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第二章:三軍としての険しい道
たったひとりとなった純一
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*** 9月のはじめ頃 ***
それまで桐南高内で好き勝手に振舞っていた純一は、すっかり大人しくなってしまっていた。
簡単に直美の軍門に下り、鬼女の三軍として働かされていることを知る者は、校内にはほとんどいない。
それまでの純一の周りの取り巻きも、誰一人としていなくなってしまった。
校内でいつも一人となってしまい、自分の無力さを感じていた。
だからこそ、虐められながらも、三軍でありながらも、自分の居場所が確保されている鬼女が、離れられないのかもしれない。
しかし鬼女でも、いまやたったひとりの三軍となってしまった、純一。
さすがにこれでは、準備のうえで手薄と感じられ、次第に二軍女子たちが準備などを、順番に手伝ってくれるようになった。
手伝ってくれていた樹莉からは、
「純一、おまえ、その特攻服姿も、だんだん板についてきたじゃん!」
女子たちに対する立場は変わらねど、いろいろと気を遣ってもらえるようになったことに対し、少しうれしい気分になっていた。
しかし、三軍としての扱いは、なんら変わることはなかった。
純一の加入後に鬼女に入ってきたメンバーは、全員女子。しかし彼女らは、新人であっても、全員二軍から配属された。明らかな女尊男卑である。が、直美が決めたことなので従うのみである。
新メンバーで、樹莉のともだちの、詩織が入って来た時のこと。詩織の加入初日、自分よりも年上の高3男子に対し、何でも命令できることに、戸惑っていた様子であった。
しかし、やはり鬼女に入って来る女子たちは、度胸が違う。もうその10分後には
「おい、純一!こっちの灰皿いっぱいになってんだろ。早く気づけよ、おらぁ」
と調子づかれていた。
また、三軍への躾けは、その後も直美の気分次第で、ときどき行われていた。躾け係はユイナから樹莉に変わり、実行メンバーは樹莉、彩乃、そして新人の詩織となった。躾けの度に純一はまた、あのときと同じ姿にさせられ、きびしい躾けを受けていた。
樹莉の躾けは、いっそうヒートアップし、二軍女子から散々な辱めを受け、鬼女全体の笑いものにされたことは言う間でもない。
特に、彩乃からの強烈な躾けが、全員にとって印象的であった。
「純一、お前、ほんとうはこんなことされてぇんだろがぁ、おらぁ!」
純一に、女子たちがそれまで想像もつかなかった、数々の姿勢を強要したうえ、そこに筆舌に尽くしがたいほど、辱めをさせつづけたのだ。
あまりもの彩乃の奇抜な発想に、純一は哀れにひたすら必死に許しを請うのみ。樹莉は隣で驚きと関心と笑いが止まらず、その場の鬼女メンバーたちの大笑い声の渦が、いつも響き渡った。
それまで桐南高内で好き勝手に振舞っていた純一は、すっかり大人しくなってしまっていた。
簡単に直美の軍門に下り、鬼女の三軍として働かされていることを知る者は、校内にはほとんどいない。
それまでの純一の周りの取り巻きも、誰一人としていなくなってしまった。
校内でいつも一人となってしまい、自分の無力さを感じていた。
だからこそ、虐められながらも、三軍でありながらも、自分の居場所が確保されている鬼女が、離れられないのかもしれない。
しかし鬼女でも、いまやたったひとりの三軍となってしまった、純一。
さすがにこれでは、準備のうえで手薄と感じられ、次第に二軍女子たちが準備などを、順番に手伝ってくれるようになった。
手伝ってくれていた樹莉からは、
「純一、おまえ、その特攻服姿も、だんだん板についてきたじゃん!」
女子たちに対する立場は変わらねど、いろいろと気を遣ってもらえるようになったことに対し、少しうれしい気分になっていた。
しかし、三軍としての扱いは、なんら変わることはなかった。
純一の加入後に鬼女に入ってきたメンバーは、全員女子。しかし彼女らは、新人であっても、全員二軍から配属された。明らかな女尊男卑である。が、直美が決めたことなので従うのみである。
新メンバーで、樹莉のともだちの、詩織が入って来た時のこと。詩織の加入初日、自分よりも年上の高3男子に対し、何でも命令できることに、戸惑っていた様子であった。
しかし、やはり鬼女に入って来る女子たちは、度胸が違う。もうその10分後には
「おい、純一!こっちの灰皿いっぱいになってんだろ。早く気づけよ、おらぁ」
と調子づかれていた。
また、三軍への躾けは、その後も直美の気分次第で、ときどき行われていた。躾け係はユイナから樹莉に変わり、実行メンバーは樹莉、彩乃、そして新人の詩織となった。躾けの度に純一はまた、あのときと同じ姿にさせられ、きびしい躾けを受けていた。
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