは素直に答えることにした。
「怒ってないわよぉ。むしろ、嬉しかったわぁ」
「嬉しかった?」
「かなみがぁ私のことをぉ考えてくれたことだからぁ」
「考えていた……? 私が母さんのことを考えていたか……わからないけど……」
「考えてなかったらぁ、会いに行かないわよぉ」
「そうなのかしら……そうなのかも……」
「――それで、あの人に会ったの?」
ドキリとする。
母が『あの人』呼びする人は父しかいない。それを問いかけられて、一瞬胸が高鳴ってしまった。
それだけで母には全てわかってしまう。
「フフ、かなみはぁわかりやすいわねぇ」
「と、父さんは……」
「私がいないときを見計らって、かなみに会いにきたのね。あの人はそうする人だからね。それであの人はなんて?」
「う、うーん……」
かなみはなんて答えたらいいのか困った。
それというのも、母が『あの人』と口にするとき、気温が数度下がったかのような冷たさを感じる。
「……母さんが、告白されたこと、気にしてた」
「……そう」
母はただそれだけ答えて顔を見せなかった。
ただ、かなみから見た印象はこうだった。
――ちょっぴり嬉しそう。
「ごめんなさい」
アパートの部屋に戻るなり、来葉が額を床につけて謝罪してきた。
何事かと、かなみは面を食らった。
一方の涼美は、平然としていた。
「土下座ってレアよねぇ」
「こうした方いいかと思って」
来葉は申し訳無さそうに言う。
「うん、そうねぇ。かなみをぉそそのかしたのはぁいただけなかったわねぇ。それに色々調べてたみたいだしぃ」
「母さん、やっぱり怒ってる?」
かなみは恐る恐る訊く。
「うぅん、全然怒ってないわぁ、かなみにはぁ」
『かなみには』、その言葉が余計に怖く感じてしまった。
「だからぁ、わかってるわよねぇ」
「お詫びの品物もってきたわ」
来葉はパックを涼美へ差し出す。
「わ~牛肉ねぇ」
涼美はパッと明るくなる。
「かなみ、今夜はすきやきよぉ」
「母さん、それは嬉しいけど来葉さんのことは?」
「まあぁ、元々怒ってたぁわけじゃないからねぇ、許すも許さないも何もないわよぉ」
「そうだったの!? すごく怒ってると思ったのに!?」
「母さんは寛大なのよぉ」
「え、それは……」
納得しかねるところがあった。
「それじゃ今日はぁお鍋パーティしましょう。来葉ちゃん、手伝って~」
「え、えぇ……いいけど」
涼美と来葉は牛肉のパックを持って、台所へ移動する。
「あれ、でも今日は(肉なしの)野菜炒めにするって?」
「こんなにぃいいお肉がぁ入ったんだものぉすきやき~すきやき~」
涼美は歌いながら商店街の八百屋から買ってきた野菜を切っていく。
「まったくゲンキンなんだから」
来葉はそう言いながら、隣で野菜を切っていく。
「あの、来葉さん? 来葉さんはああなるのがわかっていたんですか?」
「ああなる? さて、何のことだか……」
「来葉さんって、とぼけるのが下手ですね」
「そう。かなみちゃんに言われると心外ね」
「え~」
「二人ともぉ、全部聞こえてるわよぉ」
涼美の一言に、かなみと来葉は顔を見合わせる。
「涼美、怖いわね」
「はい」
「フフゥ」
涼美は楽しげな会話を聞き取っているうちに、外である心音を聞き取った。
(来てたのね。しかも、すぐに逃げられる位置で、私に気づかせるために。――まったく手がこんでるわね、フフ)
「涼美?」
そんな涼美に来葉が声をかける。
「なぁに?」
「今の笑顔、怖かったよ」
「えぇ、わかっちゃうかぁ……」
「涼美のように聞こえないけど、私はよく視えるから」
「そうよねぇ、私が断る未来も視てたのよねぇ」
「かなみちゃんには教えなかったけどね」
「それはよかったぁ、それであの人はどうなったのぉ?」
「それは……」
来葉は少し言いよどむ。
「……あなたの前に現れなかったわ」
「そっかぁ……」
涼美はそれだけ答える。
来葉には、それが少し寂しそうにしていた、という印象を受けた。
「来葉、かなみちゃんはあなた達が仲良くしてくれることを願っているわ」
「……それは意外ねぇ」
「仲良く出来ないの?」
「フフ、難しいわねぇ」
涼美は思わず苦笑する。
「来葉、私は本気で言ってるんだけど」
「わかってるわぁ……わかってるんだけどねぇ……」
涼美は来葉に、そして、かなみに向けてこう言い継いだ。
「難しいわねぇ、本当に……」
「……どうしてでしょうか?」
平木の交際の申込みを断ったとき、来葉は傍らにいたかなみを抱き寄せてこう答えた。
――この娘のためよ
平木は再びあっけにとられてしまった。
何か言いたくて口を動かすものの、結局言葉が出なかった。
そうして涼美は、かなみに手を引いてその場を去っていた。
多分彼とはそれっきりだろう。
たまにこの商店街ですれ違うことはあっても、もう他人同士。
彼は普通の人だから、もう関わり合いにならないようきっぱりと断れた。
かなみを口実にしたみたいで、少しずるい気がした。
そんな振り回してばかりいるかなみに、自分は何ができるだろうか。
きっと、それは今の自分には何よりも難しいことだと思った。
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